イカには、あなたには、この音楽はどう聴こえているの?
とある実験によると、イカに聴こえる音の周波数は 400Hz~1500Hz だという。
イカに聴こえる周波数だけにした私の楽曲「イカになって」を編集で作ってみました。
イカには音楽がこう聴こえるのかもしれない。
(※だいたいのイメージです)
イカには音楽がこういうふうに聞こえているかもしれない。 pic.twitter.com/yPujS3x0wB
— akari-A (@akari_A_18) August 21, 2025
確かに水中の音のよう、水中で曲をもし聴いたらこんな感じだろうか? という音。
400Hz~1500Hz というと、G4~G6 くらいの音域です。
ピアノの中心のドから上っていて最初の G あたりが最低音、上に2オクターブくらいの音域。せまい!
極端なラジオ音声加工にも感じますね。
この曲のボーカルはぎりぎり歌詞がわかるかもしれません。
高い周波数をカットしたビブラフォンのぽーんという響きが幻想的で面白いです。
ドラムはスネアしか聞こえませんね。
イカはやや高い音を中心に、その上も下も聞こえないということです。
イカがもし知的生命体になるくらい進化したら、足がいっぱいあるから楽器演奏が楽しそうですよね。
非12平均律、1オクターブをピアノよりさらに細かく分けた鍵盤の音階も演奏できそうです。
聞こえる音域が2オクターブしかないのなら、「ピアノの鍵盤を端から端まですべて弾いたら2オクターブの音域」というピアノもアリですね。
そんな楽器と10本の足で、バッハみたいな複数の旋律がぐあーっと来るようなフーガも演奏できそうだし、足ごとに違う周期のリズムを奏でてミステリアスなポリリズムもできそう。
イカによる楽器演奏を DTM で表現しても面白いかもしれませんね。
(自由にパクっていいアイデア)
ただしイカには実は、耳がないらしい。
平衡胞という器官で音を聞いていて、鼓膜があるというわけではない。
音の認識する仕組みが違う、となるとですね、
「イカのクオリアって人間と違うんじゃないか」という疑惑が出てきます。
クオリア……たとえば私たちがピアノで真ん中のドの音を鳴らしたときの「ピアノのドっていうあの感じ」がイカとは共有できないのかも。
だとしたら非12平均律どころか、和声学も対位法も、イカにはなんも美しさが通じないのかもしれない。音の高い低いという感覚さえ伝わらないかも……。
私やあなたが好きな曲のコード進行も、イカにはまったく意味がわからない可能性があります。
イカはもしかしたら、私たちにとっては振動みたいな感じで音を解釈しているかもしれない。
振動だとしたらリズム楽器がメインになるかと思いきや、周波数の振動と考えるとリズム楽器は倍音が不規則なので、協和音でリズムを刻むかも?
音楽の作りと美しさの定義が、イカと人間で、根本から違うのかもしれませんね。
イカにとって音楽って何なのだろう。
でもさ。
イカと私たちだけじゃなくて、私とあなたが同じ音楽を聴いている……っていう確信も実はありませんよね。
「ド」という、同じ約261.63 Hzを聞いたとしても、実は私にとっての「ファ」をあなたは頭の中で感じつつ、それを「ド」と呼んでいるのかもしれないし、それは確かめることができないじゃないですか。
極端な話かもしれないですけど。
子供のころから、同じ音楽を同じ風に他の人も聴いているのか疑問でした。
もしかしたら私一人、同じ音楽を再生しても全然違う音楽に聴こえているのかもしれない、と。
もしかしたら全員同じ音源を耳から聴いて、全員違う感じで聴こえているのかも。
そう思うと私たちみんな、宇宙に一人っきりで取り残されたような気分になります。
ピアノのお辞儀の伴奏、あるじゃないですか。
あれは楽典的には T-D-Tの進行で、ドミナントモーションといって、基本的な音の流れのひとつです。
一つ目の和音がじゃーんと「はじまりー!」という感じがして、
二つ目が「ちょっと違う和音に進んだな」ってなって、
三つ目の和音が「気持ちよくもとに戻ったな」という感じがしますよね。
少なくとも、デタラメに鳴らした和音より「整っていて意味がある」感じ、音楽的であるという感じがするはずです。
それを、今あなたの近くにいる人も同じ風に認識するって不思議だよね。
街中でお辞儀の伴奏を流したら、
「ああ、この音はお辞儀だな」
「二つ目の音でお辞儀するよね」ってなる、その感じ。
ピアノのお辞儀の伴奏の二つ目の和音から三つ目の和音に行くことを「解決した」と表現します。
二つ目ってちょっと不協和音気味で不安定なんですけど、三つ目ってそこから自然に流れてしっかり安定した感じがするじゃないですか。
「解決した」という言い回しもなんとなくわかるような気がしませんか。
なぜ私とあなた、二人とも、その流れが心地よく音楽的だと思うのか?
これは、青空や水のきらめきがなぜ「美しい」のか? と、同じくらいの謎なのです。
倍音列による理由とか、あるみたいですけど、じゃあなんでその倍音にそう感じるの?とまで言ったらわからない。
音楽ってなんで美しいんだろう、どうして私たちは音楽を聴くのだろう。
ねえ、この地球で自分で作った曲を誰かが好きだって言ってくれるのってひとつの奇跡だね……。
以前にも似た話を書きました。
こちらは音楽の仕組みって宇宙共通なのかな?って話です。
ちょっと知識が荒くてお恥ずかしいですが!よかったらこちらも。
最後に「イカになって」の原曲を紹介します。
生まれ変わったらイカになるから、あなたもイカになって。
私の一番のヒット曲です。再生数の桁が違う……!!
よかったら聴いてください。
話にオチがありますのでぜひ最後までどうぞ。
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