【実話】桃から生まれた時の話
先日の「すまいるスパイス」でお世話になりました白鉛筆さんが、クリエイターの皆さんオリジナルの創作『桃太郎』を一日限定で一斉に募集するという素敵な企画を開催してくれました。
しかし、今回の僕の『桃太郎』の話は全て実話であり、物語を募る白鉛筆さんの企画の趣旨とは異なるため、今回は不参加という形で、皆さんの作品の応募終了後に投稿させて頂きます。
小学1年生の時に、学芸会の演目『桃太郎』にて、桃太郎役に指名されました。
と言っても実は桃太郎役は3人で、まず1人目は桃から生まれる桃太郎、2人目はきびだんごを腰に携えて犬・猿・きじを味方にする桃太郎、そして3人目は鬼ヶ島へ行き鬼を退治する桃太郎です。
小柄だった僕は、桃から生まれる桃太郎に選ばれました。おそらく僕みたいなへなちょこが鬼退治の役を任されたら、すぐに返り討ちに遭って泣きながら命乞いをすること間違いありません。
(小柄ゆえのエピソードはこちら↓)
劇の中で使われる木製の大きな桃の直径は120cmほどでした。おじいさんとおばあさんが桃に包丁を入れ、同時に舞台の袖から桃の両端の紐を引っ張ると、桃がパカッと割れて、こーた桃太郎が登場、という流れです。


桃から生まれたご経験のある方はお分かりだと思いますが、切り口の高さは一番低い所でも50cmほどあります。そのため助走なしで勢いよく外に飛び出すのはなかなか難しく、本番では板の切り口に腿の裏が擦れてしまい、切り傷が出来てしまいました。
演劇は午前の部と午後の部の2回公演でした。ところが午後の部の直前になって、顔に付けていたはずの「ほっペタ」がいつの間に無くなっていることに気が付いたのです。

「ほっペタ」とは、頬っぺたにペタッと貼るシールのことで、表側が桃色のフェルト生地、裏側がシールになっていて、母親がこの日のために手作りしてくれたものでした。
しかも出番前のステージ裏で、衣装の下に履く短パンも履いていないことに気付きました。午前の部で出来た腿の傷に薬を塗ってもらう時に脱いだ後も、ずっと桃印の前掛けを着けたままだったので、直前まで違和感に気が付かなかったのです。
もう時間がなかったので、本番は仕方なく前掛けの下におパンツのままで桃からぴょーんと飛び出しました。結局「ほっペタ」は、その時に脱いだ短パンのポケットに入っていました。
余談ですが、稽古の段階で、鬼退治をする桃太郎の役の子と、鬼の大将の役の子が、途中から互いの役柄をそっくり入れ替える事態になりました。
二人の背丈はあまり変わらないものの、当初鬼の大将役だった子は大人しくスマートな印象、逆に桃太郎役だった子は武闘派の鬼気迫る演技が好評で「逆にこの子が鬼の大将になった方がもっと迫力が出る」との先生方の判断からでした。
演技派だったあまりに主役から斬られ役に変わってしまった彼がいささか不憫ではありましたが、その彼が最上級生の年の演劇で提督コロンブスに扮し、5年ぶりに主役としてステージに返り咲いたのは、同い年ながら流石と言わざるを得ません。
↑コロンブスの記事を久々に読み返したら、今回の桃太郎のことについても少しだけ触れているのを発見して今さらながら驚いています。
そんな訳で、物語を募集する企画に、よりによって2年振りにエッセイを書いてしまいましたが、この日のために桃太郎エピソードを温存していて良かったです。白鉛筆さん、素敵な企画を本当にありがとうございました。
