慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)。がん化と炎症性疾患がある疾患。闘病した声優さんの名を冠した医学賞「松来未祐賞」を創設。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事は慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)がテーマです。まず、説明をしたいと思います。
「慢性活動性EBウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection、CAEBV)」とは、極めて珍しく、治療が困難な疾患です。発症に関する詳細なメカニズムは未解明のまま。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は小児慢性特定疾病対策の対象疾患で、2016年には厚生労働省より診療ガイドラインも出されています。
EBウイルス(エプスタイン・バールウイルス;Epstein-Barr virus)はヘルペスウイルス科の仲間で、1964年にバーキットリンパ腫というアフリカで主に確認された小児腫瘍から見つかった、ヒトがんウイルスの第1号です。
白血病の白血球の1つであるリンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞の3種類があります。EBウイルス一般的に唾液を介して初めて感染しますが、小さいお子さんでは唾液を介して親御さんからお子さんに移っても不顕性感染という無症状がほとんどで、発熱や肝機能異常の症状を一時的に出現させる伝染性単核球症を発症するのは、ほぼ思春期以降。その時EBウイルスはB細胞に初めて感染し、急性期を過ぎても身体内から排除されることなく、生涯に渡りB細胞に潜伏感染します。
ヒトには免疫力が備わっているので、EBウイルスに感染したB細胞が再度直接病気になることはありません。ですが、極めて珍しいケースでは悪性リンパ腫などを発症する場合があります。
EBウイルスは、リンパ球の中でもB細胞と言われる細胞に感染しますが、何かしらの原因でB細胞以外はNK細胞かT細胞という違うリンパ球にまで感染・増殖する時があって、免疫力の低下で慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を発症。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の発症には複数の要因が関わっていて、免疫力低下や加齢もその1つ。
その後の研究成果からEBウイルスはほとんどのヒトに感染していることが明らかとなり、日本でも5歳頃までに約50%の人が、そして20歳以上では約90%から95%の人が感染しています。
主に小さいお子さんの時期や思春期に、唾液を介して喉に感染します。初期症状として炎症症状に関わる全身のだるさや発熱などのインフルエンザや風邪みたいな症状が出現。
感染直後はヒトによって、食器や眼鏡の共有、くしゃみや咳による飛沫、濃厚な接触で、キツい喉の風邪にも似た、重度の喉の痛み(白い膿)、38℃以上の高熱、頸部リンパ節の腫れ、脾臓や肝臓の腫れの肝脾腫(かんひしゅ)、倦怠感などの症状がある伝染性単核球症(でんはんせいたんかくきゅうしょう、通称:キス病)を発症する時があります。
伝染性単核球症には、特定の治療法がなく対症療法をします。一般的に、およそ4週間から6週間程度で自然治癒しますが、伝染性単核球症は極めて珍しく数ヵ月間症状が継続し重篤となるケースもあり、その時は慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)だと診断。
極めて珍しいことですが、EBウイルスがNK細胞かT細胞に感染する時もあります。すると伝染性単核球症に類似の症状が出現する疾患が、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)でした。両者は症状が似ていても全く違う病気。また昔は小さいお子さんの病気と言われていましたが、今では大人を含む全年齢層で慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を発症し得ることが明らかになってきました。
本来NK細胞、T細胞は、身体に侵入してくる様々な病原体を直接攻撃したり、発熱や炎症が起きる原因の1つのたんぱく質の「サイトカイン」という物質を出すことでマクロファージという免疫担当細胞を刺激し、感染した細胞や病原体を食べて貰える貪食(どんしょく)で、身体を守ってくれる力強い細胞。一度腫瘍としての性質を持つと、さらにリンパ球を活発にし、炎症の症状も出ます。
そして、NK細胞やT細胞が腫瘍になると増殖する以外にも、働きが活発になり、サイトカインが生み出され、発熱やだるさなど、色んな炎症症状が出現。その上、EBウイルスが感染した細胞自身や、それ以外のリンパ球の働きも強化し、活発にします。膠原病や感染症の時みたいなリンパ節の腫れや発熱という強い炎症反応が出現し、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は、炎症性疾患としての性質と腫瘍としての性質を持っていることが大きな特徴。
理由は明らかではなくても地域性も懸念され、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は単なる感染症ではなく、免疫学的異常を原因とする「リンパ増殖性疾患」と捉えられます。「リンパ増殖性疾患」は、リンパ系細胞が必要以上に増殖する疾患。
日本を始め、東アジア(韓国、中国北部など)アジアの小さいお子さんや児童、若い世代に多くの慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の患者さんがいます。逆にヨーロッパやアメリカでの慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の症例は少なく、また発症の形式や症状が日本と違います。
日本では年間10~20例程度(平均23.8人/年、2005~2009年)の発症が報告され、男女差はなく、年齢別に見ると6〜10歳が1番多く、11〜15歳、16〜20歳がそれに続く、小児・若年成人という若い世代に多いと考えられてきましたが、最近では30歳以上の患者が増加。2009年の報告ではおよそ3割が診断時に40歳を超えて、必ずしも若い世代の病気ではありません。慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の全ての患者の人数は1000人程度と推定。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を発症するのは、1年でおよそ40人から100人と想定されています。
治療をしなかったり、対症療法で落ち着く時もありますが、根本的な治療をしない限り再燃を繰り返し、急変、または悪性リンパ腫や白血病化により、数年以内でおよそ50%の人が、十数年以内にほぼ全ての人が亡くなる可能性があります。
自然軽快したケースのデータもありますが例外的で、成人期以降では進行がおよそ2倍速いとも言われています。
日々の暮らしで効果のある特別な予防法は確立していません。気になる症状が3ヵ月以上継続したり、繰り返す時は、血液内科などの専門医療機関で評価を受けることが大事です。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は、病院での認識がそれほど高い疾患ではなく、確定診断が出るまでに長い時間をかかる時も。
今回は、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)で亡くなった声優さんの名前を冠した医学賞が作られたこと、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)全体に触れていきます。
2026年3月13日、
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)をメインテーマとした国際会議「第1回CAEBV国際シンポジウム」が、2026年3月20日・21日に開催されることを受け、2015年に慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)で亡くなった声優の松来未祐さんの名前を冠した医学賞「松来未祐賞」が創設されることが明らかになりました。医学賞「松来未祐賞」は、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の研究の未来を担う若手研究者のサポートが目標です。
松来さんは、アニメ[ふたりはプリキュア Splash☆Star]チョッピ役、[這いよれ! ニャル子さん]クー子役、[蒼穹のファフナー Dead Aggressor]羽佐間翔子役、[ハヤテのごとく!]鷺ノ宮伊澄役、[ひだまりスケッチ]吉野屋先生役などを担当していた声優で、2015年に38歳の若さで慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)で亡くなりました。
医学賞「松来未祐賞」創設に関して、所属事務所の81プロデュースは「3月20日・21日に慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)をメインテーマとした国際会議「第1回CAEBV国際シンポジウム」が開催されることになって、この度[松来未祐]の名前を冠した医学賞ができる運びになりました。開催にあたりご支援頂きました皆様、誠にありがとうございました」と述べました。
また、第1回CAEBV国際シンポジウム会頭・新井文子氏は「シンポジウムでは医学賞「松来未祐賞」を創設する運びと致しました。松来未祐さんは、日本のアニメ作品で沢山の魅力的なキャラクターを演じ、沢山の人々に愛された声優でした。しかし2015年、38歳という若さで慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)で亡くなられました」と語りました。
「生前の松来さんは、同じ慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)に苦しむ患者さんのために『治療法を開発して欲しい』という強い願いを抱いておられました。その想いは、今もファンやご友人の皆さまの中に受け継がれています」と経緯を話しました。
次に「今回、シンポジウム開催にあたりクラウドファンディングを介してご寄付を募ると、100名を超える松来さんのファンの方々から温かいご支援を頂きました。皆様からは『慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を治る病気にして欲しい』『慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の問題を解決して欲しい』という強いメッセージが寄せられました」とし、「この様な想いを未来に繋ぐために、頂いたご寄付の一部を活用し、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の研究に励む意欲のある若い研究者のシンポジウム参加費用を助成する賞として医学賞「松来未祐賞」を創設致しました。現在選考中で、シンポジウム当日に発表を予定しております」と述べました。
最後に「医学賞『松来未祐賞』が、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の治療の発展と理解を担う新しい研究者たちを激励し、松来未祐さんの願いであった『慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を完治できる病気にする』未来へと繋げることを願っております」と挨拶をされました。
参考:声優・松来未祐さんの名前を冠した医学賞が創設 「CAEBVを治せる病気にする」未来へ繋げる願い オリコンニュース(2026年)
ここからは、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)はどんな疾患なのかに触れていきます。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)とは、どんなことが原因で発症しますか?
主な症状

画像引用・参考:慢性活動性EBウイルス感染症 メディカルブレイン
倦怠感、間質性腎炎、消化管潰瘍、発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害の発症で壊れたことで血液中に漏れ出るたんぱく質である質血中肝酵素が上がることや肝細胞に脂肪肝が溜まり、炎症・腫瘍などで肝臓が正常より腫れ上がった状態の肝腫大(かんしゅだい)、肝動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)、間質性肺炎、皮膚に出現するブツブツ、赤み、あざ、水ぶくれ、湿疹などの皮疹(ひしん)、肝硬変や感染症、血液疾患などが起因となり、一般的には握り拳位の脾臓が正常よりも大きく膨らんで盛り上がる状態の脾腫(ひしゅ)、肺高血圧、血中肝酵素上昇、心臓弁膜症、ぶどう膜炎、口の粘膜にできる直径3〜10mmの白っぽい円形潰瘍で、周りが赤い口腔内アフタ(アフタ性口内炎)、慢性化した肺炎などを認めます。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は適切な治療を受けない限り、症状の再発を繰り返します。慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)では、病状の進行悪化や急変が多く認められます。
原因
伝染性単核球症と同じEBウイルスが原因ですが、感染ウイルス量が100〜1000倍以上多いことが特徴で、始まりは1個の感染細胞から来るがんと同じ同一性の感染です。
合併症
・血球貪食症候群
・多臓器不全
・悪性リンパ腫
・種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)
・蚊刺過敏症(蚊アレルギー)
など
急変の代表なケースは、臓器障害や組織障害の肝不全、肝硬変、心不全、腎不全などの多臓器不全、血液中の白血球、赤血球、血小板の3種類全てが同時に減少する状態や汎血球減少(はんけっきゅうげんしょう)と高い熱を伴う血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん、別名血球貪食性リンパ組織球症)です。
蚊に刺されると潰瘍やただれ、水ぶくれ、全身反応(リンパ節腫大、発熱など)を伴って、蚊の分泌物にリンパ球が反応し過ぎて、傷跡を残して治癒する重症蚊刺アレルギーに。発熱は解熱剤では下がらず、数日継続する日もあります。
同じ様な反応が主に小児の手の甲や顔など紫外線に当たる部位に、種痘(天然痘ワクチン)の跡に似た水ぶくれと傷跡、かさぶたを繰り返す稀な光線過敏症の重症型種痘様水疱症も。外傷や感染症などが引き金となり、免疫細胞が暴れ出す「サイトカイン」と言われる炎症物質を過剰に放ち、全身で異常な炎症が起きる状態のサイトカインストーム症候群によるショックで感染症にかかりやすくなります。皮膚に浸透したEBウイルス感染のNK細胞とT細胞が活発となって発症することが判明し、慢性活動性EBウイルス感染症の類縁疾患と想定。それ以外にも消化管の壁へ慢性化して繰り返し起こる下痢や消化管潰瘍、腸の血管が働かないために出血(血便)、心臓や大きな動脈の壁に浸透を認める時もあります。
腎炎、血管炎という血管の障害が起き、血管が詰まりやすくなる場合も。心筋梗塞、心内・外膜炎や脳炎、末梢神経障害、心筋炎もあります。
悪性度が増えると、白血病や悪性リンパ腫、軟部と言われる身体の軟らかい部分に発生する横紋筋腫瘍(おうもんきんしゅ)など多種多様な血液のがんと診断される場合に至ります。
感染経路
小さいお子さんの時期では保育所などの施設や家庭内での感染、思春期以降では異性間の交流が主に感染経路です。
1回感染すると、生涯「Bリンパ球」という血液細胞に潜伏する「潜伏感染」です。
診断基準
EBウイルスの1番一般的な検査は、EBウイルスに対する身体反応を見る、❶検査値抗体価検査です。
抗体とはEBウイルスが身体内に侵入した時に、ウイルスと反応するものの総称で免疫のベース。慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を発症すると抗体が異常に多く作られます。
抗体検査では、EBウイルスに感染したかどうか判断するための「EBV抗体価」という値を測定。健康保険が適用されるため自己負担は3割。
抗体価が判明し、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)が疑われる時は、次に一般的な無症状の人を対象に、その病気の疑いのある人を発見することを目的に行う❷「DNA定量検査」という、EBウイルスが増加しているのかどうか血液中のEBウイルスのDNA量を解析しますが、「DNA定量検査」だけで慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と診断することはできません。慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と診断するためには、EBウイルスの検査を実施する必要があります。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断書は、血液中のEBウイルスのDNA量が 102.5コピー/μg以上になります。
倦怠感や発熱、リンパ節が腫れ上がる症状や、「DNA定量検査」で認められた肝機能障害などが長引いたり繰り返すす時、医学的に説明がつかなければ、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の可能性を疑うことになります。
「DNA定量検査」には健康保険が適用されず、2万円程度の費用は全額自己負担です。
EBウイルスの増加が確認され、さらに慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の疑いが強まった時、❸「リンパ球検査」という、どの細胞に感染しているのか(Bリンパ球、NK細胞、T細胞)を解析します。もし異常な高値であれば、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断に近付いていきます。
❶、❷の検査は普通の病院で検査ができますが、❸は特殊な検査のため一部の施設でのみ実施。検査費用は研究機関が負担することなので、検査費用は無料です。
2022年に厚生労働省研究班が作成した慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断基準では、以下を全て満たすことが必要です。
・伝染性単核症に類似した症状が3ヵ月以上続く・繰り返す(首のリンパ節の腫れ、肝脾腫、37.5度以上の発熱など)
・末梢血や組織でEBウイルス量が多いことを確認
・虫や蚊に刺された後の皮膚が水ぶくれになり発熱を伴う
・NK細胞かT細胞にEBウイルスに感染していることを証明
・手足や顔が日光に当たると水ぶくれになる
・リンパ節・肝臓・脾臓の腫れや発熱などが続き、それ以外の疾患では説明できない(若年性関節リウマチ、免疫不全、リウマチ熱、自己免疫・炎症性疾患、川崎病、急性リンパ性白血病、膠原病、それ以外の悪性リンパ腫などを除外)
EBウイルス感染症研究会が提唱している慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断基準では、
①EBウイルス抗体価の異常、EBウイルス量の著しく増えていること
②既に知られているリウマチ性疾患や免疫不全症が否定されること
③長引く伝染性単核球症様症状が認められること
の3点が大事です。
初期症状が伝染性単核球症や一般的な感染症などに類似し、それ以外の疾患と判別することが大事です。
検査方法
一般的な病気は、組織(臓器)に存在します。慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)で病気のリンパ球がよく浸透する部位は肝臓と皮膚です。
主に血液を用いて、遺伝子配列の検索(リアルタイムPCR)、EBウイルスへの抗体の検索、EBウイルス特有のEBウイルスの産生するたんぱくの染色による感染細胞の検索を実施。リアルタイムPCRは、どの位の量のEBウイルスが身体内に存在しているかを検索することができます。
また、本来EBウイルスはB細胞に感染することが多くても、慢性活動性EBウイルス感染症ではB細胞以外の細胞に感染。慢性活動性EBウイルス感染症を診断するためにも、EBウイルスが感染している細胞を確定することは必要。
肝機能障害が続けば、肝臓を生検(メスや太めの針で臓器の一部を採取し、顕微鏡で観察する病理検査)をします。皮膚は見ただけで慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断に近付くことも、消化管や皮膚でも生検ができます。しかし、この場合でも慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を疑う必要があります。疑って初めて、EBウイルスを染め出す病理検査も実施する時になります。NKリンパ球かTリンパ球が組織中に多く認められ、NKウイルス球かTウイルス球にEBウイルスが認められれば、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と確定診断されます。
ここ数年は、血液検査からでも慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断を確定できる様になりました。血液中のEBウイルスの量が多いと、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断に近付きます。その上、特殊な技術でリンパ球をNKとTとBに分け、NKリンパ球かTリンパ球の中にEBウイルスが認められれば、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と確定診断されます。ですが、これらの血液検査は日本の保険制度では認められていない検査です。
また、CTや超音波などの画像検査、骨髄検査、消化管や皮膚の生検、サブセットというリンパ球の分類、免疫グロブリン、肝機能検査など。
参考サイト
慢性活動性EBウイルス感染症の治療 地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪母子医療センター
CAEBVについて 慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)ポータルサイト
CAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症) 聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科
世界初のアプローチによる慢性活動性EBウイルス感染症のメカニズム解明 千葉大学大学院医学研究院・医学部 千葉大みらい医療基金
慢性活動性EBウイルス感染症 メディカルノート(2017年)
慢性活動性EBウイルス感染症の原因、感染経路、症状、治療 蚊が関係?再発や予防可能性は? AskDoctors(2016年)
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の治療法とは?
EBウイルスに感染したNK細胞やT細胞を根絶させる治療薬は、まだ開発されていません。
抗ウイルス療法(アシクロビル、ビダラビン、ガンシクロビル)、免疫療法(IFN-α、γグロブリン大量療法、IL-2)、細胞療法、悪性リンパ腫に準じた抗がん剤の免疫抑制療法(サイクロスポリンA、ステロイド、エトポシド、デキサメサゾン、シクロスポリンA)、CHOP療法などの化学療法など、色んな治療法が試みられているが効果は十分ではありません。
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を治せる様にするためにはEBウイルスに感染し、腫瘍の性質を持った、または持ちつつある細胞を根絶する必要があります。リンパ腫と同じ様に、複数の抗がん剤をかけ合わせた化学療法を実践しますが、抗がん剤が効きにくいことが判明してきました。
これらの治療法はある程度有効ですが、その効果は一時的で、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)を完治することには至りません。
現段階では唯一の根治療法は造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植、骨髄移植)で、基本的には年齢を問わず受けることができますが、成功率はおよそ50〜70%と低く、移植を受けられる患者さんは限定されています。
特に、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)が進行した後では、造血幹細胞移植の成功率がさらに落ちます。
白血病・悪性リンパ腫・血球貪食症候群や臓器合併症などの急に転じることが起こりやすく、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診断がつき次第、造血幹細胞移植をすることを前提にすることが検討されています。
「造血幹細胞移植(ぞうけつさいぼういしょく)」とは、化学療法などを行い、血液細胞が壊れてしまった後、ドナーから提供された造血幹細胞を投与するやり方です。造血幹細胞移植は、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の完全な治療法として確立されているわけではなく、治療数も実情は少ないですが、2010年時点、造血幹細胞移植をした後3年後の生存率は90%という結果が治療実施機関からデータされています。
患者さんの健康なリンパ球や血球も失われてしまいます。その後にドナーから、骨髄の中にある造血細胞を一部頂き、点滴で投与します。点滴した細胞からはリンパ球や血球が作られ、2〜4週間で初期回復し、2〜4ヵ月で退院できる様になり、平均すれば2〜4年で元通りの暮らしに完全復帰できます。
造血幹細胞移植で大事なことは、ドナーから提供された血球やリンパ球のベースになる造血細胞が根づくこと。造血細胞は、腰骨などの内部にある骨髄に沢山含まれています。今は赤ちゃんのへその緒から胎盤の造血細胞や血液中も利用できる様になり、治療法が伝わり、造血細胞移植と言われる様になりました。
ここまで慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)について観て来ました。私は慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)ではないですが、小学生の頃に大好きだったアニメの声優さんがとある疾患で闘病の末に亡くなりました。
思い入れがある、笑顔や幸せになれたそのアニメ。声優さんが亡くなることは、フルキャストがまた揃って、新作アニメだったり、続編で観られない。もうあの声が聞けない。
凄く悲しい...。
これだけかなり重大な疾患にも関わらず、ほとんど知られていない慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)。
医学賞「松来未祐賞」が作られ、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と闘い続けた松来未祐さん。
本当にこの医学賞「松来未祐賞」を体現できる様に、まだまだ未解明な慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)が少しでも研究が進み、仮説ではなく具体的にどういう疾患がハッキリ分かる時代が来て欲しいですー。
