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全編生成AI映画「generAIdoscope:ジェネレイドスコープ」製作の経緯

2025年に劇場公開された、全編生成AI映画「generAIdoscope:ジェネレイドスコープ」が、2026年4月よりAmazon、DMM、U-NEXTにて配信開始されました!

2024-2025年初頭にかけてのAI映像作品の変遷を垣間見れます。

映画「generAIdoscope:ジェネレイドスコープ」とは


本作「generAIdoscope:ジェネレイドスコープ」は3作品のショートムービーからなるオムニバス映画。

制作し始めてから完成までの時期がそれぞれ異なっており、2024年春夏頃に作った画像・動画から2025年初めに作った画像・動画までが混在した作品になっているのです。

2024年4月に制作し、夏に発表した特報が下記。制作途中の2024年6月にRunway Gen-3が登場してしまい、元々Gen-2で製作していた動画の一部をGen-3で作り直すなどしていました。

以降、秋に全編公開のはずが、上映イベントを先送りにしたり、なかなか劇場が決まらず、紆余曲折を経て2025年夏の劇場公開となりました。

そして2026年の4月に配信。日々、進化の激しいAIなので、作品発表までの展開の遅さに、今更これを発表すべきなのかというかなりの葛藤が生まれてしまいます。

企画の発端

本作は2024年初冬に企画が発足、2024年秋には公開を目指して制作しておりました。

2023年、AIアニメやミュージックビデオを作って海外映画祭に出品などしていると、海外に招待され、驚かれることも多かったことから、もしかしたら長編映画が作れるのではないかと思ったことが発端。

当時はまだAIで映画を作っている人はごくごく一部でした。

おそらく日本では初!?になったAIアーチストのミュージックビデオが作れてしまった(Xフォロワー100人もいなかったのに30万ビュー超に)ことから、可能性を感じてすぐにAI映画制作に関心のありそうな知人に声をかけて企画がスタート。

3人で企画を持ち寄って、実写風ドラマ、アニメ、SFと3作品それぞれの作風が分散するようにもしました。

当時のAI動画は4秒くらいの生成がやっとで、そのうち使える部分は1,2秒くらい。

長編を作るのは途方もないと思ったことからも複数人数で制作し、分担するという意味がありました。

私個人は「AZUSA」という短編アニメ作品を作ることに。以下では「AZUSA」の制作経緯をメインで伝えていきます。

制作時期は2024年春〜秋にかけて、体制としては脚本を除いては私1人で仕事の合間をぬってコツコツと生成を行うという、数ヶ月がかりのプロジェクトでした。

脚本

まずはそれぞれが脚本を制作。

私は元々、実写の長編映画にしようと考えていたかなり長いシナリオをAI映画用に改稿して短編にしました。

その長編映画はまったく違うタイトルで、とあるカフェに訪れる様々な人物の夢を異空間を通じて追いかけていくというファンタジーな世界観。AIアニメ「AZUSA」よりはるかにに多くの人物が登場する群像劇。

モノづくりをしている人、夢をあきらめた人が多く登場し、夢を追いかけることの素晴らしさを純粋に伝えるだけのシンプルな話ですが、理想の完成形はミュージカルファンタジー。

ロケ地もすでに候補を見つけていて、淡路島と大阪を中心に撮影をしようと思っていました。

しかし、実写で撮影して作るのはなかなか実現が難しいため、企画が頓挫したのが2023年のこと。

そんな中、AI動画が急成長してきたため、AIなら実現できるのではないかと考えたのです。

脚本は人間が書いていますが、短くする過程ではAIに多く相談しました。

2024年初冬〜春にかけてですが、当時は日本で使用可能になって間もないClaudeを多く使っています。

さらに英語翻訳もやってもらいました。AIそのままだと、主語や指示語がさす内容、ニュアンスが多く間違っていることがあるので、そう言った部分は人間が直します。

英語にしたのは、日本語のセリフをAI生成するとあまりにも違和感が酷かったためです。

当時は、世界でみても英語が一番自然だったのではないでしょうか。

画像生成

脚本ができたら、登場人物や場所のイメージを固めるための画像を作り始めます。

当時、3人が選んだツールはMidjourney一択でした。

他にも様々なツールがありましたが、映画のための描画力という点ではそれ以外の選択肢はありませんでした。

物語を作るにおいてのかなりの難点が画風やキャラクターの一貫性。

今の画像生成ではどのツールでも当たり前のようにできる同じキャラクターを違う画像でももう一度生成するということが当時はできませんでした。

AIでできる限界から逆算してとにかくシンプルなキャラクター、特徴のある髪型、服装の色などにすることにしましたが、生成するたびに違うキャラクターが作られてしまいます。

ピンク髪の女性を主人公に決めていくつか動画を生成したものの、プロンプトだけでキャラクターの一貫性を保つのは至難の業です。

同じキャストピンク髪の主人公が出るAI動画をいくつか作りましたが、髪型もストレートになったり、ウェーブがかかったり。そうプロンプトで指示しても全然うまくいきません。

当時作ったMVの1つは全カットの画像をPhotoshop合成までしています。

が、2024年春、ついにMidjourneyに画風を統一できるStyle Reference(sref)と、キャラクターを統一 Character Reference(cref)が機能が登場。

このタイミングでのリリースは本作の画像生成においてはかなり助かり、色々、試した結果1つのスタイルに辿り着きました。

が、今より精度は低く、統一性を測っているはずなのに、違うスタイル、違うキャラクター、違う服装が出てきてしまいます。

同じキャラクターを指定しているのに少しずつ顔も違う。

同じスタイルに統一しているはずなのに、画風が違う、線の太さからして全く違う問題にかなり悩まされる。

前後のカット、前後のシーンを見比べながら可能な限り同じスタイル、同じ画風に近づけるためには、上記のリファレンス設定の数値は決め込みつつ、さらにプロンプトを調整しながら、各カット100回以上もの生成を繰り返しやり直しています。

何度も何度も繰り返しているうちに画像生成だけで1ヶ月以上の時が過ぎました。

こうした大変さを経て、脚本も改めて見直しました。当初は登場人物がかなり多かったのを減らしました。

主要登場人物が同じシーンに3,4人登場するシーンの画像生成は気が狂いそうになるほど大変で、それを2,3人に減らしたり。できるだけシェイプアップしました。

2024年夏になってMidjourneyのWeb版が一般開放。

以前からMidjourneyを使っているユーザーには春くらいから試用可能になっていましたが、なんて見やすい画面なんだと思ったまでで、なかなかWeb版に移行できずにいました。

実際使ってみると、一部、Discordでしか使えない機能があったり、従来のDiscordでの画像生成に慣れすぎたせいで1つの作品を作っている途中で移行することに抵抗がありました。

が、さすがに夏には一部の機能を除き、完全移行しました。

Midjourneyのプロンプトを書くにあたってはClaudeに多く相談しました。

プロジェクトを作り、台本やキャラクター設定など可能な限りの資料をClaudeに共有。それを元に各シーンのカット構成、プロンプトをClaudeに考えてもらうことからはじめました。

ただ、Claudeの出力するカット構成やプロンプトはかなり丁寧で長文すぎるという特徴がありました。そのことを指摘すると、素直に認めてくれるものの、また次のシーンの生成をお願いすると結局元どおり丁寧すぎる生成に戻ってしまいます。

最終的にはClaudeの出力する構成やプロンプトは参考にとどめ、私自身が構成やプロンプトを考えていきました。

Claudeの書いてくれたプロンプトをかなり短くして使用するということもありました。

Midjourneyには長文を与えすぎると全然機能しなくなることが多かったのです。

動画生成

画像で可能な限り、各シーンのスタイル、キャラクター、場所、美術などに一貫性を持たせた後に、各カットを動画化していきます。

企画当初は動画生成AIといえばRunway Gen-2一択。Midjourneyは画像生成専用。

複数のツールをまとめたような統合プラットフォームのようなサイトは皆無でした。

OpenAIがSoraを2024年2月に発表していたので期待していたものの、リリースされないままの状況が続き、仕方がないのでRunway Gen-2で制作を開始。

先述のとおり、まずは映画全体のイメージを伝える特報を作りました。

4秒の動画が生成できるものの、破綻が大きいので実際使える部分は1,2秒。

とにかく短いカットの連続ですが、それも10〜20回生成を繰り返してようやく使える1,2秒ができるという状況。

嬉しいことに制作途中の2024年6月にRunway Gen-3が登場。

追うようにLuma AIがDreamMachineをリリースしたのが2024年6月、Klingという動画生成AIが発表されたのは2024年7月のことでした。

実験的に色々組み合わせたMVも作ってみました。

本作「AZUSA」の制作費は本当に限られたものでしたが、Runwayには無制限で生成が可能なプランがあったため、1ヶ月だけ無制限プランを契約。

2024年8〜9月にかけての1ヶ月で動画生成を終えてしまおうと計画しました。

Gen-3になって圧倒的に動きがよくなっていたため、1,2秒よりははるかに長いカットも生成できるようになっていました。

5秒生成し、それを延長して10秒動画にするということもできるように。

延長する切れ目の部分は動きが一度止まってしまうような現象が起きてしまうものの、長い動画が出力できる機能はかなり重宝。

作られた動画の最終フレームからさらに延長することで無限に長い動画を作ることができました。

Luma DreamMachine、Klingも使ってみましたが、Runwayと違って無制限生成ができるプランがなかったため、一部のカットでのみ使用することに。

ただ、Klingの生成クオリティにはあまりにもショックを受けました。

当時はKling1.0でしたが、Runway Gen-3よりもはるかに性能が高く、それまでに作った動画をすべてKlingで作り直したいと思ったほどです。

が、制作費がかなりかかることが予想されたのと、すでにほとんどの動画生成をRunwayで行ってきたため、すべてをまた作り直す気力が私にはありませんでした。

もし作り直したところでまた新しいAIが出てきて同じ葛藤が繰り返されるのが想像できたのです。

Luma DreamMachineのエンドフレーム機能にも驚きました。全然異なるシーンの画像を動画の最初と最後に設定すると、間を補完してくれる。

後々、どのツールでも当たり前のようになる機能ですが、その当時は画期的すぎました。Soraで発表されていた機能でしたが、Soraはいつまで経ってもリリースされずでしたので。

ただ、当時のLumaはあまりにも画質が悪かった(480p)のでごくごく一部のみの使用に限定しました。

SNSだと気にならないような画質でも、映画館で上映するような映画だと相当気になってしまいそうです。

音声生成

動画が出来上がったら、編集はDavinciResolveにて人間が行いましたが、その後は音声の生成を開始。当時の動画生成は音声までもは生成してくれません。

すべての動画に合うように、セリフ、環境音、1つ1つの動作の音まですべて個別に作って動画と同期させるように編集する必要がありました。

音声生成はElevenlabsというツールで行いました。2024年6月にElevenlabsが効果音を生成する機能をリリースしたのがちょうど本作の制作に間に合った形です。

企画当初は、AI音声でセリフ以外の音声を生成するのはかなり困難だと思っており、Artlistなどで効果音の素材を探したり、自分で収録した音声を編集に当てることを考えていたのです。

Elevenlabsでの効果音生成を試したところ、音質は悪いものの、何度も何度も生成することで実用に耐えるものができることも。

もう素材集で音源を探すという選択肢はなくなりました。

セリフは結構、棒読みだとは感じましたが、当時できるAI音声の限界だったかとは思います。

Elevenlabsに感情タグが登場したり、Minimax Audioなど様々なツールが登場したのはずっと後のことでした。

リップシンク

こうして作った音声を編集で動画にあてていくのですが、登場人物が実際に口を動かしてしゃべっているように見せる必要がありました。

作った画像や動画をAIリップシンクツールを使って口を動かしていくのですが、その当時のリップシンクツールはとにかく精度が低く、なかなかうまく動いてくれません。

Runwayでも2024年の夏にリップシンク機能が搭載されましたが、アニメでは一切機能しませんでした。

Pika、Runwayでは、アニメなのに実写の口が合成されるという気持ち悪い現象に。

画像からのリップシンクでHeyGen、D-IDを試したものの、やはりアニメだと機能せず。

一番、高機能だったKlingも少し横顔になったり、複数人数が登場すると全然うまくいきません。

皆が歌いまくるミュージカル映画を作るなんて理想が高すぎました。歌うどころか、単純なセリフですら口がピクリとも動きません。

最終的に選んだのがHedraです。当時はおそらく唯一(?)アニメでも口を動かしてくれました。

ただし、動画のリップリンクはうまくいかないので、アニメ画像の口を動かしてもらうことにしました。

すでに動画にしていたカットもセリフのあるカットでは動くのをあきらめ、画像の口だけを動かすことにしました。当時のHedraは画質が悪すぎた(480p)のが難点でした。

リップシンクにおいて不利だったのはアニメだけだったので、実写風映画を制作している他の2人の監督が羨ましく思いました。

音楽生成

音楽生成AIはUdioとSunoを併用しました。

当時、Sunoはv2が出て、1分以上の音楽が生成できるようになり、v1よりもはるかに高いクオリティを感じていたものの、全般的にUdioには劣っていました。

色々試して、本作の音楽ではほとんどをUdioで制作、一部Sunoによる音楽を使いました。

作詞はClaudeとChatGPT。

とにかく気にいるものが出てくるまで何度も何度も生成し、部分的な編集や延長を繰り返しました。

アップスケール

こうして出来上がった動画を最終的にはアップスケールツールTopaz Labsを用いて画質を向上させました。

縦480、720ピクセルという低解像度をフルHD画質の1080に拡張させましたが、ものすごくよくなるわけではありません。

擬似的に若干良くなるかという程度で革命的に変わるわけではなかったのです。ただ、劇場で流す映画だということもあり少しでもという思いでした。

映画「AZUSA」が一旦完成するが、、、

こうして映画「AZUSA」が一旦完成したのは2024年10月。2024年11月にとある映画祭で上映の機会が得られたためそれに間に合わせた形になります。

12分程度の超短い作品になりました。

他の監督らが長い尺の映画を作ってくれ、かつオープニングやエンディングを足してなんとか64分という長編になりました(「Monkeys Odyssey」を作った安達寛高監督は37分の長尺を作りました)が、たった12分でも数ヶ月がかりのプロジェクトになりました。

「Monkeys Odyssey」安達寛高監督

が、その段階で映画を完成させていたのは私を含む2人だけで、あと1作品はまだ全く出来上がっていない状態でした。なんならようやく着手しはじめたくらい。

11月の公開は一旦、先送りに。私たちのAI映画プロジェクトに対する風当たりもかなり強かったというのも理由の一つです。

夏に映画プロジェクトについてリリースした際に、SNSでは99%くらいの人が批判的な意見だったのです。

世間では、AIツールがなくなったり、AI画像、AI動画、AI音声でサービスを行おうとしている事業やイベントは中止に追い込まれたりもしていました。

海外の例だと、映画が公開中止になったり、殺人予告も起きたりして炎上しているのを見かけていました。実際、私自身の個人SNSにも批判メッセージがいくつか届いています。

その後、「グランマレビト」(山口ヒロキ監督)がようやく制作に着手。AZUSA含め、2作品が完成した後にもAIツールはどんどん進化していきます。

「グランマレビト」(山口ヒロキ監督)

2024年末年始に全く別のアニメ「GIFTED」を作ってみましたが、Kling1.6やViduが作るアニメはすでに以前作ったAZUSAより高クオリティなものに…。

しかもかなりのスピード感で制作が可能になり、より一貫性も保てる。

2025年初頭には同じくKling1.6を使ってMVも作ってみました。Kling1.0が出てからのアップデートの速度があまりにも早い。

先に作ってしまったAI作品はあっという間に過去の技術によるものになってしまうのは辛いものがありました。

最新ツールで作り直したいという気持ちが芽生えるものの、制作費がかかる上に、おそらく進化からくる葛藤にはキリがありません。

一番最後に制作する山口監督が羨ましくもありましたが、先に作った作品はその当時のベストを尽くしたものとして区切りをつけることにしました。

残り1作品は2025年初春くらいに完成し、ようやく3作品すべてが完成に至りました。

動画品質にばらつきのある3作品を並べてみると、制作者である私たちには作品を見ることで2024年春〜2025年春までのAIツールの技術の変遷を見れるという面白い側面も生まれました。

作品の完成から公開までにはかなりの長い期間があったので、個人的な葛藤を埋めるために、最新の技術で「AZUSA」を再度生成し直した映画予告編も作りました。(こちらは2025年8月に制作したもの、ツールも全然違うものを多く使用しています)

AI映画の総制作費

最終的なAIアニメ作品「AZUSA」の制作費は大体ですが12,13万円くらい。

他の2作品はもっとかけていると思うので、破格な安さだと思います。

  • 画像生成:Midjourney Proプラン(数ヶ月) 4,5万円

  • 動画生成 Runway (無制限プラン1ヶ月+α)約1.5万円

  • Kling、Lumalabsなど 1万円〜

  • 音声生成 ElevenLabs(1ヶ月のみ)4000円程度

  • 音楽生成 Udio、Suno(1ヶ月のみ) 約3000〜5000円程度

  • アップスケール Topazlabs(年間契約) 約4.5万円

なお、PCなどハードウェア、編集などのソフトウェア、ネット環境、打合せなどにかかる費用は含めていません。

他作品の制作費と最終的に劇場公開するまでには宣伝なども必要なのでさらに費用がかかります。

それがいくらなのかはここでは記載しませんが、従来までの映画制作では考えられないくらいの制作費で劇場公開までしている作品になったかと思います。

AIの権利問題について

制作においては故意的に何かの作品の模倣をしたり、プロンプトの特定の人物、キャラクター、作品を入力することは避けようと各々で決めた上で着手しました。

その当時、すでにアメリカでは多くのツールで権利問題をめぐって訴訟が起こっており、私たちのプロジェクトに対しても多くの批判が寄せられていたので、非難は避けて通れないと覚悟したうえでの始動でした。

生成したものが意図せずして、何らかに似てしまうことがあったとして、それに気づかない場合も可能性としてはありえます。

生成AIは過去の大量データに基づいていわゆるその平均値を出すことで作らがちなため、人気な画風ほどどうしてもどこかで見たものになってしまいます。

今であればAIによる著作権侵害検出の精度比較的高くなっているように思えますが、その当時はせいぜいGoogle画像検索による逆検索くらいしか方法はありませんでした。

考え方としては人間でもAIで同じという姿勢で臨みました。

人間でも過去のあらゆる作品に何らかの影響を受けて作品を作っていて、生み出したものがたまたま何らかの作品に似てしまうということは必ずあるはず。

人間の場合でも何かに似ているという指摘を受ければそれを修正したりする。

何かに似てないかの確認は個人でも行い、AIでも行い、チームでも行う。

AIの場合も漠然と完全にAIまかせだと何かに似てしまう可能性があるので、あくまで人間とのコミュニケーションのうえで設定を決め、作品を作り込んでいく。

AIをツールとして捉え、AIを使う人間が意図しての模倣はしない。この点はAIだろうと人間だろうと変わらないと考えました。

さらには後々何か問題が起きた時に、作品の制作に使用したプロンプトを提出できるような体勢にはしておいたほうがいい。

これは各種LLM、Midjourney、Runwayなどどのツールでも削除しない限りは履歴がすべて保存されるのでずっと残しています。

AI作品で各種映画祭に参加

2023、2024年くらいから、Runwayが行うAI Film Festivalをはじめとして世界中でAI映画祭が増えてきており、事あるごとに映画祭に作品を送ったりしている中、本作でも複数の映画祭で上映の機会を頂きました。

あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル2025ANIAFF

ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭2025 ゆうばりセレクション作品

早期の完成した「AZUSA」単体でも海外の映画祭に参加。

ソウル国際AI映画祭2025では 最優秀短編アニメーション受賞しました。

そのほか、Neuro Masters AI Film Festival 2025 Official Selection、HKUST AI Film Festival 2025 Finalistなど。

2023年、2024年にももっと短いAI映画で海外映画祭には多く参加してきたのですが、完全なAI生成映画で最優秀賞を受賞したのは今作が初めてでした。

Hailuoがスポンサーをしていた(?)映画祭なので、Hailuoをほぼ使っていないことに申し訳なさを覚えましたが、、、本作制作当時はHailuoというツールはありませんでした。(2024年10月にグローバル版がリリースされた)

韓国で開催された映画祭だったので、日本人監督は私以外には1人いたくらい(?)で韓国人がかなり多かったものの、同時に世界中の色んなAI映画を見ることができ、AIならではのアイデアだったり、制作スタイルに多くの刺激を受けました。

AI映画を映画館で公開するまで

複数の劇場に打診していましたが、完成作品を見ないと判断がつかないという当然の理由でなかなか決まりませんでした。

打診をしていた2024年当時はまだフル生成AI映画作品の劇場公開例はなかったので、どの劇場も慎重になっていました。

AIで作った広告や音声、作品のほとんどが非難され、炎上へとつながっていたので当然のことです。

完成後も何ヶ月もずっと回答を待った結果、断りの連絡を頂いた映画館が2つ。

そんな中、最終的にアップリンク吉祥寺にて2025年8月上映をしていただけることになりました。(下記が3作品合わせた映画予告編)

ちょうど劇場公開の前日くらいに画像生成新モデルであるNanobananaがリリース!本作では、カットごとに一貫性を持たせることができないことにかなり悩まされたので、

Nanobananaの登場は全員が待ち望んでいたものだと劇場公開の舞台挨拶で紹介しました。

配信はAmazon、DMM、U-NEXTに打診しましたが、AI作品となると劇場と同じく慎重になっていました。が、いずれもAIだからといってNGではなく、何らかの権利侵害などの問題がなければ配信はOKといずれの媒体からも回答を頂き、実際に問題なく配信することができました。

無事に企画から公開までたどり着いた本作ですが、当初から劇場公開まで1年半以上の月日が流れています。その後の配信リリースは劇場公開からさらに8ヶ月。

AIの進化スピードからするとこの制作ペースでは世間に取り残されてしまうことでしょう。

次回作以降では展開の方法を改めなければいけないと考えさせられます。劇場公開というのをあきらめればいいのかもしれないのですが。

ただ、今後もAI映画制作を企画していきます。

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