あかりの地球防衛戦記外伝 莉子の目覚め第1話〜孤独と喪失〜
これは今日の朝活の外伝ストーリーの莉子編の続編となります
記事はこちら👇️
無料公開分となりますので画像生成は少なめです。
後日Midjourneyを使ってAI画像生成で挿絵を作成します
SUNO作のBGMも追加予定ですヽ(=´▽`=)ノ
今回は無料公開として次回以降は有料での配信となります。
莉子のストーリーは本編へのクロス展開もありますのでご期待下さい
第1章:病室の目覚め
<2030年6月・流星群から3ヶ月後>
暗闇の中で、莉子は夢を見ていた。
「アーちゃん〜!また難しい本読んでる〜」
図書館で笑い合う、あの日の記憶。
「カフェ行こ〜💕新しいパフェ出たんだって〜」
窓際の席で、パフェを撮影する自分。
「流星群、一緒に見よ〜✨」
屋上で、無数の流星を見上げる2人。
「アーちゃん…あたし…実は…」
あの時、言えなかった言葉。
「…っ」
莉子は何かを言おうとして——
「なんでもない✨」
結局、笑顔で誤魔化した。
「これからもずっと、こうやって一緒にいようね✨」
指切りした小指。
「ずっと友達でいる」
そう約束した。
でも——
「アーちゃん…」
夢の中で、莉子は泣いていた。
「ごめん…言えなかった…」
「あたし…病気で…もうすぐ…」
「でも…言えなかった…」
暗闇が、莉子を包み込む。
「アーちゃん…会いたい…」
そして——
カチャ…
扉の開く音が聞こえた。
「…ん…?」
莉子の意識が、ゆっくりと浮上する。
その瞬間——
莉子は気づいた。
音が、やけにはっきり聞こえる。
扉の開く音だけじゃない。
風の音、遠くで何かが倒れる音、鳥の鳴き声…
全部が、異様にクリアに聞こえる。
「…なに…?」
莉子が目を開ける。
見知らぬ天井。
でも、視界が妙にクリアだ。
天井の細かい亀裂まで、はっきり見える。
「…なんか…変…」
莉子が体を起こそうとして——
「…あれ?」
すっと起き上がった。
「…えっ?」
莉子は驚いた。
病気で入院する前は、体を起こすだけで苦しかった。
看護師さんに支えてもらわないと、起き上がれなかった。
でも、今は——
「…軽い…」
体が、すごく軽い。
まるで、何もなかったみたいに。
「治った…の?」
莉子がベッドから降りようとする。
足を床につけて——
すっと立ち上がった。
「…立てる…」
しかも、ふらつかない。
めまいもない。
「なんで…?」
莉子が自分の手を見る。
細かった腕が、少し筋肉がついている。
握ってみると——
力が入る。
前は、ペットボトルの蓋を開けるのも辛かった。
でも、今は——
「…力…ある…」
莉子が混乱する。
「あたし…どうなってるの…?」
周りを見渡す。
病室。
でも、異様に荒れている。
窓ガラスは割れ、カーテンは破れている。
医療機器は停止し、電源が入っていない。
壁には、無数の引っかき傷。
床には、古い血痕。
「え…なにこれ…」
莉子の心臓が高鳴る。
震える手で、病室の扉を開ける。
廊下は、さらに酷かった。
窓ガラスは全て割れ、壁には無数の引っかき傷。
床には、血痕と破れた白衣が散乱している。
「嘘…でしょ…」
莉子が廊下を歩く。
その時、また気づいた。
足音が、異様に静かだ。
前は、歩くだけでペタペタと音がしていた。
でも、今は——
ほとんど音がしない。
「…なに…これ…」
そして、周囲の音が全部聞こえる。
遠くで風が吹く音。
何かが這いずる音。
鳥の羽ばたき。
全部が、クリアに聞こえる。
「あたし…耳…おかしくなった…?」
莉子が混乱しながら、ナースステーションに向かう。
でも——
誰もいない。
「誰か…いませんか…!?」
莉子が叫ぶ。
でも、返事はない。
「お医者さん…看護師さん…誰か…!」
静寂だけが、廊下に響く。
「…やだ…」
莉子の足が震える。
「なんなの…これ…」
病院の非常階段を降りる。
階段を——
駆け下りた。
「…っ!?」
莉子は自分の動きに驚いた。
前は、階段を一段降りるのも辛かった。
手すりに掴まって、ゆっくり降りていた。
でも、今は——
走って降りられる。
しかも、息が切れない。
足も疲れない。
「なんで…あたし…こんなに動ける…?」
混乱しながら、1階のロビーに出ると——
「…っ!!」
莉子は息を呑んだ。
ロビーは、完全に破壊されていた。
受付カウンターは倒れ、椅子は散乱し、壁には大きな穴が開いている。
そして——
自動ドアの向こう、外の景色が見えた。
「…嘘…」
莉子が自動ドアに近づく。
ドアは半分壊れたまま、開いている。
外は——
地獄だった。
廃墟と化した街。
崩れたビル、燃え尽きた車、ひび割れた道路。
空は灰色に曇り、異様な静けさが漂っている。
「なに…これ…」
莉子が一歩、外に出る。
「なにが…起きたの…」
風が吹き、廃墟の街を音もなく通り過ぎる。
その風の音、においまで——
異様にはっきり感じる。
鉄の焦げた匂い。
血の匂い。
何かが腐った匂い。
「…っ」
莉子が吐き気を堪える。
「…アーちゃん…」
莉子が震える声で呟く。
「アーちゃん…どこにいるの…」
ポケットからスマホを取り出す。
電源を入れようとするが——
バッテリー切れ。
「…っ」
莉子が膝をつく。
「やだ…やだよ…」
涙が溢れてくる。
「なんで…こんなことに…」
その時——
ガシャァァン!!
背後で、何かが壊れる音がした。
「…っ!?」
莉子が振り返る。
音の方向が、はっきり分かる。
病院の奥、暗闇の中。
「…だれ…?」
莉子が震える声で聞く。
暗闇から——
ギィィィ…
異様な声が響いた。
そして、姿を現した。
それは——
人間、だったもの。
顔は歪み、肌は灰色に変色し、爪は鋭く伸びている。
目は血走り、理性の光は消えている。
「…っ!!」
莉子が後ずさる。
「やだ…やだ…!」
怪異が、莉子に向かって走り出した。
「きゃあああああ!!」
莉子が走る。
廃墟の街を、必死で逃げる。
でも——
「…あれ?」
莉子は驚いた。
自分の走る速度が、病気になる前よりも速い。
前は、少し走るだけで倒れそうになっていた。
でも、今は——
「なんで…こんなに…!」
息も切れない。
視界がクリアで、障害物が全部見える。
音で、背後の怪異の距離も分かる。
「あたし…どうなってるの…!?」
でも、怪異はそれ以上に速い。
距離が縮まる。
「助けて…誰か…!」
でも、誰も答えない。
怪異が迫る。
角を曲がろうとした瞬間——
「…っ!」
莉子の足が瓦礫に引っかかった。
「きゃっ!」
転びそうになる——
でも、反射的に体が動き受け身をとる。
「…えっ?」
莉子は驚いた。
前は、そんな反射神経はなかった。
体育の授業も、いつも見学していた。
でも、今は——
「…でもころんだせいで追いつかれた」
怪異が飛びかかってくる。
「もうダメ…」
莉子が目を閉じる。
その時——
ドォォォン!!
爆発音が響いた。
「…えっ?」
莉子が目を開けると——
怪異が、炎に包まれて吹き飛ばされていた。
「…なに…?」
莉子が振り返ると——
黒い戦闘服を着た、数名の人影が立っていた。
一人の男の手には、炎が見える。
「間に合ったか」
男が手を下ろすと、炎が消える。
「あ…あなたたち…」
莉子が呆然とする。
「大丈夫か?莉子さん」
別の女性が、莉子に近づいた。
「誰?なんで…あたしの名前…知ってるの…?」
「説明は後だ。まだ他の怪異が来る」
女性が周囲を警戒する。
「待って…今の…炎…」
「私たちは特殊な力を持っている」
男が言う。
「君も同じだ。だから、我々が迎えに来た」
「…同じ…?」
「そうだ。君は自分の体の変化に気づいているだろう?」
男が莉子を見る。
「体が軽くなり、感覚が異常に鋭くなったんじゃないか?…」
「…なんで…知ってるの…」
「君と同じ病気だった者が、ここにいるからだ」
男が自身と他のメンバーを指す。
「私たちは全員、珍しい難病の同じ病気を患っていた」
「そして、その状態で侵食体に感染した」
「でも、侵食体のお陰で病気で死ななかった」
「侵食体も病気で意思を失い意識が乗っ取られることもなかった」
「そして侵食体の特殊な力も手に入れた」
莉子は混乱したままだったが——
「今はここから離れよう。君の質問には、全て答える」
女性が莉子の手を取る。
莉子は——一瞬戸惑ったが
でも、他に選択肢はなかった。
男たちに連れられ、廃墟の街を脱出することになった。
〜To Be Continued…〜
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