「金利ある世界」の大騒ぎに、40代以上が「何をそんなにビビってるの?」と思ってしまう理由
「親父、家を買いたいんだけど……利上げとか、住宅ローンどう選べばいいの?」
50代前半の牛川さん(仮名)は、20代の息子さんからそんな相談を受けました。
テレビをつけても、ネットニュースを見ても、
「金利ある世界へ」
「住宅ローン破綻の危機」
「変動金利利用者に試練」
と、不安をあおる見出しが並びます。
息子さんが心配になるのも無理はありません。
でも牛川さんは、少し不思議そうな顔をしました。
「何をそんなにビビってるんだ?」
もちろん、金利が上がることを軽く見ているわけではありません。
違和感を覚えたのは、「まるで前例のない異常事態」のように報じられていることでした。
「ニュースは今しか映さない。でも、経済ってもっと長い時間で見るものなんだよ。」
そう前置きして、牛川さんは昔の話を始めました。
2000年からの金利推移を振り返る
2000年代前半もすでに「低金利時代」と言われていましたが、当時の住宅ローンの店頭基準金利は2.375%あたり。
今のような過激な金利引き下げ競争もありませんでした。
だから実際に借りる時の変動金利は1%台後半〜2%台前半が「普通に安い低金利」として受け入れられていました。
牛川さんが家を買った頃も、その少し上の世代も、
今よりずっと高い金利で住宅ローンを組み、返済していました。
つまり、「住宅ローンにはある程度の利息を払う」というのが、ごく当たり前の感覚でした。
ところが2013年以降、大規模な金融緩和によって、日本は歴史的にも例を見ない超低金利時代へ入ります。
変動金利は0.3%から0.5%という水準まで下がり、それが10年以上続きました。
そして2024年以降、日銀の政策転換で金利は少しずつ上昇しています。
とはいえ、2026年現在でも、多くの変動金利は2000年代前半の「普通の低金利」に届いていません。
25年という時間軸で見れば、今は「異常な高金利」なのではなく、
歴史的な超低金利から、少しずつ通常の姿へ戻る途中とも見ることができます。
メディアが切り取る「短すぎる時間軸」
では、なぜここまで「危機」のように報じられるのでしょうか。
理由のひとつは、比較する時間軸が短すぎるからです。
2013年以降しか知らない世代にとっては、0.3%前後が「普通」です。
だから0.2%、0.3%上がるだけでも、大事件に感じてしまいます。
メディアが伝えている内容の多くは、短い時間軸を切り取ったストーリーです。
超低金利しか知らない世代にとっては、0.2%、0.3%の利上げでも大事件に映ります。
だから「変動金利がピンチ」「住宅ローン破綻の危機」といった見出しで、多くのビューや視聴者を稼ぐことができるのです。
「前例のない」という言葉も、多くの場合は「ここ10年では前例がない」という意味に過ぎません。
しかし、20年、30年という時間軸で見れば、金利が上下することは経済のごく自然なサイクルで「異常事態」とは違った景色が見えてきます。
長い時間軸で構えるということ
牛川さんは息子さんに最後にこう話しました。
「住宅ローンは、今日や明日のニュースで返すものじゃない。30年かけて返していくものだろ。」
住宅ローンは長期戦です。
だからこそ、ニュースも30年という時間軸で受け止めるくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
もちろん、「だから変動金利を選べ」という話ではありません。
固定金利にもメリットがありますし、正解は一人ひとり違います。
大切なのは、金利の上げ下げに一喜一憂することではありません。
自分はどのくらいリスクを受け入れられるのか、
毎月の返済額が変わることに不安を感じるタイプなのか、
それとも多少の変動は許容できるタイプなのかを知ることです。
ニュースは世の中の空気を伝えてくれます。
でも、住宅ローンを最後まで返済するのは、自分自身です。
だから必要なのは、「世間軸」ではなく「自分軸」。
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変動の時代だからこそ、金利はこれからどうなるかだけではなく、自分にはどんな住まいのお金の選び方が合っているのか?
その答えを、自分自身の価値観から見つけてみませんか。
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