イカサマグラフにだまされない・・・たぶんパート1
テレビや新聞、広告……そしてついにYouTubeでも見かけるようになった「イカサマグラフ」。
あたしはこんなふうに定義してる。
グラフで示されている数値自体は正確
でも見た目を操作することで、実際とは違う印象を与えている
その印象操作で、見る人をわざと誤解させようとしている
そう、「わざと」やってる。つまり、悪意あり。騙す気まんまん。
これに気づいてから、ワイドショー的なニュース番組は一切信用しなくなった。
あれって、結局「都合のいい世論」をつくりたいだけじゃんっ・・・って、わたし気がついちゃったんだよね。
データはウソをつかない。
ウソをつくのは、人間のほうだ。
というわけで、今日は代表的なパターンをひとつ紹介するね。
グラフの中でもよくあるやつ・・・棒グラフのイカサマ。
イカサマ縦軸操作棒グラフ
よーし、例で示すよ!
講師「わたしはマーケティングの専門家です。皆さん、需要と供給の関係をご存知でしょうか?」
受講生「はい。供給量が多いと値段は下がり、少ないと値段が上がる。だから、生産量を適切に調整すれば、利益が最大化できます。」
講師「そのとおり。では、あなたが生産しているモノの販売量の変化を見てみましょう」

講師「ご覧のとおり、生産量は年々減ってます。つまり、消費者はこれを見て“モノが不足している”と感じ、値段が上がるんです。少しだけ生産量を増やせば、供給過多なのに価格は上がったまま。結果、利益が増えますよ。」
受講生「えっ、そんなに減らしてないはずなんですけど!」
講師「ポイントは縦軸です。データは確かにいただいたそのまま。だから、ウソはついていませんよ。」
タネ明かし
気づいたかな?
縦軸がおかしい。
これ、他にもよくあるパターン。じゃじゃん。

こんなのもむちゃくちゃ多い。
今後はテレビやニュースでグラフが出てきたら、まず縦軸をチェックしてみて。
どっちのグラフも、「ほんのちょっとの差」を「めちゃくちゃ大きな差」のように見せている。
横軸の怪しさにも気がついた?
2025年にこの記事を書いてるとして、2015年とか2020年のデータが「前後2.5年の平均値」だったとすると、2025年のデータってどうやって出したんだ?
ここまで気がついたみんなはイカサマグラフ耐性が高い!
そう、これ、2016~2019年などのデータを消して、2015年とか2020年とかのデータだけを「わざと抜き出してきている」。
こんなことをやるということは、他の年のデータを使うと、生産量が減っているようにはみえなかったんだろうね!
そして実際、すべてのデータを示すとこんなグラフだったのだ。

チャンピオンデータの使用
「チャンピオン」って聞くと、ちょっとカッコいいイメージあるかもだけど──
チャンピオンデータの使用っていうのは、
「自分にとって都合のいいデータだけを抜き出して使うこと」
マーケティング講師のもうひとつの手口、まさにこれ。
この手法、科学の世界では重大な不正行為とされる。
しかも、自分が研究してるときに、悪気なくやっちゃう可能性があるんだよね。
たとえば・・・・・・
「この実験、なんかこの日だけ変な値が出たから外そうかな」
その気持ちはわかる。でも、ちゃんと理由があるときだけ外していい。
「この日は湿度が異常に高かった」
「バッテリーが切れてセンサーの感度が落ちるタイミングだった」
みたいに、納得できる根拠があるときだけなんだ。
あかりの実話:学生時代・・・チャンピオンデータの使用を疑われた!
わたしも、学生時代にやらかしかけた。初めての論文で出したグラフ、投稿時点でなんの説明もなく2点だけデータが抜けてた。

査読者からのコメント:
「この2点だけデータがない理由を、本文できちんと説明してください」
──わっ。思いっきり心臓止まりかけた。
実は、検出器と検出器の継ぎ目で、感度の落ちる場所だったから外してた。
理由はあった。でも……本文にその理由を書き忘れてた。
あぶない。完全にチャンピオンデータの使用って思われるところだった。
そのあと本文に定量的な理由をしっかり追記して、査読者は納得した。でも、このまま出版されてて、誰かにチャンピオンデータの使用だと疑われたりしたら・・・errortum (正誤表)出しても、そこまで読みに行かない読者もいる。本当に危機一髪だった。
この経験があって、サイエンスで「データをどう扱うか」の大切さを身に染みて知った。
チャンピオンデータの使用だと判定された場合
重たい罰則がある。繰り返しになるかもしれないけど、サイエンスの根幹を揺るがす悪質な行為だからだ。具体的には、
論文が掲載取り消し
研究費の応募ができなくなる
博士論文だったら、学位取り消しもあり得る
これくらい、重い。
おわりに
今回は、
他人がイカサマグラフで騙してくるケース
自分がうっかり不正しちゃうケース
この2つの視点で「データのこわさ」を見てきた。
ふだんニュースやSNSで見かけるグラフにも、
「これってほんとうに正しく見えてる?」って、
ちょっとだけ疑う目をもってみてほしい。
そして、自分がデータを使う側にまわるときは、
誤解を生まない伝え方を心がけていこう。
さて、パート2はもう中身は決めてる。
パイチャート・・・そう円グラフだ。
わたしはデータを示すのに使うのを避けてるくらい、悪意がなくても誤解されやすい図。次回考えていこうね!
スキやコメントがあると、あかりはとってもうれしい!
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