ショートショート 「ショウガナイ」 #風まかせ文芸部 #思い出
「あんな〜」
「どないしたん?」
「昨日マッサージチェアで揉まれながら丸い蛍光灯を見上げてたら…思い出だしたわ〜」
「何を?」
「わいUFOに誘拐されたことあるわ〜」
「んなわけあるかい!」
「ほんま、ほんま。ここ見て切開した跡あるやろ?」
「それ虫垂炎やん。前に俺に『もう腸が無ェ〜』ってしょーもないギャグ言ってたで?」
「そやったかの〜…、あぁ〜、今、脳内でパカッて扉が開いたわ〜、思い出だしたわ〜」
「今度はなにぃ〜?」
「わい…お前にいつも助けられてきたわ…」
「え?あぁ、まぁ、そうやな…同じ釜の飯食って苦労してきたからのぉ…っていきなりどないしてん?まぁ、そもそもなんや…思い出すこともないけどな…当たり前やがな、相方やし。困ったことは相談のるさかいな…何でも言うてや。」
「じゃ、お金貸してぇ〜!」
「もうしょうがねぇな〜…ってなるかボケェ〜!」
「あ、思い出だした!!」
「何や!」
「薬味買い忘れた…、生姜無ぇなぁ…」
「はい、コレ…」
「お徳用しょうがチューブやん!ええの貰って?」
「おう、お前昨日狂ったように生姜生姜言ってたからな…そういう時は大抵忘れるなって思い出してん。買っといたわ」
「ありがとう。…でも小じゃねぇなぁ…」
「あ!?」
「すぐ使い切れないと、乾いて変色しちゃうやん?」
「思い出したわ…」
「何を?」
「お前…UFOにさらわれて盲腸がねぇ奴やったわ…」
完
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