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パラレル創作シリーズ 赤いカタナは、正義を知らない

わぁ〜い✨️あかりの新シリーズ、始めますっ!

これね、いろんなジャンルの短編小説をどんどん出していく企画なのっ。ホラーも、バトルも、転生ものも、ジャンル問わずに書いていくよっ。

そしてこのシリーズ、ぜんぶパラレルワールドでつながってるのっ!

わたしの創作キャラたちが、性格はそのままに、いろんな生い立ちで毎回登場するよっ。めんどくさがりのだるがりはどの世界でもだるがりだし、爆発好きはどの世界でも爆発好きっ。

中身は同じなのに、世界が違うと全然ちがう物語になるっ。そこも楽しんでもらえたら嬉しいなっ(๑•̀ㅂ•́)و✧

で、ここが一番面白いとこっ。

毎回、話の最後にアンケートを取るのっ。

この話の続きが読みたい?

って、みんなに聞いてみるよ✨️

そして反響が大きかったものだけ、続編を書いていくっ。つまり、どの話が育つかを決めるのは読者のみんなっ!

あなたの一票が、次の物語を作るってことなのっ。

このシリーズものの本編は全部無料で読めるよっ。気軽に読んで、気軽に投票してねっ。

それじゃ、いってみようっ🔥


赤いカタナは、正義を知らない

一 月夜の義賊

まだ彼女が人斬りと呼ばれていなかった頃。

あかりは、義賊だった。

夜になれば悪徳商人の蔵へ忍び込み、奪った金や米を貧しい村へ置いていった。

どこから来たのか。

なぜ自分たちを助けるのか。

村人たちは何も知らなかった。

ただ、朝になると空だった米びつが満たされている。

借金の証文が燃やされ、代わりに赤い髪が落ちている。

いつしか人々は、姿の見えない義賊を赤影と呼び始めた。

その頃のあかりは、まだ人を斬らなかった。

腰に差したカタナは脅すためのもの。

鞘から抜くことはあっても、刃を人間へ向けることはなかった。

自分は盗人だ。

だが、人殺しではない。

その一線だけは越えないと決めていた。

最初に人を斬ったのは、ひどく寒い夜だった。

あかりが奪った米俵を運んでいるところへ、商人の用心棒が現れた。

見つかったのは小さな村だった。

飢えた子どもたちへ米を渡そうとした直後だった。

用心棒はあかりを捕まえるため、村人ごと斬ろうとした。

男の刀が、一人の少女へ振り下ろされる。

気づいたときには、あかりのカタナが男の胸を貫いていた。

刃を抜くと、温かい血が手へ流れてきた。

鉄に似た臭いが、冷たい夜気の中へ広がった。

男は何かを言おうとした。

だが、口からこぼれたのは言葉ではなく、黒い血だった。

その身体が雪の上へ倒れる。

あかりは動けなかった。

助けた少女の泣き声が、遠くに聞こえた。

刀を握る手が震えていた。

「ありがとう」

少女の母親が、あかりへ頭を下げた。

「娘を助けてくださって……ありがとうございます」

その言葉が、あかりを救った。

自分は間違っていない。

この男を斬ったから、少女は生きている。

これは殺しではない。

人を救うために必要なことだった。

そう思うことで、あかりは初めての夜を越えた。

二人目は、村から年貢を奪っていた役人だった。

三人目は、役人を守っていた侍。

四人目は、役人へ村人の情報を売っていた商人。

十人を越えた頃には、斬った者の顔を覚えなくなっていた。

悪人を斬れば、人々は喜んだ。

泣きながら礼を言う者もいた。

赤影様のおかげで救われたと、あかりの手を握る者もいた。

斬るたびに感謝された。

感謝されるたび、自分の正義が認められたように思えた。

悪人に従う者も悪。

悪を見逃す者も悪。

悪を守ろうとする者も悪。

そして最後には、自分を止めようとする者まで悪になった。

カタナについた血を拭う回数は、少しずつ減っていった。

昔は一人斬るたびに刃を磨いていた。

血の臭いが残らなくなるまで、何度も布で拭っていた。

それが十人に一度になり、やがて手入れすらしなくなった。

黒ずんだ血の下に、赤い錆が浮かび始める。

あかりは気づいていた。

それでも構わず、次の人間を斬った。

義賊と呼ばれていた女は、いつしか人斬りと呼ばれるようになった。

それでもあかりは、正義のためだと言い続けた。

自分が斬る者は悪なのだと。

そうでなければ、今まで斬ってきた者たちの死に意味がなくなってしまうから。

その夜も、月が出ていた。

雲の切れ間に浮かぶ白い月が、荒れ果てた寺を照らしていた。

境内には十数人の侍が立っている。

全員が幕府から差し向けられた討手だった。

その中央に、あかりは一人で立っていた。

赤い髪が夜風に揺れる。

着物はすでに血で濡れていた。

誰の血なのか、あかり自身にも分からない。

「人斬りあかり」

討手を率いる侍が告げた。

「お前を、ここで討つ」

「私が斬ったのは悪人だけだ」

あかりがカタナを抜く。

刃には赤黒い錆が浮いていた。

「幕府の権力を使い、民を苦しめる者を斬った。それの何が悪い」

「お前が斬った関所の役人には、妻と幼い息子がいた」

「悪人に家族がいれば、罪が消えるのか」

「ならば、お前に斬られた男の妻と子が飢えたとき、その責任は誰が取る」

あかりは答えなかった。

代わりに、カタナを構えた。

「話は終わりか」

「そうか。もう、言葉は届かぬか」

侍たちが一斉に刀を抜いた。

空気が変わる。

誰も動かない。

だが境内には、すでに無数の刃が交差していた。

視線。

呼吸。

足の向き。

肩の高さ。

柄を握る指の力。

侍たちは、互いの身体に現れる小さな動きから、次の一撃を読み合っていた。

先に動いたのは、幕府の侍だった。

あかりの背後から、一人が斬りかかる。

振り返らない。

半歩だけ身体をずらし、背後から迫った刃を避ける。

同時にカタナを後ろへ突き出した。

切っ先が侍の喉を貫く。

刃を引き抜くより先に、左右から二人。

あかりは倒れかけた侍の身体を蹴り飛ばした。

一人が巻き込まれる。

残った一人の懐へ踏み込み、脇腹を斬り上げた。

血が月夜に舞う。

三人。

次の侍が上段から振り下ろす。

あかりはカタナで受けなかった。

身体を沈め、刃の下へ入る。

すれ違いざまに、男の腹を横一文字に斬った。

四人。


「やはり手強い!囲め!」

号令とともに、残った侍たちが間合いを詰める。

あかりの頬がわずかに緩んだ。

恐怖はなかった。

刃が迫るほど、頭は静かになった。

誰を斬るべきか。

どこへ足を置くべきか。

何人目で息を吸うべきか。

すべて分かった。

この瞬間だけは、自分が正しいかどうかを考えなくて済んだ。

カタナを振る。

人が倒れる。

また振る。

悲鳴が消える。

赤錆の浮いた刀身へ、新しい血が重なっていく。

だが、あかりの身体も限界へ近づいていた。

肩に一太刀。

脇腹に二太刀。

左脚には、折れた矢が刺さっている。

息を吸うたび、胸の奥が焼けるように痛んだ。

最後の一人を斬ったとき、あかりの膝が地面についた。

「まだだ……」

カタナを杖にして立ち上がる。

その瞬間、境内の闇から若い侍が現れた。

気配を消し、最後まで機会を待っていた男だった。

あかりは反応した。

だが、傷ついた左脚が動かなかった。

若い侍の刀が、あかりの胸を貫いた。

冷たい刃が背中まで抜ける。

時間が止まったようだった。

あかりは目の前の男を見た。

まだ若い。

恐怖で顔が引きつっている。

あかりを斬った本人が、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「なぜ……そんな顔をする」

あかりの口から血がこぼれる。

「お前は、自分の正義に従い悪を斬ったのだろう」

若い侍は答えなかった。

刀を引き抜く。

支えを失ったあかりは、仰向けに倒れた。

夜空に月が浮かんでいる。

右手には、まだカタナが握られていた。

月明かりを受けた刀身に、赤黒い錆が浮かび上がる。

いつから、私のカタナはこんな色になったのだろう。

最初は銀色だった。

顔が映り込むほど、美しい刃だった。

初めて人を斬った夜。

助けた少女の母親は、何と言っていた。

ありがとう。

そうだ。

あの言葉が嬉しかった。

誰かを助けられたことが、嬉しかったはずなのに。

いつから自分は、人を救うことよりも悪人を斬ることを望むようになったのだろう。

自分が最後に斬った者は、本当に悪人だったのか。

もう、顔すら思い出せなかった。

「正義とは……何だ」

答える者はいなかった。

月だけが、血に濡れたあかりを見下ろしていた。

視界が暗くなる。

身体の感覚が消えていく。

次があるのなら。

もし、こんな自分にも次の生が許されるのなら。

今度こそ、人のために生きよう。

人のために刀を抜き。

人のために、この命を終えよう。

あかりは静かに目を閉じた。

二 二つの月

風が頬を撫でていた。

草の臭いがする。

遠くから、聞いたことのない生き物の声が響いていた。

あかりは目を開けた。

最初に見えたのは、二つの月だった。

大きな青い月と、その隣に浮かぶ小さな白い月。

「……何だ、これは」

身体を起こす。

そこは見知らぬ森だった。

木々の幹は青白く、枝には淡く光る葉がついている。

足元には赤い花が咲き、その中心で小さな光が明滅していた。

あかりは自分の胸へ触れた。

傷がない。

確かに刀で貫かれたはずだった。

肩と脇腹の傷も消えている。

それなのに、着物には乾いた血が残っていた。

腰を見る。

鞘はある。

カタナを抜く。

血と錆に覆われた刃も、そのままだった。

夢ではない。

だが、死後の世界にしては身体が重い。

試しに頬をつねると、普通に痛かった。

「地獄……ではなさそうだな」

地獄ならば、もっと見覚えのある顔が待っているはずだ。

あかりは立ち上がった。

森を歩くうち、小さな廃屋を見つけた。

扉は半分腐り、屋根にも穴が開いている。

中には壊れた机と、錆びた農具が残されていた。

机の引き出しを探すと、古い研石と油の入った小瓶が見つかった。

見覚えのない文字が書かれている。

だが油の臭いと研石の手触りは、元の世界のものと大きく変わらなかった。

床へ座り、カタナを膝に置く。

最後に手入れをしたのがいつだったか、思い出せない。

鞘から抜いた刃はひどい状態だった。

黒ずんだ血。

赤く浮いた錆。

いくつもの刃こぼれ。

これが、かつて自分の正義を支えた刀の末路だった。

「お前も、私と同じだな」

あかりは研石を水で濡らした。

刃へ当て、ゆっくりと動かす。

ざり、ざり、と乾いた音が廃屋に響いた。

何度も研ぐ。

布で拭う。

油を塗り、また研ぐ。

黒ずんだ血が落ちていく。

赤錆も削られていく。

欠けていた刃が、少しずつ本来の形を取り戻す。

夜が明けても、あかりは手を止めなかった。

昼が過ぎ、森が再び暗くなり始める。

研石を置いた頃には、カタナは新品に近い鋭さを取り戻していた。

あかりは刀身を布で拭い、月明かりへ掲げた。

そして、息を止めた。

刃こぼれは消えている。

血も、錆も残っていない。

それなのに刀身は赤かった。

塗料ではない。

錆が残っているわけでもない。

鋼そのものが、深い赤色へ変わっている。

もう一度、研石を当てた。

表面を薄く削る。

それでも、下から現れる鋼は赤い。

何度磨いても変わらなかった。

刃の奥まで、血が染み込んでいるようだった。

「錆では……なかったのか」

青い月と白い月。

二つの光を受けたカタナが、濡れた血のような色を見せる。

不思議と恐怖はなかった。

あかりは赤い刀身に映る自分の顔を見つめた。

「お前は、私が斬った者たちを覚えているのか」

カタナは答えない。

ただ、赤い刃が月夜の中で冷たく輝いている。

これは自分の悪意だ。

正義を名乗り、人を斬ることに慣れ、いつしか殺しそのものを求めるようになった私の罪。

どれだけ磨いても、消えることはない。

捨てようと思えば、捨てられた。

この世界にあかりを知る者はいない。

義賊だったことも、人斬りと呼ばれたことも、誰も知らない。

新しい名を名乗り、新しい武器を持てば、過去を隠して生きられる。

あかりは赤いカタナを鞘へ納めた。

「だからこそ、持っていく」

過去が消えないのなら、背負えばいい。

このカタナで、次は人を守る。

それが許しになるとは思わない。

斬った者が戻ってくるわけでもない。

それでも、死の間際に誓った。

今度こそ、人のために生きると。

そのときだった。

森の奥から、轟音が響いた。

廃屋が揺れ、天井から木くずが落ちてくる。

鳥のような生き物が一斉に飛び立った。

少し遅れて、女の声が聞こえる。

「うわぁぁぁ! 出力を間違えたよーっ!」

あかりは立ち上がった。

死後の世界にも、ずいぶん騒がしい者がいるらしい。

三 爆発する魔法使い

森の一部が燃えていた。

青白い木々の間から、黒い煙が上がっている。

その煙の中から、一人の少女が飛び出してきた。

肩まで伸びたピンク色の髪。

焦げた服。

背中には、身体より大きな鞄を背負っている。

少女はあかりに気づくと、大きく手を振った。

「そこの人、逃げてーっ!」

直後、煙の中から三頭の獣が現れた。

狼に似ている。

だが、牛ほどの大きさがあった。

黒い毛の間から青い光が漏れ、額にはねじれた角が生えている。

一頭が口を開けた。

喉の奥に、青い炎が集まっていく。

あかりは腰を落とした。

「えっ、何してるの!? 逃げてってば!」

少女が叫ぶ。

獣の口から青い火球が放たれた。

炎が地面を焼きながら迫る。

速い。

だが、弓矢よりは遅い。

あかりは火球が吐き出される前から、攻撃の軌道を読んでいた。

獣の口が開く。

喉が光る。

頭がわずかに下がり、あかりへ向けられる。

それだけの動作があれば十分だった。

火球が届く前に右へ跳ぶ。

炎は誰もいない場所へ着弾した。

地面が破裂し、熱風が背中を撫でる。

あかりはすでに走り出していた。

一頭目が爪を振り上げる。

獣の肩が動いた瞬間、その軌道から身体を外す。

すれ違いざまに、赤いカタナを振り抜いた。

首が落ちる。

獣の身体が数歩進んだあと、地面へ倒れた。

残った二頭が左右へ分かれた。

一頭はあかりへ。

もう一頭は、ピンク髪の少女へ向かう。

あかりは前へ出た。

自分へ迫る獣の牙を紙一重で避け、前脚を斬る。

体勢を崩した獣の背中を踏み台にして跳んだ。

少女へ飛びかかろうとしていた最後の一頭へ追いつく。

空中で身体をひねり、カタナを振り下ろした。

赤い刃が、角ごと頭を断ち割った。

三頭の獣が動かなくなる。

森に静けさが戻った。

あかりは刃についた血を拭い、鞘へ納めた。

少女が口を開けたまま固まっている。

「怪我は」

「……ない」

「そうか」

「あっ、待って! 今の何!?」

少女があかりの両肩をつかんだ。

「何って」

「身体強化の魔法陣も出てないし、武器に魔力を流した感じもなかった! それなのに黒角狼を三頭だよ!? どうやったの!?」

「何をいってるわからないが、ただ斬った」

「そこは見てたよーっ!」

少女は頭を抱えた。

「あっ、自己紹介がまだだったね〜。私はサン! 魔導具の研究と開発をやってるよー✨」

さっきまで魔物に追われていたとは思えない笑顔だった。

「あかりだ」

「あかりちゃんだね! その赤い剣、ちょっと見せてもらってもいい?」

「カタナだ」

「カタナ?」

「私の武器だ」

あかりは警戒しながらも、鞘ごとカタナを差し出した。

サンは鞄から眼鏡のような魔導具を取り出した。

薄い板に光が走り、赤いカタナを何度も往復する。

やがて、サンの笑顔が消えた。

「……何もない」

「何もない?」

「魔力反応が一つもないの。属性も、術式も、魔力回路もない。魔法武器なら絶対に何か出るはずなのに」

サンは別の道具を取り出した。

今度は黒い針がついた小さな箱だった。

赤いカタナへ近づけても、針は動かない。

「呪いの反応もなし。魔力を隠してる可能性も考えたけど……本当にただの金属みたいだね〜」

「ただのカタナだ」

「赤い金属なんて見たことないよ!」

サンは次に、あかりの腕へ小さな板を押し当てた。

数字のようなものが浮かび、すぐに消えた。

サンが瞬きをする。

もう一度押し当てる。

同じ結果だった。

「えっ」

「今度は何だ」

「あかりちゃん、魔力がほとんどない」

「魔力とは何だ」

「えっ!?」

サンの声が森に響いた。

サンの説明によれば、この世界の人間は誰でも魔力を持っているらしい。

火をつける。

水を出す。

風を起こす。

物を運ぶ。

魔法は戦いだけでなく、生活のあらゆる場所で使われている。

武器も魔法を補助する道具として作られていた。

剣は杖を失ったときや、魔力が切れたときに使う予備の武器。

剣術を専門に学ぶ者は、よほど才のあるものだけでほとんどいないという。

「剣なんて魔法が使えない状況で身を守るものだからね〜。それ一本で黒角狼へ突っ込む人、初めて見たよー✨」

「魔法を使えぬ者はいないのか」

「生まれつき魔力が少ない人はいるよ。でも完全にゼロは聞いたことないかも」

「ならば私は、ずいぶん珍しい存在らしいな」

「あかりちゃん、どこからきたの?」

あかりの手が、カタナの柄へ伸びる。

サンは慌てて両手を上げた。

「待って待って! 別に捕まえたりしないよー! むしろミステリアスで最高だね〜✨」

恐れている様子はなかった。

赤いカタナを見る目が、先ほどより輝いている。

あかりは小さくため息をついた。

嘘をついても、すぐに見破られそうだった。

「おそらく、別の国、世界だろう。私のいた場所に、魔法というものはなかった」

「わぁ〜! じゃあ、このカタナも異世界の武器なんだ!すごい切れ味だったもんねまるで伝説の魔剣だよ」

「だが、元から赤かったわけではない」

あかりはそれ以上話さなかった。

サンも無理には聞かなかった。

「あっ、そうそう。さっきは助けてくれてありがとう! 魔導爆弾の威力を上げようとしたら、爆発音で黒角狼を呼んじゃったんだよね〜」

「なぜ森で、そのような物を試す」

「町で爆発させたら怒られるからだよー✨」

「森でも怒られると思うが」

サンは聞こえなかったふりをした。

「それより、近くの村まで一緒に来てくれない? 私、そこで頼まれてた仕事があるの」

「仕事?」

「村を魔物から守る結界が壊れかけてるの。修理に来たんだけど、村を管理してる魔法使いと揉めちゃってね〜」

「それで魔物に追われていたのか」

「あれは爆発のせいだよー✨」

「自業自得ではないか」

「それはそうだね〜(ノω・)」

サンは笑っていた。

あかりは断ろうとした。

自分はこの世界のことを何も知らない。

村の事情へ関わる理由もない。

だが、死の間際に誓った言葉が蘇った。

今度こそ、人のために生きる。

その誓いを、目覚めた直後から忘れるのか。

「案内しろ」

「来てくれるの?」

「ああ。ただし、次は私の近くで爆発させるな」

「善処するよー✨」

「しない者の言い方だな」

二人は森を出た。

四 魔法を持たない者

ルーメ村は、高い木の柵に囲まれていた。

柵の周囲には青い光の膜が張られている。

ところどころ光が薄くなり、外から黒い霧のようなものが染み込んでいた。

「あれが結界か」

「うん。本当なら村全体を覆って、魔物を近づけないようにするの。でも、中心にある魔石がほとんど空になってる」

「補充すればよいのではないか」

「そのために来たんだけどね〜」

サンが村の中央を指さした。

大きな石造りの屋敷が建っている。

周囲の家々とは明らかに違う造りだった。

「あそこにいるオルドって魔法使いが、結界を管理してるの。村から高い維持費を取ってるのに、安い魔石しか使ってないみたい」

「結界を直せば、金を取れなくなるということか」

「たぶんね。それを調べてたら、魔導具も工具も全部取り上げられちゃった」

村へ入ると、住人たちが二人を避けるように道を開けた。

顔色が悪い。

空腹なのか、頬のこけた子どももいた。

一人の老婆が、サンへ近づいた。

「戻ってきたのかい。早く逃げなさい。オルド様が、あんたを見つけたら捕まえると言っていたよ」

「でも、このままだと結界が消えちゃうよ」

「今月も村の食料を渡した。新しい魔石を買うと約束してくださった」

サンは言葉を失った。

あかりは老婆の後ろにある倉庫を見た。

扉が開いている。

中には何も入っていない。

かつて見た光景と同じだった。

年貢を取り立てられ、冬を越す米さえ残されていなかった村。

あの頃のあかりなら、すでにカタナを抜いていた。

悪人だ。

斬ればいい。

胸の奥で、昔の自分が囁いた。

「オルドという者は、どこにいる」

老婆の顔が青くなる。

「何をするつもりだい」

「話をする」

あかりはそう答えた。

自分でも信じていない言葉だった。

屋敷の前には、杖を持った男が四人立っていた。

全員が同じ黒い服を着ている。

あかりとサンが近づくと、杖の先が一斉に向けられた。

「戻ってきたか、爆発女」

「その呼び方やめてくれるかな〜、なんかムカつく」

「オルド様の魔石を盗もうとした罪で捕らえる」

「盗もうとしてないよ。空っぽの魔石を調べただけ!」

あかりが一歩前へ出た。

「サンから奪った物を返せ。村から取った食料もだ」

男たちが顔を見合わせる。

やがて、一人が笑った。

「何だ、おまえは」

「…」

「そんな貧相な剣で杖も持たずに4人を相手にできると思っているのか」

男が杖を向ける。

先端に赤い光が集まり始めた。

火球か。

森で見た獣と同じだった。

だが獣よりも遅い。

杖を向ける。

狙いを定める。

魔力を集める。

口を開き、呪文を唱える。

人を殺すまでに、あまりにも多くの動作を必要としている。

あかりが生きてきた世界では、肩がわずかに動いた次の瞬間には刃が首へ届いた。

鍔迫り合いの距離で行われる殺し合いに比べれば、遊びに近い。

「炎よ、我が敵を――」

あかりは、ため息を付き、男が言葉を終える前に動いた。

火球が放たれる。

速い。

まともに受ければ、あかりの身体も焼けるだろう。

だが、魔法を見てから避ける必要はなかった。

火球は、あかりが先ほどまで立っていた場所を通過した。

男が目を見開く。

あかりはすでに懐へ入っていた。

赤いカタナを抜く。

男の首へ向かって刃が走る。

その瞬間、初めて人を斬った夜が蘇った。

雪の上へ倒れた男。

手に流れてきた温かい血。

ありがとうと頭を下げた母親。

あかりは手首を返した。

刃が男の首から外れ、杖だけを斬り落とす。

続けて鞘を腹へ叩き込んだ。

男が息を詰まらせ、地面へ倒れる。

それを見て焦った三人が魔法を放つ。

炎。

氷。

風の刃。

あかりは走った。

炎は左へ。

氷は右へ。

風の刃は地面へ身体を伏せて避ける。

魔法の種類は違っても、放つのは人間だ。

視線を見れば、どこを狙っているか分かる。

肩を見れば、杖を振る方向が分かる。

呼吸を見れば、魔法を放つ瞬間が分かる。

カタナで三本の杖を斬る。

刃を返し、鞘と柄で男たちを打ち倒す。

数呼吸のうちに、四人全員が地面へ転がっていた。

サンが目を輝かせている。

「すごい! 魔法を発動する前に術式の中心から外れてるんだね!」

「今は先へ行く」

「うん! でも、カタナ欲しいな〜」

「断る」

屋敷の扉が開いた。

中から、太った男が現れる。

金色の服をまとい、宝石のついた杖を持っている。

その後ろには、怯えた少女がいた。

老婆の近くにいた子どもだった。

男の左腕が、少女の首を締めている。

「随分と好き勝手してくれたな」

「あなたがオルドだね」

サンの声から、先ほどまでの明るさが消えた。

「結界用の魔石を抜いたでしょ。村から食料を取るために、わざと結界を弱くしてる」

「証拠はあるのか」

「私の計測器を返してくれたら、今ここで見せてあげるよ」

「ならば、返すわけにはいかんな」

オルドの杖が光る。

屋敷の周囲に、半透明の壁が現れた。

あかりはカタナを構える。

「その子を放せ、今なら見逃してやる」

「貴様!私に命令するのか」

オルドが杖を振る。

地面が隆起した。

尖った石が、あかりの足元から突き出す。

あかりは横へ跳んだ。

避けた先から、さらに石の槍が伸びる。

火球のような単純な攻撃ではない。

地面の下から現れるため、軌道を読むのが遅れた。

石の先端が、あかりの左腕をかすめる。

着物が裂け、血が飛んだ。

「あかりちゃん!」

「問題ない」

オルドは笑った。

「蛮人が魔法はどうした才能がないのか?魔法とは、世界を支配する力だ」

「そうか」

あかりは左腕の血を拭った。

「私のいた場所にも、同じことを言う者がいた」

権力があるから。

金があるから。

力を持っているから。

自分は他人を支配してよいのだと。

「その者たちは、どうなった」

オルドが尋ねる。

「私が一人残らず、全員斬り殺した」

あかりの冷酷で冷静な答えを聞き、オルドの笑みが引きつった。

赤いカタナが鞘から抜かれる。

あかりは地面を蹴った。

石の槍が次々と突き出す。

足元ではなく、オルドを見る。

杖を振る方向。

視線。

指先。

魔法が発動する前の小さな動きだけを読む。

一歩。

二歩。

身体をひねり、石の間を抜ける。

オルドが杖を突き出した。

巨大な火球が生まれる。

あかりではなく、サンと村人たちへ向けられていた。

「止まれ! 近づけば、こいつらを焼く!」

あかりの足が止まる。

「そうだ。それでいい」

オルドが少女を地面へ突き飛ばす。

空いた手を上げると、屋敷の屋根から青い魔石が浮かび上がった。

村の結界を維持するための魔石だった。

「お前たちが逆らうなら、この村に結界など必要ない」

オルドが魔石を握り潰した。

青い光が砕け散る。

村を覆っていた膜が消えた。

柵の外から、獣の遠吠えが響く。

一つではない。

森の闇に、無数の青い目が浮かび上がった。

「オルド! 何してるの!?」

「結界を壊したのは、お前たちだ。私は王都へ戻り、新しい村の管理を任せてもらう」

オルドの火球が今にも放たれそうだ。

あかりは走った。

火球が撃たれるより先に、オルドへ届かなければならない。

だが半透明の壁が、二人の間を塞いでいる。

「無駄だ! その障壁は物理耐性が高い!」

避ければ、後ろにいる者たちが焼かれる。

カタナで炎を受ければ、あかりも無事では済まない。

それでも、立ち止まるという選択はなかった。

人のために生きる。

今度こそ、そのために刀を抜くと決めた。

あかりは赤いカタナを振り抜いた。

刃が半透明の障壁へ触れる。

甲高い音が響いた。

光の壁に、一本の赤い線が走る。

次の瞬間、障壁が左右へ割れた。

オルドの顔から血の気が引く。

「何だ……お前は」

あかりにも分からなかった。

魔法なのか。

呪いなのか。

それとも、あかりの剣技がなした技なのか。

今は考える必要がない。

割れた障壁を抜け、オルドの懐へ入る。

杖を真っ二つに斬る。

宝石のついた杖がバラバラになり宙を舞った。

火球が収束し消滅する。

オルドが尻もちをついた。

その首へ、赤いカタナを突きつける。

「ま、待て……」

オルドの身体が震えている。

「金ならやる。食料も返す。だから殺すな」

あかりの手に力が入る。

この男は、村人を苦しめた。

結界を弱くし、魔物への恐怖を利用して食料を奪った。

子どもを盾にした。

自分が逃げるために、村全体を見捨てようとした。

悪人だ。

斬る理由はいくらでもある。

「殺せばいい!」

やけになったオルドが叫んだ。

「その目を見れば分かる。お前は私を裁きたいのではない。人を殺したいだけだ!」

赤い刀身に、あかりの顔が映る。

月夜の境内。

倒れていった侍たち。

胸を貫いた若い男。

悪を斬る。

人を救う。

そう言いながら、何度カタナを振った。

首を落とせば、すぐに終わる。

刃を少し引くだけでいい。

オルドは二度と村人を苦しめない。

また誰かが感謝してくれるだろう。

ありがとう。

あなたのおかげで助かった。

あの言葉を、もう一度聞ける。

あかりはカタナを振り上げた。

オルドが目を閉じる。

赤い刃が落ちる。

硬い音が響いた。

切断されたのは、オルドの首ではなかった。

オルドの服についていた宝石が、縦に割れていた。

あかりはカタナを鞘へ納める。

そして鞘の先で、オルドの顎を打ち上げた。

オルドの身体が地面へ倒れる。

意識は失っている。

だが、生きていた。

「お前を許したわけではない」

あかりは倒れた男へ告げた。

「ただ私は、もう正義を理由に人を斬らない」

柵の外で、魔物が動き始めた。

黒角狼の群れが村へ迫っている。

「サン、結界は直せるか」

「中心の魔石が壊されたから、普通の方法じゃ無理!」

「普通でなければ行けるのか?」

サンの顔に笑みが戻った。

「私を誰だと思ってるの?」

大きな鞄を地面へ置く。

中から、いくつもの筒と導線が飛び出した。

「魔導具の研究者で、爆発魔法の専門家だよー✨」

「爆発魔法で結界が直るのか」

「魔石がないなら、爆発の魔力を結界へ流せばいいの!」

「無理じゃないか?本当に大丈夫なのだろうな」

「成功したことは一度もないよー✨」

「別の方法を考えろ!全滅させる気か」

「もう始めちゃった!」

サンが導線へ火をつけた。

あかりは頭を抱えたくなった。

だが黒角狼は、すでに柵を越え始めている。

「結界が戻るまで、どれほどかかる」

「三分!」

「…」

あかりは赤いカタナを抜いた。

「それまで、獣1匹通さない」

五 赤いカタナ

黒角狼の群れが押し寄せた。

十頭。

二十頭。

暗闇の奥には、まだ青い目が見える。

あかりは村の入口に立った。

背後では、サンが魔導具を組み立てている。

村人たちは子どもを連れ、建物の中へ逃げ込んだ。

最初の一頭が跳ぶ。

横へ避け、首を斬る。

二頭目の牙を鞘で受け流し、腹を切り上げる。

左右から火球。

一つをかわす。

もう一つは、倒れた獣の身体を盾にして防いだ。

焼けた毛の臭いが広がる。

「あとどれくらいだ!」

「二分半!」

「ほとんど減っていないではないか!」

「時間は急いでも速くならないよー!」

あかりは迫る獣へ向き直った。

魔物を斬ることに迷いはなかった。

だが身体は人間のままだ。

呼吸は乱れ、左腕の傷から血が流れている。

今は傷を治す術もない。

獰猛な獣が相手だ、一度でも牙を受ければ終わる。

それでも、退くわけにはいかなかった。

自分の後ろには人がいる。

今度は誰かを斬るためではない。

誰かを生かすために、ここへ立っている。

一頭。

二頭。

三頭。

赤いカタナが夜を走る。

刀身は魔物の血に濡れても、元の色を変えなかった。

群れの奥から、ひときわ大きな獣が現れた。

他の黒角狼の倍はある。

額から生えた角は二本。

喉の奥に、これまでとは比べものにならない光が集まっている。

「まだか!」

「あと三十秒!」

巨大な火球が生まれた。

避けることはできる。

だが背後にはサンがいる。

そのさらに後ろには、村人たちが隠れる家がある。

あかりはカタナを両手で握った。

「やるしかない」

あかりは居合斬りの姿勢を取った

火球が放たれる。

夜が青く染まった。

熱風が頬を焼く。

その時だった、背後からサンの声がした

「どれだけ敵が硬くても、小物相手ならこれで解決だよー✨」

「おい来るな、そいつは小物ではない!」

「細かいことは気にしないで!」

轟音。

あかりの頭上を、光の塊が通過した。

サンが組み立てた筒から放たれた魔法弾が、巨大な火球と衝突する。

二つの力がぶつかり、空中で爆発した。

衝撃に木々が揺れる。

双角の狼がひるんだ。

あかりはその衝撃をうけながらも爆煙の中を走った。

それに気がついた獣が爪を振り下ろす。

踏み込み、爪の内側へ入る。

赤いカタナを下から振り上げた。

刃が獣の腕を裂く。

巨体が揺れる。

あかりは身体を回転させ、もう一度カタナを振った。

双角の狼の首が落ちる。

同時に、サンが最後の導線をつないだ。

「いくよーっ!」

地面へ置かれた筒が一斉に爆発する。

あかりは伏せた。

爆発の魔力が村の中央へ集まり、空へ昇る。

青い光が雨のように降り注いだ。

消えていた結界が、村全体を包んでいく。

残った黒角狼が光へぶつかり、森へ弾き飛ばされた。

村に静けさが戻った。

サンが両手を上げる。

「成功だよー✨」

直後、屋敷の窓がすべて割れた。

倉庫の扉が吹き飛び、屋根から煙が上がる。

「……成功なのか」

「結界は直ったから成功だね〜」

「この村から追い出されても、私は助けないぞ」

「そのときは一緒に逃げようよー✨」

村人たちが、建物から出てきた。

助け出された少女が、あかりへ駆け寄る。

「ありがとう」

その言葉を聞き、あかりは動きを止めた。

最初に人を斬った夜と、同じ言葉だった。

あのときは、その言葉を理由に人を斬り続けた。

今度は違う。

誰も殺さずに、この少女を助けた。

過去は消えない。

それでも、違う選択はできた。

あかりは少女の頭へ手を置いた。

「無事でよかった」

それだけを答えた。

オルドの屋敷からは、村人たちから奪った食料と金が見つかった。

サンの魔導具も戻ってきた。

さらに、安い魔石を使いながら高額な維持費を取っていた記録まで残されていた。

村人たちは証拠とともに、オルドを近くの町へ引き渡すことにした。

夜が明ける頃。

あかりは村の外れで、カタナを手入れしていた。

魔物の血を拭い、刃に油を塗る。

昔はしなくなったことだ。

これからは、戦いが終わるたびに手入れをしようと思った。

自分が何を斬ったのか、忘れないために。

「やっぱり赤いままだね〜」

隣に座ったサンが、カタナをのぞき込む。

「魔法の障壁を斬ったのに、魔力反応は出てない。呪いもなし。素材も普通の鉄みたい」

「普通の鉄が、これほど赤くなるのか」

「ならないね〜」

「役に立たない調査だな」

「失礼だね! 分からないことが分かったんだよー✨」

「それを役に立たないと言うのではないか」

サンは頬を膨らませた。

あかりは赤い刀身を朝日へ向けた。

月夜とは違い、明るい場所では黒に近い色へ見える。

赤いカタナが魔法の力を持っているのか。

斬った者たちの呪いが宿っているのか。

あかり自身の悪意が形になったものなのか。

答えは分からない。

だが、昨日このカタナは人間の血を吸わなかった。

それだけで、今は十分だった。

六 人のために生きる

村人たちに見送られ、あかりは村を出た。

元の世界へ戻る方法は分からない。

戻ったとしても、待っているのは死だけだろう。

この世界で何をすべきかも分からなかった。

それでも、歩き続けるつもりだった。

助けを求める者がいるなら、その者を守る。

今度は正義という言葉へ逃げない。

目の前の命を守るために、カタナを抜く。

「あかりちゃん、どこに行くの?」

背後から声がした。

振り返ると、大きな鞄を背負ったサンが立っている。

「決めていない」

「目的地もないの?」

「ああ。この世界のことを、私は何も知らない」

「それなら、一緒に行こうよー✨」

サンが当然のように隣へ並んだ。

「私は魔法を教えられるし、あかりちゃんは私を魔物から守れる! それに、そのカタナの正体も調べたいからね〜」

「断る、ついてくるな」

「次の町には、おいしい焼き菓子があるよ」

「興味はない」

「武器を研究してる人もいるよ」

「必要ない」

「異世界から来た人の記録が残ってるかもしれないよ?」

あかりの足が止まった。

サンが笑う。

「行く?」

「……案内しろ」

「わぁ〜い✨ 交渉成立だね〜!」

「ただし、余計な事はするな」

「それは約束できないよー✨」

「今すぐ村へ戻れ」

「冗談だってば!」

サンが笑いながら走り出す。

あかりは小さく息を吐き、その背中を追った。

腰には、赤いカタナがある。

錆は落ちた。

刃こぼれも消えた。

だが、刀身に染み込んだ赤色だけは変わらない。

過去を消すことはできない。

あかりが斬った者たちは戻らない。

一度悪へ落ちた自分が、誰かを救っただけで許されるとも思っていない。

それでも、生き方は選び直せる。

カタナは正義を知らない。

目の前にいる者が善人か悪人かも判断しない。

誰を斬り、誰を守るのか。

それを決めるのは、いつだって握る者だった。

あかりは赤いカタナへ手を添え、見知らぬ道を歩いていく。

今度こそ、人のために生きるために。

そしていつか。

人のために、この命を終えるために。

二つの月が沈み、異世界に新しい朝が訪れた。


この物語の続き、読みたい?

ということで、今回は異世界へ渡った侍あかりのお話でしたっ✨️

錆を落としても赤いままだったカタナ。

これが魔法なのか、呪いなのか、それとも別の何かなのかは、まだ誰にも分かりませんっ。

物語としてはここでいったん完結だけど、あかりとサンの旅は始まったばかり!

この二人の続きを見てみたいと思ったら、アンケートで教えてねっ🔥

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赤髪のあかり✨️創作で生きるnoteマン 相互フォロー中 わぁ〜!ここまで読んでくれて…本当にありがとう💕 いただいたチップは、ぜ〜んぶ次の記事づくりや有料記事の購入費に使って、またみんなに情報で還元するよ〜✨ 応援がめちゃくちゃ励みになるから、これからも一緒に成長していこうね💖