【日記】初めて宝塚歌劇を観に行ったよ 黒蜥蜴/Diamond IMPULSE
2026年7月、初めて宝塚歌劇を観に行った。
勤務先にめっちゃ宝塚好きな人がおり、行きたいな~という話や(全然現在交流はないのだが)なんとなく顔見知りだった中学の後輩が宙組に娘役として在籍しているという話をしていたところ、お耳に入ったようで誘っていただいた。
演目は宙組の『黒蜥蜴/Diamond IMPULSE』です。

黒蜥蜴は高校の時か大学の時に江戸川乱歩の原作を一度読んだきりだった。
あ〜こういう話だったね〜と筋を思い出しつつ観ていたが、原作の明智ってこんな……ここまで犯罪大好きだったっけ?
三島の戯曲は読んだことがないのだが、こういう形に脚色されているのだろうか。乱歩の原作は『陰獣』とかと同じラインの「恐怖!変態ファイル!」みたいな趣があったように記憶していたのだが、今回の脚本はかなり明智と黒蜥蜴の恋愛がメイン軸となっていたように思う。
犯罪にしか興味がなかった俺が……黒蜥蜴に……!という明智の乱心キュンキュン展開もかわいいし、それに湧く明智事務所の人々もかわいい。
黒蜥蜴も雨宮の存在感により無自覚人たらし属性が強く出ていたように思う。原作だと裸に宝石つけて踊ってた気がするんだけど、直接的にそのシーンは無かった(服は果てしなく煌めいていた) 原作に比較してエログロがナーフされたことにより潔癖な人格が押し出されており、明智への純愛がかわいかったね……あなたが生きててよかった……
雨宮は黒蜥蜴にガチ恋すぎて可哀想だったが、早苗のそっくりさんとなんだかんだ結ばれて憑き物が落ちたみたいでよかった。「俺はなんで爬虫類になれないんですか!?」という雨宮の叫び、文字だけ追うとちょっと面白いんだよな。功績を上げると爬虫類の名前がもらえる黒蜥蜴一味の昇進システム、可愛くて好きです。青い亀とか黄色いワニとか色々いる。
一番意外だったのは、観劇中に俳優の性別を意識しなかったことだ。外から見る宝塚は男装の麗人というパッケージで覆われており、こんなにかっこいいのに女の人なの!?すごーい!……という感動をぼんやり予想していたのだが、実際俳優本人の性別を意識することはほぼ無かったように思う。
まあ、メロメロではあるよ。ポスターの時点で明智(桜木みなとさん)も雨宮(水美舞斗さん)もまさに漫画の美男子でしかなく、開演してからも恋でめちゃくちゃになっている雨宮は正に江戸川乱歩の書くそういう奴という様子で胸がドキドキしたが、そこに女性だからという理由は挟まれない。ただキュンキュンですなあ……と思っていた。
唯一の例外は雨宮さんの逞しい腕をオペラグラスが捉えた瞬間だ。うっすらと血管の浮いたカッコ良い肘下に女の人…なんだよな……?とあの時だけは思った。雨宮さん、ブルゾンとパンツだけのラフな服装であれだけ決まるということはそれすなわちスタイルと姿勢が良過ぎるということであり、それは最後列からも明白であった。
割と女子の多い環境で育ったということもあるのか、所属するコミニュティに必ず1人はヅカオタがいる人生だった。しかし、思い返すと「演者が全て女性である」という点を激推しされたことは無かったように感じる。こういうことだったのか。
ところで今回は演劇(『黒蜥蜴』)と『Diamond IMPULSE』というショーの二本立てであった。
ショーの前、私は何が始まるのかとドキドキしていた。演劇はストーリーがあるのだが、ショー……ショーって何……? 長いカーテンコールみたいなものだろうか、と思っていたが、なるほど、これは……なんだろう。言語化が難しい。
私が知っている概念で言うと一番近いのは龍宮城である。なんというか「歓待」なのだ。亀を助けてもいないのにこんなにもてなされて良いんだろうか。彼女らのパフォーマンスに「仕事でやっていることだ」と全く感じなかった。絶対に大変なのに本当に楽しそうなのだ。この憂世、嫌なことの多い世界でこんな夢のようなものを見せてくれるのか、と漠然と敬意のようなものを覚えた。
構成だが、まず全身がダイヤモンドと化し、致死量の輝き、煌めきを纏った桜木みなとさんが観客の拍手に包まれながらダイヤモンドに乗って降りてくる。母に話したところ「マツケンサンバみたいなこと?」と返されたが、違う。
その後も宝石の擬人化のような男女が舞い踊り、煌めきと輝きが押し寄せ続け、さながらダイヤモンドのわんこそばであった。私が一条シンだったら全裸になっていたところだ。
もちろん煌めき一辺倒というわけではなくしっとりとしたタイムも存在する。衣装と美術を変え、人を変え、時にストーリーを感じさせながら様々なレビューが展開されるのだが、私の印象に残ったのは以下だ。
①怪盗同士のlove
ダイヤモンドを盗みに来た怪盗2人が恋に落ちちゃった〜♡という可愛いテーマだった。
黒蜥蜴を観た後だったので黒蜥蜴二次創作ifパロ、なんでも許せる方向けです(※違います)という趣を覚えたが、前半の内容とは特段関係ない。ミニスカート怪盗ガールがとてもキュートだ。ドレスの群衆の中、急にこの衣装が登場するの、非常に二次元的でオタクは嬉しい。
②戦隊5人組
スタンドマイクでメンカラ5色を纏った5人組が歌う。何を生業としている方々なのか不明だが、絶対に君を守るよ⭐︎と歌っており私のことが好きなのは確定しておりありがたい。これ銀橋手前の席で見たらどうなっちゃうのん?と思った。オリジナル曲なのかと思っていたらThe ALFEEの「orionからの招待状」だったようだ。こういうカバー曲も割とショーの責任者の趣味で挟まれたりするらしい。
③ ラインダンス
最初のパステルな衣装から可愛すぎて神だった。宝塚の衣裳展とかあったら行きたいなあ。キャンディちゃんのラインダンス、……あの……サクラ大戦3~巴里は燃えているか~のOPで見たことがある!!!二階席だったんですが、上から見ると群舞が本当にきれいです。
④銀橋に男役さんがぶわーっと並んでオラつきながら肩を組むやつ
画面が華やか。なんか最後心の友よ…みたいな振りが二人組で展開されてよかったね!と思った。
かの有名なトップスターが背負う羽、生で見るとマジでモフモフしている。触ったら気持ちよさそう。序盤のギンギラ衣装も含め一般人がやったらちょっと面白くなっちゃうような衣装も圧倒的なパワーで着こなしており、すごいなと思いました。
大衆がイメージする宝塚の象徴は割とレビューを構成する要素なのだなあと思った。『かげきしょうじょ!』で見たことあるものがいっぱい出てきた。
値段やシステム面だが、B席3500円であった。や、安ぅ~~~~……!!(気絶)宝塚歌劇団の労働環境は問題視されているので純粋に喜ぶのは気が引けるのだが、最後列ながらあれだけクオリティの高い芝居を座って見てこの値段なのか……と非常に驚いた。キャストさん、スタッフさん、関係する人々に適切な報酬が還元されてほしいものだ。
クオリティの高い、と書いて思い出したが、セリフと歌の歌詞を聞き取りやすかったのが本当に良かった。『黒蜥蜴』は文語っぽい表現もところどころにあったのだが、そのあたりもストレス無く楽しめた。
劇場の立地も非常に良いし、クレカ入場も淀みなくできるし、なんか黒蜥蜴イメージのコラボドリンクも売ってるし、劇場内に売店もある。ブロマイドは種類めっちゃあるし画質もよい。テーマパークだ。コンテンツとしてデカすぎるだろ。あとトイレの列が長すぎてウロボロスみたいだった。
これはほんとに個人的な感想だが、宝塚ジャンキーの先輩にもめちゃくちゃ良くしていただいた。「初めて体験される方の感想を聞きたいです。奢るので」ということでスッ……と観劇後に食事がセッティングされた。あと、開演前に劇場の解説もしてもらったりした。かの有名な赤い大階段も見て、私は「少女歌劇レヴュースタアライトで見たことがあるなあ」と思っていた。
食事会では興奮のままにいろいろと質問をしてしまったのだが、先輩の説明は全体的にちょっと澱みがなさ過ぎてさながらバスガイドのようであった。観劇前、退社から夕飯まで時間が空くので、ということでデスクにおやつがプレゼントされていたのもクラブツーリズムのバスツアーかと思った。先輩、ありがとうございました。
観劇を機に「宝塚カフェブレイク」を初めて能動的に見たんだが、この番組偶になんか画質が悪すぎないか? TVKが悪いのか? 学生時代、ニートのごとき時間に起きた日によく流していたのだが、その時は気が付かなかった。もっと高画質で放送すればいいのになあ。おわり。
