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第四回 インシデント対応の、本当の大変さ

これまでの記事では、
“うっかり”はなくならないこと、
そして「気をつけて」だけでは防げないことについて書いてきました。

今回は、その先の話です。

実際にインシデントが起きてしまったとき、
何が一番大変なのか。


事故そのものより大変なこと

メールの誤送信や情報漏えいが起きたとき、
まず行われるのは事実確認です。

・どこに送られたのか
・何が含まれていたのか
・どこまで影響があるのか

ここまでは、ある意味で“技術的な対応”です。

本当の大変さは、そのあとにあります。


「説明する」という仕事

インシデントが起きたとき、
情シスには多くの説明が求められます。

・経営層への報告
・関係部署への共有
・場合によっては顧客への説明

そのときに問われるのは、

「なぜ起きたのか」
「再発防止はどうするのか」

という2点です。

しかし実際には、
“人のミス”だけでは説明しきれないケースがほとんどです。


原因はひとつではない

誤送信ひとつをとっても、

・業務が立て込んでいた
・確認のフローが曖昧だった
・仕組みとして止められなかった

いくつもの要因が重なっています。

それを、

「本人の注意不足です」

だけで終わらせてしまうと、
同じことは繰り返されます。


「再発防止策」をどう設計するか

では、どうするか。

ここで求められるのは、
“人に依存しない対策”です。

・送信前に確認を挟む
・一定条件で注意を促す
・誤送信を未然に防ぐ仕組みを取り入れる

例えば、送信前のチェックや条件に応じた制御など、
「365 Alert」や「WISE Alert」のように
人の判断をそっと支える仕組みも広がってきています。

ただ、重要なのはソリューションそのものではなく、
“どうやって人を支えるか”という設計です。


厳しくするほど、使われなくなる

一方で、対策を強くしすぎると、

・業務が遅くなる
・現場にストレスがかかる
・抜け道が生まれる

といった別の問題も出てきます。

だからこそ難しい。

止めすぎず、止めなさすぎず。

このバランスを取ることこそが、
情シスの腕の見せどころなのだと思います。


インシデント対応は、評価されにくい

無事に収束しても、
「何も起きなかった」ことにはならない。

でも、大きな問題にならずに済んだのは、
間違いなく対応があったからです。

状況を整理し、
関係者に説明し、
再発防止を設計する。

その一つひとつが、
会社の信頼を守っています。


おわりに

インシデントは、起きないのが一番です。

でも、完全になくすことはできません。

だからこそ、

起きたときにどう向き合うか。
どう説明し、どう次につなげるか。

そこに、情シスの価値があるのだと思います。

次回は、
「セキュリティは“邪魔”なのか?」というテーマで、
現場との関係について考えてみたいと思います。


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