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『私が来たからもう大丈夫!』。カードゲームで防災意識を高めよう!避難標識で大型バルーンも。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
2025年3月9日に、岩手県大船渡市で起きた山林火災が鎮圧されて、約1ヵ月が経ちました。

鎮圧をする前に、全国から派遣された消防の方は、地上からはホースを18本繋いで消火活動をしたり、空中でのヘリでは、積む燃料の量や機体の大きさに合わせ、大きなバケツに数百mlの水を入れ、現場に運んで散布していきました。

2025年3月12日時点で岩手県大船渡市の山林火災で被害が大きかった三陸町綾里の全域と赤崎町合足地区では、12日の時点で、トータル903戸の水道水が、断水や水が濁るなどのといった影響で飲み水として使えなくなっています。

大船渡市は給水所を設置していて、近くに住む人が給水袋などに水をくむ姿が見られました。

山林火災は岩手県大船渡市の酪農にも影響を与えています。

大船渡市越喜来の「上甫嶺地区」で肉牛と乳牛、トータル36頭を飼育する男性Aさんは、山林火災の避難指示を受けて避難しました。

36頭の中で19頭は知り合いの酪農家に避難しましたが、残る17頭は避難させる時間がなく、水を飲める様に牛舎を離れました。

避難指示の解除を受けて牛舎に戻って、残っていた牛の状況を確認すると、生き残っていましたが、エサを食べられなかったことなどで、中にはやせ細って立てなくなったり、乳が出なくなったりする、弱った牛もいました。

参考サイト

大船渡 山林火災 900戸余で水道水が飲み水に使えず 断水や濁り NHK NEWS WEB(2025年)

山林火災は鎮火に時間 空中と地上から消火も、特有の難しさ 朝日新聞デジタル(2025年)

日本は地震や雨の被害の多い国ですが、今回の山林火災での被害の規模には、言葉を失いました。

2024年冬から2025年にかけて、空気が乾燥していることで火事も多く、大船渡の山林火災前後にも、他の都道府県でも、山林火災が多く、報告されています。

この記事では、冒頭では火災の話題から始めましたが、火災以外の地震津波が起きた時どうしたら良い?と促す、2つの取り組みを紹介したいと思います。

津波に襲われた街で、取り残されている人がいます。避難所で夜泣きしている子がいます―。そんな場面でどう行動したらいいかを考えて頂くカードゲーム『私が来たからもう大丈夫!』が製作されました。

製作したのは、南海トラフ地震への備えを進める宮崎県の沿岸部、宮崎県門川町にある県立門川高校の探究学習グループ「地域防災班」です。門川町は日向灘に面し、南海トラフ地震では最大12mの津波が想定されています。

遊びを通して子ども達に、自分も誰かを救えることに気付いてくれたらー。そんな想いが託されました。

今回は、『私が来たからもう大丈夫!』の遊び方と、静岡県で実施された【津波バルーンプロジェクト】という災害対策について、発信します。

宮崎県の高校生が開発したカードゲームでできる災害対策とは?

動画・引用:防災カードゲーム「私が来たからもう大丈夫!」実演動画 地理おた部

『私が来たからもう大丈夫!』というゲームでは、カードは問題20枚と解決用のアイテム53枚のトータル73枚で、問題には「日本語がわからない人」「避難中に怪我をした子ども」「親とはぐれた子ども」など、避難所や被災地で困っている人物が描かれています。アイテムの方は、水や薬、食料、医師やレスキュー隊のイラストです。

2~6人の参加者にアイテムを配り、中央に問題を裏返しに積んでゲームが始まります。問題をめくって、参加者が解決に使えそうなアイテムを出し合い、解決策を話し合います。意見が総括されると、次の「問題」に取り組みます。

2025年3月12日のゲームで問題カードで出たのは、「家具の下敷きになった人」で、参加者は「パイプ」や「チェーンソー」など解決に使えそうなアイテムカードを出し合った上で「木製の家具なら切ることができますし、てこの原理で持ち上げられるのでは」などと解決策が出ました。

製作した県立門川高校2年の生徒は、
「災害発生時でも身の回りにあるもので人は助けられると伝えたいですし、カードゲームで楽しく学習し、非常時に活かせられたら」と述べました。

参考サイト

災害の時どう助け合う? 皆で考えるゲーム、先生と高校生がつくった 朝日新聞デジタル(2025年)

門川町の高校生が防災カードゲームを製作 宮崎 NEWS WEB(2025年)

それ以外の災害対策とは?

画像引用・参考:鈴与㈱、エスパルスドリームプラザでバルーン型避難標識の自動掲揚試験に協力 PR TIMES(2025年)

2025年3月12日、東日本大震災の教訓を踏まえ、大地震により津波が発生した時に避難場所を理解しやすく伝えるため、大型バルーンを「避難標識」として活かした実証実験が、静岡県静岡市清水区で実施されました。静岡県静岡市にある物流大手「鈴与」が東北大学の学生などと連携して実施し、今後2年を目処に実用化に向けた検証を加速させていきます。

静岡県では南海トラフ巨大地震が発生した時に、甚大な被害が想定されていて、一人でも多くの命を救おうとするのが狙いで、2022年から東北大学の学生が【津波バルーンプロジェクト】として開発に励んでいます。

地震発生時に一定基準以上の揺れや気象庁からの津波情報などを探知し、バルーンが自動的にヘリウムガスで膨張して上空に上がるメカニズムです。住民以外にも、土地鑑のない観光客、海外の方などにバルーンが避難場所を視覚的にも、迅速に知らせる目印になることに期待が託されています。

「鈴与」グループ会社が運営するエスパルスドリームプラザの屋上で一部の動作試験が実施されました。「鈴与」では「近くに港があって、どこに避難場所があるか分からない観光客の方もいて、毎日の生活で災害への備えは必要だと言えます。これからも東北大学と連携し、実用化されれば導入を検討していきたいです」と説明しました。

実験では、東北大学大学院工学研究科の学生などが仙台市から運んできたものを使いました。ヘリウムガスを入れた幅2.1m、高さ1.3mの緑色のバルーンがおよそ1時間、高さ30m付近まで上昇しました。

上空に揚がるまでに15分程度要して、目標の3分を大幅にオーバーしてしまい、新しい課題も見えてきました。

近い将来、実験データを踏まえ、VR(仮想現実)などを用いて実験を繰り返し実施し、【津波バルーンプロジェクト】の精度を高めていきたいといいます。

東北大学研究科土木工学専攻の男性Bさんは、
「現代のデジタル社会の中では、【津波バルーンプロジェクト】は、比較的アナログなやり方だと思いますが、災害発生時の電力やネットワークが不安定な時にアナログなやり方が効果を発揮する可能性は十分あると考えています。災害に対してより円滑に機能できるのではないでしょうか?

【津波バルーンプロジェクト】が実現すれば多くの人の命を救えるはずです。実験で出た課題を修正し、実用化できる様に励みたいです」
と言葉を込めました。

参考サイト

津波避難場所を伝える大型バルーン、基準以上の揺れで自動的に上空へ…観光客向け目印としても期待 読売新聞(2025年)

「アナログな手法に可能性」津波避難ビルの場所を『バルーン』で伝えるプロジェクト 災害の犠牲者を減らすために...東北大学の学生たちが取り組む TBS NEWS DIG(2025年)

津波バルーンプロジェクト※学友会非公認 東北大学 学友会

冒頭の大船渡の山林火災に話を戻します。

2025年2月26日に岩手県大船渡市で発生した山林火災は、市の面積の9%に該当する約2900ヘクタールを焼失し、76棟の住宅が全壊しました。

鎮圧するまでに、ヘリには様々な制約もありました。飛行速度が遅く、風もない時には、大量の水を散布すると、水が塊となって落ちるため、消防隊員が活動したり、下に民家があったりするエリアへの散水はできません。

風の強さによっては、散布した水が霧状になることで、目標に的中させるのが困難で、かつ安全上のため、日没以外にも、霧が濃い日や風が強い日には活動できませんでした。

その上で、消火に海水も使うこともありますが、機体が浴びた海水はサビの原因にもなって、機体の整備のため、次の出動までに時間を要しました。

地上では消防車が放水し、民家などへの延焼を阻止しました。隊員がタンクを背負って、消火することもありましたが、火の勢いが強い時には、退避しながらの活動となりました。

2025年3月12日現在、新たな延焼はなく「鎮圧」が宣言されていますが、サーモグラフィーで感知された「熱源」に向けて消防ヘリなどからの放水が進められています。

自宅が被災した人など約200人が避難生活を余儀なくされています。

一部の地域では通信などライフラインへの影響も続いていて、生活などの再建に向けた支援が課題となっています。

また、ペットを一緒に避難所まで飼い主が避難させられない問題もありました。有志の行動もあって、大船渡保健所が相談窓口(0192-27-9923)を設置し、岩手県雫石町にある「動物いのちの会いわて」が支援や保護に対応するシステムが1日に整いました。

参考:山林火災、ペット置き去りにせざるをえず避難 避難所でもペット問題 朝日新聞デジタル(2025年)

私の家で飼っていた愛犬が亡くなって、4年が経とうとしていますが、飼っている時はずっと、「災害が起きた時、どこに預ける?」はずっと家族間で問題となっていましたし、コロナ禍があった時も、「自分たちが入院したらどうしたら…」の問題も心配していました。

大船渡の山林火災など、改めて災害発生時にどうしたら良いかを突き付けられた現実となりました。

地震なども、30年以内に起こると想定されるものが幾つもあります。そんな時に、【津波バルーンプロジェクト】だったり、カードゲームが大いに、非常時、役に立つのではないか?と、確信しました。