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65歳からの挑戦(6)ひとりパリの夜。私は本当にここまで来た!


●ムッシュKamelはお酒もタバコもやらない紳士ドライバー

ようやく着いたパリの夜、私は少し震えていた。
「本当にここで泊まれるの?」
4泊5万円。しかも返金不可。
65歳の挑戦は、最後まで小さな不安がつきまとう。

「9区オペラ界隈で、4泊5万円以下なんか、絶対ありえへんわ。
AGODAで予約? 問題になったとこやん」。
「降ってきたパリ」への旅の経緯を海外旅行通の友人に話すと、
そんなのムリムリ、と一刀両断されたものだ。
しかし、そのAGODAで深圳のハイアット・リージェンシーを急遽押さえ、
空港からホテルまでの送迎も日本出発前にAGODAで予約済み。
AGODA確かに問題になったこともあったけれど、私のAGODA歴は早
20年か25年は経っていると思う。
昨年の国内各地の旅も、すべてAGODA。

そしてパリのドライバー、ムッシュKamelもAGODA経由だったが、
彼は素晴らしいジェントルマンだった。
「Hi Madame I’m your driver this night.
Waiting you in terminal 1, arrivals hall
You are very kind with your smile」
マダム、ターミナル1の到着ロビーで待ってますよ。
笑顔がいいですね!」

中国経由で、思わぬロスをしてきた長い長い旅程を超えて着いたパリで、
こんなにやさしい言葉をかけてもらえたら感激だ。

空港まで迎えに来てくれたドライバーのkamelさん

市街地のホテルまでは40分程度で到着するという。
Kamelさんの隣の席で、ホテルのチェックインまで付き合ってくれるかどうか、交渉。「ウイ・ウイ!もちろん! 」

●フラプリで買った「シャルドネ」で今夜のパリに乾杯!
「返金不可」で予約したホテルは、とても小さくて可愛いホテルだった。
フロントでまず「観光税」を支払った。13ユーロ(日本円で4泊2504円)。
そして、中2階のフロアにチェックイン。
まああ! なんて可愛らしいお部屋なんでしょう。
セミダブルのベッドにオレンジのチェア。ライトもオシャレだ。
eSIMだから心配ないが、Wi-Fiもすぐつながった。やれやれ。
充電はUSBのコンセントがあった。やれやれ。

パリ9区 ホテル・ド・パリ
清潔で可愛いらしいカラーリング。


ホテルの通りには人通りは少なかったが、午後9時前ということもあって、
人通りは少なかったが、近くには機内で読んだパリのガイド本にも紹介されていた「フラプリ」というミニスーパーがあった。
用心してKamelさんにアテンドしてもらい、
マコン・ビラージュのシャルドネを買った。
そして近くのカフェで、このムッシュにエスプレッソをご馳走してみた。
私は白ワインと赤ワイン、そしてオニオングラタンスープをいただいた。
お代は62ユーロ。183円超のユーロレートだからたいしたプライス(7000円近く)だと翌日気づくのだけれど、この夜は安堵感のほうが大きい。
本当にしみじみと安堵と喜びが湧いてきた。

ホテル近くのカフェにて
オニオングラタンスープ。チーズかかってました。11ユーロ


ムッシュKamelにホテルに送ってもらい、
さらにフロントの男子に、買ったばかりのシャルドネをその場で開けてもらい、ワイングラスも一つ貸していただいた。
そう、ここはパリなのだ。私は一人で無事にパリにやって来た。

帰りがけお世話になったKamelさんに、
どの区に住んでいるの?どこまで帰るの?と訊くと、
彼は「パリだよ」とひと言。
パリに生まれ、パリにずっと住み続けてきたパリジャンならではの言葉だなと、思ったのでありました。

そう、65歳の挑戦は、決して豪華さではない。
「無事にここまで、パリまでたどりついた」と自分に言える夜のことだ。

フラプリで買ったシャルドネ。ジャスミン茶は前夜深圳空港のローソンで購入


(次回につづく)

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