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Akamai Huntでセグメンテーションを強化し続ける(前編:ポリシー最適化)

本記事の3行サマリ

  • Akamai Huntサービスでは、セグメンテーションの強化に向けたポリシー最適化を提供している

  • ポリシー最適化のユースケースとして3例を紹介:1. 過度に許容範囲が大きい、2. 処理フロー上で到達できない、3. 該当件数が0件

  • ルールの許可範囲を限定する、適用されないルールを修正する、といったポリシー最適化を実施することで、セグメンテーションを最適な状態を維持することが可能


はじめに

セキュリティアーキテクトの齊藤です。Akamaiマイクロセグメンテーション製品のAkamai Guardicore Segmentation(AGS)の導入支援をしています。
AGSでは、オプションとして、マネージド脅威ハンティングサービスAkamai Huntを提供しています。Akamai Huntを使用することで、セキュリティ脅威の迅速な検知・対応が可能です。
Akamai Huntでは、お客様のAGS環境を継続的に監視することで、ポリシーギャップを特定し、ポリシーの推奨事項を提供します (Adaptive Segmentation)。これにより、お客様環境のセグメンテーションの最適化をサポートします。
本記事と次回記事で合わせて、お客様の環境での実例をもとに、セグメンテーションを強化できるユースケースご紹介します。本記事では、ポリシー最適化に焦点を当てたユースケース3つをご紹介します。
1. 過度に許容範囲が大きいルール
2. 処理フロー上で到達できないルール
3. 該当件数が0件だったルール
(この記事はAkamai Blog 記事「From Good to Great: Mastering Day-2 Network Security Policy」の主に前半部分を日本語抄訳したものです。)

1.  過度に許容範囲が大きいルール

過度に許容範囲が大きいルール(送信元・宛先が指定されていない、必要以上に広い範囲のIPアドレスやポートを指定している、等)は、必要以上にアクセスが許可されていることで、サイバー攻撃が発生した際に影響範囲も広くなる恐れがあります。こうしたルールに対しては、送信元・宛先IPアドレスを指定する、ポートを必要な種類だけに制限するといった、最小権限の原則に基づいてルールを実装し直す必要があります。
Akamai Huntが対応した例(図 1)では、1) 任意の送信元から特定のラベル、かつ全ポートへの通信を許可するルールと、2) インターネットからその特定のラベルに対する通信を遮断するルールを抽出しました。この場合、1) の許容範囲が過度に大きく、その次に適用されるべき2) が適用されません。その結果、インターネットからの通信が意図せず到達してしまいます。
そこで、Akamai Huntではお客様環境のネットワークトラフィックを分析し、ルールを検証しました。その結果、1)に対して許可範囲を限定することを提案しました。これにより、遮断ルールを適用しつつ、必要な内部通信を維持することが可能となりました。

図1 過度に許容範囲が大きいルールセットの特定とその改善案

2. 処理フロー上で到達できないルール

処理フロー上で到達できないルールとは、通信対象を詳細に定義し制限したルールよりも広範囲を許可するルールが優先されるために、前者の詳細なルールが無効となることを指します。Akamai Huntでは、ルール階層と実際のトラフィックを分析してこうしたルールを特定します。特定できたら、ルールの順序を変更する、適用範囲を調整する等して、詳細なルールが有効になるようにします。こうした修正により、ポリシーの精度が向上し、お客様環境内の資産が必要以上にインターネットに露見することを防ぎます。
お客様環境の規模やルールの粒度によって、到達できないルールの発見には時間や手間がかかります。Akamai Huntでは、こうしたルールを独自の検出エンジンにより検出し、レポートにて報告しています(図 2)。

図2 処理フロー上で到達できないルールの例(Akamai Huntでの検出例)

3. 該当件数が0件だったルール

該当件数が0件だったルールとは、適用されていても、該当する通信が存在しなかったルールを指します。こうしたルールの原因は大きく4つに分かれます。以下は該当件数が0件だったルールの原因とその修正例です。

  • 処理フロー上到達できない: ルールの順序を調整したり、より広範囲に適用されるルールを修正して、処理フローで到達できるようにする

  • ルールの設定ミス: 他のルールに影響が及ばないように注意し、ルールを修正する

  • レガシールール: 現在使われていないシステムのために作成したルールで、現行の遮断ルールの一部になっていないものであれば削除する

  • 冗長性を持つ(該当件数0件が想定される): 想定されない通信を遮断できるよう、ルールをアラートから遮断モードに移行する(悪性ドメイン/IPアドレスからの通信や、お客様環境内で存在しない通信を検知する、等のルールが該当)

ルールの改善は、セグメンテーションの適切な維持に重要です。Akamai Huntでは、該当件数が0件だったルールを毎月報告しています(図3)。

図 3 該当件数が0件だったルールのリストアップ

まとめ

本記事では、AGS環境のポリシー最適化に焦点を当て、セグメンテーションを強化できるユースケースを3つ紹介しました。
AGS導入後も、ポリシーやルールを継続して分析・改善を行うことで、セキュリティレベルを強化し続けることが重要です。Akamai Huntをご利用頂くことで、セキュリティ専門家によるお客様環境のセグメンテーション最適化の維持が可能です。
次回記事では、お客様環境のトラフィック分析に基づいたセグメンテーション強化に焦点を当てたユースケースをご紹介します。

リンク
Akamai Hunt

筆者プロフィール
齊藤 聡美(さいとう さとみ)セキュリティ アーキテクト

国内メーカーの研究部門にて技術開発に携わった後、現在はAkamai Technologiesにてセキュリティ製品の導入・運用支援を担当。WAF系ソリューション(AAP, Bot Manager, Account Protector)からゼロトラスト・セキュリティ(Akamai Guardicore Segmentation)まで幅広い知識と経験を活かし、企業のセキュリティ強化を支援している。Akamai Guardicore Segmentationではトレーニングの講師も務める。博士(情報学)。