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アイドルの女の子は、その辺のカメラマンより写真の組み方がうまい話

アイドルの女の子がXやInstagramに載せる写真を見ていると、ときどき驚くことがある。

一枚一枚を見れば、もっとピントの合った写真もある。
もっと光がきれいな写真もある。
カメラマン目線では、別のカットを選びたくなることもある。

それなのに、投稿全体として見ると妙に完成度が高い。

一枚目で目を止めさせ、二枚目で雰囲気を変え、三枚目で少し距離を縮め、最後に笑顔や自然な表情を置く。

この組み方が、その辺のカメラマンよりよっぽどうまい。


カメラマンは「一枚の完成度」を見やすい

カメラマンが写真を選ぶとき、どうしても一枚ごとの完成度を見てしまう。

ピントが合っているか。
構図が整っているか。
背景がうるさくないか。
光がきれいに回っているか。
レンズの描写が生きているか。

もちろん、それは大切なことだ。

ただし、一枚ずつの写真を厳しく見すぎると、投稿全体の流れが弱くなることがある。

似たような表情ばかりを選んだり、すべて正面の強い写真で固めたり、完成度の高い写真だけを並べた結果、少し息苦しい組み写真になる。

一枚ずつはうまい。
でも、まとめて見ると単調。

カメラマンが作る組み写真には、そういうことが意外とある。


アイドルは「自分がどう見えるか」を知っている

一方、アイドル本人は、写真の技術とは別の部分を見ている。

自分の顔がきれいに見える角度。
ファンが好きな表情。
衣装がよく見えるポーズ。
少し笑った顔と、真顔の使い分け。
あえて視線を外した写真の効果。

自分という被写体を長く見ているから、自分の見せ方をよく知っている。

撮影者が「作品として良い」と思う写真と、本人が「ファンに刺さる」と思う写真は、必ずしも同じではない。

カメラマンは光や構図を見る。
本人は、自分がどう受け取られるかを見る。

この差はかなり大きい。


一枚目に何を置くかを分かっている

SNSの写真は、一枚目がとても重要になる。

一枚目で興味を持ってもらえなければ、二枚目以降は見てもらえない。

アイドルの女の子は、この感覚をよく分かっている。

必ずしも一番整った写真を最初に置くわけではない。

目線が強い写真。
表情に引っかかりがある写真。
衣装や場所が一瞬で伝わる写真。
少し意外性のある写真。

技術的な完成度よりも、まず人を止める力を優先する。

カメラマンが二枚目や三枚目に置きそうな写真を、迷わず一枚目に持ってくることがある。

そして実際、その判断が正しい。


表情の流れを作るのがうまい

四枚の写真をすべて笑顔にすれば、明るい投稿にはなる。

ただ、それだけでは記憶に残りにくい。

真顔。
横顔。
少し笑った表情。
最後に大きな笑顔。

こうして表情に変化をつけると、投稿の中に小さな物語が生まれる。

見る側は、ただ四枚の写真を見るのではない。

少しずつ距離が近づいていくような感覚を味わう。

アイドル本人は、写真を作品として並べるというより、ファンとの距離感を調整しながら並べているのかもしれない。

だから組み方に温度がある。


完璧ではない写真も残す

カメラマンは、少しブレた写真や、髪が乱れた写真、表情が崩れた瞬間を外しやすい。

しかし本人は、そういう写真をあえて入れることがある。

技術的には完璧ではない。
でも、その場の空気が残っている。

笑う直前。
振り向く途中。
少し照れている瞬間。
撮影の合間に力が抜けた顔。

そうした写真が一枚入るだけで、整ったポートレートの並びが急に生きたものになる。

写真の完成度ではなく、本人らしさを優先している。

これができるのは強い。


写真ではなく「投稿」を作っている

カメラマンは写真を作る。

アイドルは投稿を作る。

この違いなのだと思う。

どれだけ一枚の写真が優れていても、SNSでは前後の写真との関係で見え方が変わる。

強い写真のあとに、やわらかい写真を置く。
全身のあとに、顔のアップを置く。
作り込んだ表情のあとに、自然な笑顔を置く。

写真そのものだけではなく、見る順番まで含めて作品にしている。

これは撮影技術とは別の編集能力だ。

そして、その編集能力に関しては、毎日のように自分の写真を投稿しているアイドルのほうが、経験値が高いことも珍しくない。


カメラマンは本人の選び方から学べる

撮影データを渡したあと、本人が選んだ写真を見ると驚くことがある。

なぜ、この写真を選んだのか。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、一番笑顔の写真を最後に置いたのか。

そこには必ず理由がある。

カメラマンから見ると見落としていた魅力を、本人はきちんと見つけている。

もちろん、すべて本人の選択が正しいとは限らない。

ただ、カメラマン側も「自分のほうが写真を分かっている」と決めつけないほうがいい。

撮影者は写真の技術を知っている。
本人は自分の魅力と、ファンの反応を知っている。

両方の視点が合わさったとき、写真はもっと強くなる。


自分という被写体を編集する能力

アイドルの女の子の写真の組み方がうまいのは、単にSNS慣れしているからではない。

自分という被写体を、どう見せれば魅力が伝わるかを理解しているからだ。

どの表情を入口にするか。
どこで空気を変えるか。
どの写真で距離を縮めるか。
最後にどんな余韻を残すか。

そこまで考えられている。

一枚の写真を完成させる能力と、複数の写真を組み合わせて人の感情を動かす能力は別物だ。

後者については、アイドルの女の子のほうが、その辺のカメラマンよりよっぽどうまいことがある。

だから写真を撮る側も、本人が選んだ写真を軽く見ないほうがいい。

そこには構図やピントとは別の、見てもらうための写真術が詰まっている。

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