今週の星空あるあるショートストーリー 第17話「安易な破壊と困難な再生」
今週の星の動きが巻き起こす「あるある」をショートストーリーにしてお届けします。
クラウドストレージが、ついに悲鳴をあげた。
画面に出る、あの無慈悲な表示。
「容量がいっぱいです」
……いや、こっちも「いっぱいいっぱい」なんですけど。
私の心も、タスクも、会議も、だいたい常に満杯。
とはいえ仕方なく、長年放置してきたフォルダを開く。
フォルダ名「2015〜2023」。
中身は、過去の自分の“全部”。
「最終」「最終2」「最終2_修正版」「最終2_修正版2」
似たようなファイルの増殖の歴史。
はぁ。ため息をついて、整理を始める。
最初は冷静だった。「重複を消して、必要なものだけ残そう」
しかし、10分後。
フォルダの奥から、2017年の「謎のPDF」を見つけた瞬間、
なにかが、私の中で、カチッと音を立てた。
(これ……誰のための保存?)
(なんのための“念のため”?)
(私は……過去に縛られていたのでは?)
そのとき、脳内に流れ込んでくる、冥王星の声。
「0か100か。中途半端は、いらない。」
そうだ。
整理は、面倒だ。
“選別”は、精神力を奪う。
そして今、私の精神力は、会議で既に消費済み。
私は、静かに決意した。
「過去に縛られてちゃいけない」
カーソルを震えさせながら、全選択。
数千個のファイルが、青く染まる。
この青さは、未来の青だ。
右クリック。
「削除」
真っ白になったストレージを見た瞬間、
私の脳内も、驚くほどスッキリした。
(いいぞ……これが、破壊と再生……)
——翌日。
スマホが震える。
表示されたのは、上司からのメッセージ。
「3年前のあの資料、すぐ送って」
「承知しました」と打ちかけて指が止まる。
(まずい)
苦し紛れに返信する。
「未来に生きることに決めたので、過去は消去しました」
しばらくして、既読がつく。
そして、返信。
「いいね。じゃあ今日中の“未来”で再生して。」
AIに頼ってみる。
「3年前のあの資料、お願い」
AIは即答。
「元データをアップロードしてください」
……真っ白なストレージが、こちらを見ていた。
🔭星ある読み解き
今週は、水瓶座ムードが強めで、
「古いものを一気に終わらせて、未来仕様に作り直したい」スイッチが入りやすい星回り。
こういう時って、改革アイデアは湧くし、決断も早い。
……早いんですが、早すぎると危険です。
というのも、今週のキープレイヤーである冥王星は
「バックアップ」の概念を知りません。
水瓶座×冥王星の“0か100か”は、
整理を「選別」じゃなくて「全消去」に寄せがち。
さらに疲れている時は、
面倒な「選別」より、楽な「全消去」
が魅力的に見えてしまいます。
安易な道を選んで後悔しないために、
「大事な決断は、疲れている時にしない」
ことはとても大切。
破壊と再生、0か100かを迫られがちな今週の決断は、
特に注意が必要です。
白紙の未来に、新たな絵を描くと考えるとワクワクしますね。
でも未来のあなたには、
過去の記憶(ファイルのバックアップ)もきっと大切です。
✉️あとがき
「全消去したくなったら、それは、いったん休憩のサイン」かもしれません。あなたの「危なかった全消去案件」、もしあればコメントでこっそり教えてください。
星のせいにしながら、一緒にクスッと振り返れたら嬉しいです。✨
🌟それではまた、来週の「星あるショート」で。
⭐姉妹シリーズも、ぜひお楽しみください。このショートストーリーは以下2作品からのスピンオフです。
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