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世界一の可愛いをつくりたい!『ファンシー革命』の魅力を伝えたい!

普段の生活の中で、辛いことや嫌なことで落ち込んだり、気分が乗らないときに少しでも気持ちを前向きにする“きっかけ”がほしいときはありませんか?

僕はマンガを読んでいると、「こんなふうに考えることができなかった!」ということや「こんな捉え方があるんだ!」と、自分を見つめ直す“きっかけ”になる言葉に出会うことがあります。

今回はマンガが好きすぎて、貯蔵量が70,000冊を越えながらも毎月新マンガを買い漁っている僕が、単行本発売時に思わず表紙買いしてしまった『ファンシー革命』より、僕自身の価値観や経験を通して心に刺さった言葉を厳選して紹介したいと思います!

本作は2025年11月現在、単行本は2巻発行&連載中の作品です。


ファンシー革命 概要・感想

『ファンシー革命』は高校を卒業したばかりの新入社員・河合ユメがファンシーキャラクターやグッズを製作する会社・キューロップで、同期の4人とともに「世界一の可愛い」を生み出すという夢を胸に日々奮闘していく、デザイナーたちの群像劇です。

僕は本作とは本屋さんでの表紙買いで出会いましたが、表紙がすごく可愛らしくてタイトルも「ファンシー」が入っていて、どんな作品なんだろうととても興味を惹かれた作品でした。

僕は最初に感じたのは「可愛い」という概念の奥深さで、僕たちは普段、可愛いキャラクターや雑貨を何気なく「可愛い」と感じていますが、その裏には精密な設計と職人の技術があるんだという驚きでした。

物語のあらすじを紹介すると、ユメちゃんはファンシーグッズの会社でデザイナー見習いとして入社した4人の高卒社員の1人で、トゥインクル・クルルというトップキャラクターに憧れ、自分もそれを超えるようなキャラクターを生み出したいとキューロップという会社へ入社しました。

初日の入社研修から「可愛いとは何か?」を常に考えさせられるテーマが与えられ、120分で思いつく限り自由にキャラクターを描いてみたり、商品化可能なデザインを1ヶ月以内に提出しないと他部署に飛ばされるみたいな話があったりするんですよね…。

そしてファンシーグッズの世界は幼い頃から多くの人が親しんできた「トキメキの象徴」でもあって、ユメが足を踏み入れた業界の内側には色彩理論や印刷技術、デザイン構成といった現実的でシビアな知識も渦巻いているんです…。

どこまで現実世界とリンクしているのか気になるところはありますが、「ベビースキーマ」と呼ばれる、人間が赤ちゃんや子猫を本能的に可愛いと感じる共通の特徴だったり、「シール」や「えんぴつ」などデザインで気をつけるべきこと、小学生低学年を対象にするなら「余白も可愛いもので埋める」といいといった情報が盛りだくさんです。

「可愛い」って、こうやって作られるんだ!ってすごく勉強になるし、きちんとしたロジックがあって、技術にアイデア、ハートが詰まっていて、ユメたちが奮闘する姿はファンシーという言葉が「感性の結晶」ではなく、「積み重ねた知識と努力の果てに生まれるもの」だということを痛感させられます。

また、ユメは幼いころから可愛いものが好きでしたが、男子にからかわれたことから、可愛いもの・好きなことに対してずっと蓋をしてきていたんですよね…。

そんな苦い思い出から踏み出せたのは、世界中で愛されるクルルを生み出した富士野さんから「自分の好きに対して素直になって一直線に突き進んでいいんだよ!」と背中を押された出来事でした。

長い間、蓋をして蓄積してきた「可愛いが好きという気持ち」が解放されたユメが、その情熱だけではなく基礎や技術を学んでいく姿がとても良くて、好きに対する情熱と自分の思う可愛いを信じて貫き通すという姿勢に対して胸が熱くなります。

1巻ではユメが「クルル」を超える存在を生み出すことを夢見ながら、同期とともに試行錯誤を重ねて自分の実力を測っていく描写だったり、グラフィックデザインの基礎として「CMYKの3色を混ぜると濁る」とか、「可愛いには法則がある」とか、実際のファンシー業界を覗き見るような臨場感がワクワクします。

2巻ではユメが初めて自分のデザインが商品化されるという大きなチャンスを得て、自分の描いたイラストがプロフィール帳として形になっていきます。

しかしそこには「版下」という製作の壁が立ちはだかって、手描きの可愛さを印刷で再現するために必要な技術だったり、売り場で目立つためのレイアウト、コストや納期の制約…といった、理想と現実のギャップに苦しみながらも仲間たちの支えを受けながら一歩ずつ「本物のデザイナー」へと近づいていくところが熱い。

さらにユメの同期3人に焦点も当てられて、彼女たちがそれぞれの得意分野や個性を引き出しつつ、自分の持っている想いとそれを受け取る相手との対話もすごく熱いんです。

個性的なメンバーがそれぞれの「可愛い観」を持ってお互いに刺激し合うことで、デザインへのアプローチの多様性が描かれているんですが、ときに意見が衝突し、ときに助け合いながら、彼女たちは「自分にしか描けない可愛い」を模索していく関係性が尊い…。

ぜひ彼女たちの個性は読んでみてもらいたいんですが、2巻最大の話題は「キャラクターコンテスト」がはじまり、先輩の指導と本気で新人を育てようとしてる先輩の想いやユメたちも技術は未熟でも気概はプロで必死に取り組む姿が読んでいて気持ちいいんです。

「可愛い」にもいろんな感じ方・捉え方の種類があるし、どの分野の可愛さで攻めるのかだったり、いろんな切り口で出てくる可愛いのアイデア自体が武器になったりと、「可愛い」をただの見た目ではなく、「人の心を惹きつける力」や「癒しや共感を生み出す技術」として掘り下げていきます。

ファンシー業界のリアルな仕事術に加えて、「可愛い」という言葉の多層的な意味、職人のようなプロ意識や真剣な情熱が宿っていて、この「可愛い」を突き詰めるクリエイティブなお仕事の魅力と「可愛い」という感情の根底にある真っ直ぐな憧れに向かっていく想いが詰まり詰まっている作品になっています。

簡単なストーリーと合わせて本作に引き込まれる魅力的な部分を伝えさせていただきましたが、お仕事マンガが大好きな僕の感想やおすすめポイントとして追加でもう少し語らせてください。(笑)

僕は本作を読んでいて興味関心をそそられたのは「何をもってファンシーを創造するのか…」という部分でした。

この作品が秀逸なのは、「可愛い」を感情論ではなく構造的に描いている点だと思っていて、たとえば色の配分だったり線の太さ、目のバランスと、1つひとつにちゃんと理由があって、誰かの「心に届く」ための工夫があります。

ユメたちはその技術を学びながら自分の感性を言語化しようとするんですけど、これはデザインの世界に限らず、どんな創作にも通じる姿勢だと思うんですよね。

感覚を感覚のままにせず、他者に伝わる形に磨くその過程こそ、創造の本質なのかもしれない…と。

現実のファンシー業界への取材や印刷・デザインに関する技術的な裏づけも緻密だし、教育的な面白さもあって、「可愛いはセンスじゃなく、理屈でできている」というメッセージは表現と向き合うすべての人に響くと思っています。

また、「可愛いは感性ではなく技術でつくられている」という言葉を体現する物語ではあるんですけど、物語全体を包むピュアさや透明感のある誠実さがすごく印象的で、仕事に追われる大人たちが忘れかけていた「好きの原点」をユメたちの姿が思い出させてくれるんです。

ここに本作が伝えてくるもう1つのメッセージが込められていると思っていて、「可愛いを愛することの肯定」は、ユメが当初「大人になっても可愛いが好き」と言うことにどこか後ろめたさを感じていたけれど、「可愛い」を信じる心は子どもの頃の純粋さを忘れない強さだということに気づくんですよね…。

僕も小学校1年生になるとき、初めてランドセルの中に詰め込む作業のときには自分の好きなものがいいなぁと思いながら筆箱やえんぴつキャップ、学習長、内履き入れなどをキャラクターものにした記憶がありますが、思い返すと少し恥ずかしくなちゃいます。

でも、当時の自分は「可愛いものが好きだった」という明確な思い出が残っているし、大人になっても「可愛いを好きでいることは恥ずかしいことじゃない!」というメッセージが、ユメの成長とともに鮮やかに浮かび上がってくるんです。

さらにお仕事として、プロフェッショナルとして「可愛いをつくる」というというのは、創作者の孤独や葛藤にも触れていて、デザインの方向性を巡って意見がぶつかる場面や自分の絵が商品化される喜びと不安の入り混じる瞬間など、ユメたちの心の揺れがとてもリアルです。

そこに描かれているのは、「自分の感性を信じることの怖さ」であり、それでも前に進もうとする勇気でもあるところが素敵なんです。

その勇気が作中に流れる熱量でもあって、ユメの情熱や同期の仲間たちの葛藤、そしてファンシー文化への愛…、そのすべてがページの隅々から伝わってくる…。

派手なドラマはないけれど、温かい余韻が残るのは登場人物たちの誠実さや「可愛い」を突き詰める想い、「可愛い」とはただ見た目の愛らしさなんじゃなくて、「好きなものを大切に思う気持ち」そのものだと伝わってくるんです。

僕は本作を大人になって「可愛い」を卒業したと思っていた人にこそ読んでほしいと思いますし、ファンシー文具やキャラクターたち子どもの頃に与えてくれたあのトキメキが、実はいまも自分の中で生き続けていること、あのときの記憶をもう一度取り戻させてくれます。

「可愛い」は技術でできているということ、そこにはデザイナーたちの中にあるそれぞれの「可愛い」を爆発させ、情熱と技術で「可愛い」を仕事に反映させていくファンシーグッズ業界の裏側が詰まった作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!

ファンシー革命 名言7選&共感ポイント

この記事は『ファンシー革命』©犬島ななこ/KADOKAWA の内容を引用しています。

懐かしいな…。私もああやって1本1本見ながら真剣にえんぴつ選んでたっけ…。沢山あるかわいいものの中から、たったひとつ宝物を探し出してたんだよね。

河合 ユメ

分かるよ、怖いよね…。好きなことみんながみんな肯定してくれるわけじゃないもん。でもこうやって話してみたら意外と同じ悩み持ってたり、いろんな考え方の人がいるからさ。勇気出してみたら自分らしくいられる場所ってここだけじゃないかもしれないよ。私も最近まで知らなかったんだけどね。

河合 ユメ

やっぱりあたしはまだまだ基礎が出来てない。もっと努力しないと。でもちゃんとターゲットも決まったし、あとはその想いをキャラクターに込める…!欲しかった、身に付けたかったものを…、ちゃんと、あの頃の自分へ…。

河合 ユメ

本気じゃない人は嫌い。本気の人を馬鹿にするから。私が目標としていることは、私以外誰も出来ると信じていない。だからもう話すのはやめた。誰も期待しないなら私ひとりでいい。本気じゃないやつとなんて馴れ合わない。イライラするだけだから。

高嶺 千世

皆さんがこれから行うデザインというお仕事は、イラスト執筆、キャラクター制作、商品開発など業務が多岐にわたり、正直大変ですが自分の生み出したものが世界中の人に愛されるーー。これほど夢とやりがいのある仕事は他にはないと私は思っています。

富士野 千愛

この仕事はね、かわいいをどこまでも追い求めることが大切なの。誰もあなたに文句なんて言わないわ。だから似合わないとかそんなつまんないこと言わないで、あなたの中にあるかわいいを存分に出しちゃっていいのよ。

富士野 千愛

キャラクターを描く時は線一本一本に魂を込める。受け取る相手のことを考えて絶対、かわいいって思わせてみせるって、頭の先から足の先まで強い想いを乗せて描くの。多分どんな芸術作品でも魂込めているものが、人の心を惹きつけるんだと思う。

日熊 リリカ

今回ピックアップしたセリフたちを通して感じたことは、「可愛い」を仕事にするという煌びやかで夢のような世界の裏にあるひたむきな努力や情熱、何よりも「可愛い」を本気で生み出そうとするリアルな声を伝えてくれていると思いました。

主人公・ユメが語るセリフからは、子どもの頃に感じた「ファンシーグッズを選ぶときのトキメキ」を原点に、自分の描くキャラクターであの頃の自分のような誰かを笑顔にしたいと願う気持ちが感じられます。

また、過去に自分の気持ちに蓋をしたことに向き合いながら「可愛い」をつくることが過去の自分に手を差し伸べることにもつながり、技術不足による葛藤やそれでも本気で「可愛い」を生み出そうとする想いが響いてきます。

上司の富士野さんや先輩のリリカちゃんのセリフにはこの業界で生きる人々の哲学が宿っているように感じられ、「あなたの中にあるかわいいを存分に出しちゃっていい」や「線一本一本に魂を込める」というその教えは、技術よりもまず「心」が作品の原動力であることを教えてくれます。

「可愛い」という柔らかなテーマを通して、夢を仕事にする厳しさと幸福、懐かしさと現実、理想と現場、子どもの頃の憧れと大人になった自分…、そのすべてを抱えてなお、「描く」・「つくる」・「届ける」ことを選ぶ彼女たちの姿は、まさに「可愛い革命」そのものかもしれません。

彼女たちが何のために、誰のために、そしてどんな覚悟で「可愛い」を追い求めているのかが真っ直ぐに刻まれている描写がたくさん詰まった作品なので、自分の心にグッとくる言葉をぜひ探してみてもらいたいです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

『ファンシー革命』の魅力&自分を見つめ直すきっかけになりそうな言葉は伝わったでしょうか?

学校や会社、いろんな組織、団体などに所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

それでは今回はここまでです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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