【社内専用AI】社内規定のQA対応をGoogle Cloudで自動化してみた
こんにちは。
エーアイテクノロジー広報チームです。
AI、使ってますか?
ChatGPTやGeminiなど、大規模言語モデル(LLM)が作られ、Webに公開され、無料でも使えるようになり、チャット以外もできるようになってずいぶん経ちましたね。
検索しようにも単語が曖昧な疑問も、何から調べたらいいのか分からない構想も、ぼんやりした質問に明確な回答をくれるので、とても便利です。
以前の記事でご紹介しましたが、当社はGoogle Workspace(GWS)を導入しています。
このサービスにはGeminiも含まれており、技術調査の取っ掛かりを得たり、問題への対策方針をざっと挙げてもらうなど、調査時間の短縮に大変助けられています。
そんな便利なLLMも、Web上で公開されている情報からしか回答ができません。
社内規定など社内向けドキュメントについて尋ねても、Geminiくんは情報源にアクセスできないので一般論でしか答えてくれません。
なので、社内規定について教えてくれるAIエージェント、作りました。
🌱背景
社内規定とは、就業規則や給与規定など、社員が守るべきルールをまとめた文書のことです。
ドキュメント数もページ数も多く、必要な情報を探すのに手間がかかってしまいます。
そのため、社内規定についての問い合わせが上長やバックオフィス部門へ入るたび、彼らの時間が確認作業に取られてしまうという課題がありました。
「生成AIを使って自動化できない?」
そんな社内要望がきっかけでした。
🤖実際にできたもの
構成概要は以下の通りです。

大枠はGoogle Cloudです。
GWSとは別枠のサービスになりますが、必要機能を有している上、今後のGWSとの親和性や基盤の統一を考えて本体はGoogle Cloudとしました。

以下、それぞれについて解説します。
🫀心臓部:Vertex AI
コアとなる部分にはVertex AIを使用しています。
Vertex AIとはGoogle Cloudが提供する機械学習プラットフォームでして、機械学習モデルのデプロイ・管理を行うことができます。
つまりこれによって生成AIを活用したアプリケーション開発が可能となり、当社専用のGeminiを作れるようになるのです。
また、使用できるLLMもGeminiの他にもChatGPTやClaudeなど、他社のモデルも使用できるようになってます。
🧠記憶部:Cloud Storage
生成AIだけあっても、回答の材料がないとQA対応はできません。
その材料となる社内規定は、同じくGoogle Cloudの1つ、Cloud Storageへと置くことにしました。
規定に改定が入った場合、ここのファイルを更新するだけでOKです。
Googleドライブなど他の参照先も利用できますが、今回のように社内向けドキュメントを調べてくれるAIを作る場合、アクセス権の設定・管理には要注意です。
😀窓口部:社員専用Webサイト
後は、社内規定を確認したいユーザー(社員)が質問を入力するためのインターフェイスです。
本格的にやるのであれば社員専用の独自アプリなのですが、作成にも運用にもコストがかかってしまいます。
そのため、今回は既存の社員専用Webサイトにウィジェットを置いて低コスト運用をしてみることとなりました。
ここでも注意が必要となるのが、アクセス制御です。
社内向けドキュメントの参照結果を返してくれるので、誰でもアクセスできてしまうような公開ページにウィジェットを載せるわけにはいきません。
アクセスするための認証が必須なのですが、当社はすでに社員のみアクセスが許可されているWebサイトがありました。
これを利用することで新たに認証システムを構築したり、各社員が管理するアカウント情報を増やすことなく実装できました。
さて、Vertex AIとCloud Storageは画面操作がメインのノーコードでできましたが、ウィジェットを置くとなるとそうはいきません。
とはいえ、さすがはGoogle Cloudと申しますか。
<script src="https://cloud.google.com/ai/gen-app-builder/client?hl=ja"></script>
<gen-search-widget
configId="XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX"
triggerId="WigetTrigger"> <!-- configIdはAIアクセス用のID -->
</gen-search-widget>
<div id="WigetTrigger">
🔍 検索
</div>(見た目は別として)HTMLに上記3つのタグを書き込むだけでできてしまいます。
ちょっと引いてしまうレベルのお手軽さ……
🚀使ってみよう
アクセスしてみた画面イメージは以下のようになります。

「🔍検索」をクリックすると入力用のエリアが出てきます。

訊いてみましょう。


参照したドキュメントへのリンクも添えてくれますので、回答の確認もしやすいです。
お手軽なわりに十分な専属AIだと思います。
💰お値段は?
最後に運用で発生する料金です。
まず、Google Cloudのアカウント自体は無料で作成できます。
そしてVertex AIは利用回数に応じた従量課金制、
Cloud Storageは格納容量等のデータ利用に応じて料金が発生します。
ですが、それぞれに無料枠が用意されていまして、現在のところ当社はこの枠に収まっています。
しかし利用規模(ユーザー数や頻度など)によっては無料枠をオーバーすることは考えられます。
また、Google Cloudの料金体系に改定が入る場合もありますので、料金発生については必ずGoogle Cloudの最新情報をご参照ください。
✅まとめ
以上、社内のドキュメントについて答えてくれるAIの構築でした。
このおかげで「規定を探す時間」が大幅に短縮され、バックオフィス部門への問い合わせも減少しました。
社内規定だけでなく、マニュアルやナレッジベースなど参照できるドキュメントの幅を広げることでさらなる応用も目指せます。
本記事が、皆様のDXの一助となれば幸いです。
