構造化面接って何?|「なんとなく採用」をやめるための最初の一歩
「この人、なんかいいな」で採用を決めていませんか?
採用の場面でよく聞く言葉があります。
「なんとなく、この人が合いそうな気がした」
「面接してみたら、思ったよりよかった」
「社長がひと目で気に入った」
こうした「感覚」で採用を決めている会社は、中小企業に限らず珍しくありません。
でも、感覚採用には大きなリスクがあります。
評価する人によって、結果がバラバラになる。
同じ候補者を面接しても、Aさんは「いい」と言い、Bさんは「うーん」と言う。
どちらの感覚が正しいのか、誰にもわかりません。
この問題を解決するのが「構造化面接」という考え方です。
構造化面接とは何か
構造化面接とは、シンプルに言うと
「全員に同じ質問をして、同じ基準で評価する面接」
のことです。
通常の面接では、面接官が会話の流れで自由に質問します。
Aさんは趣味の話で盛り上がり、Bさんには仕事の価値観を深掘りする、といった具合に。
これでは候補者ごとに違う情報しか集まらず、比較ができません。
構造化面接では、あらかじめ「聞く質問」と「評価の基準」を決めておきます。
これにより、誰が面接しても同じ質で評価できるようになります。
研究でも、構造化面接は非構造化面接(通常の面接)に比べて、
入社後のパフォーマンスの予測精度が約2倍高いことが示されています。
(Schmidt & Hunter, 1998)
実際、Google・Amazon・Microsoftといった世界的テック企業が公式に構造化面接を採用しており、「自由な社風」「急成長」で知られる企業ほど、むしろ面接設計に力を入れている傾向があります。
中小企業でよく起きる「面接あるある」
採用担当がいない会社では、こんなことが起きがちです。
社長が最終面接で「感じがよかったから」と内定を出す
面接官によって聞く内容がバラバラで、候補者の比較ができない
「採用してみたら思っていた人と違った」が繰り返される
面接のたびに「何を聞けばいいか」を考えている
これらはすべて、面接の「設計」がないことから起きています。
今すぐ始められる構造化面接の作り方
難しく考える必要はありません。次の3ステップで始められます。
ステップ1:「この人に来てほしい」を言語化する
まず「どんな人を採りたいか」を3〜5つの言葉で定義します。
例:
自分から動ける人(主体性)
困ったときに相談できる人(素直さ)
長く働いてくれそうな人(定着意向)
これが評価基準になります。
ステップ2:基準ごとに質問を1つ決める
評価基準に対応する質問を1つずつ用意します。
評価基準:主体性
質問例:これまでの経験で、誰かに言われる前に自分から動いたエピソードを教えてください
評価基準:素直さ
質問例:失敗したとき、どう対処しましたか?具体的に教えてください
評価基準:定着意向
質問例:3年後、どんな仕事をしていたいですか?
質問は「はい/いいえ」で答えられないオープンな形にすることがポイントです。
ステップ3:5段階で評価する
面接後、各質問への回答を5段階(1〜5)で評価します。
評価は「感覚」ではなく、あらかじめ「5点とはどんな回答か」を決めておくとより精度が上がります。
例(主体性の評価基準):
5点:具体的なエピソードがあり、自分の意思決定が明確
3点:エピソードはあるが、状況に流されていた部分がある
1点:「とくになし」など、具体例が出てこない
正直、構造化面接はデメリットもあります
構造化面接にも、デメリットはあります。
準備に時間がかかる(質問と評価基準を事前に設計する必要がある)
会話の流れで深掘りしにくい(決めた質問以外は聞きにくい)
候補者によっては「機械的」と感じることがある
ただ、これらは「やらない理由」にはなりません。
準備の手間は最初だけで、一度作れば使い回せます。
深掘りは、メインの5問の中でフォローアップ質問を加えれば対応できます。
「機械的」という印象は、面接官の姿勢と場の雰囲気で十分カバーできます。
一方で、「毎回違う質問をしている」「感覚で決めている」ことのコストは、採用ミスマッチという形で必ず後から出てきます。
デメリットよりも、設計しないことのリスクの方がずっと大きい。
全部やらなくていい
ここまで読んで「大変そう」と思った方へ。
全部一度にやる必要はありません。
まず「面接で必ず聞く質問を3つ決める」だけでも、採用の質は変わります。
「感じがよかった」だけで決める採用から、
「この人は主体性がある」と根拠を持って言える採用へ。
その一歩が、入社後のミスマッチを減らしていきます。
おわりに
構造化面接は、大企業だけのものではありません。
むしろ、採用担当がいない・面接官が社長ひとりという中小企業こそ、
「誰が面接しても同じ基準で評価できる仕組み」が必要だと思っています。
採用の仕組みを一緒に作りたい、という方はDMかコメントで声をかけてください。
10月から地方中小企業向けのグループコンサルも始める予定です。
