中古カメラ、中古レンズの購入で怪しい業者を見抜く方法
中古カメラや中古レンズを探していると、個人出品のように見えて、実際には大量の商品を仕入れて販売している業者らしきアカウントに出会うことがある。
業者であること自体が悪いわけではない。
中古カメラを専門的に扱い、検品基準、返品対応、保証内容を明確にしている業者であれば、個人出品より安心して購入できる場合もある。
注意したいのは、実質的には業者であるにもかかわらず、個人の不用品処分を装い、責任の所在を曖昧にしている出品者である。
出品数と商品の統一感を見る
まず確認したいのは、現在出品している商品の数と内容である。
個人が趣味の機材を整理している場合、同じメーカーやマウントのカメラ、レンズ、アクセサリーがまとまって出ていることが多い。
たとえば、ソニーのカメラ本体、Eマウントレンズ、対応バッテリー、カメラバッグなどが並んでいれば、一式を整理している可能性が高い。
一方で、キヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、ライカ、オールドレンズなど、関連性の薄い商品が数十点、数百点と常時出品されている場合は、仕入れて販売している業者や転売目的の出品者である可能性が高い。
もちろん、業者だから避ける必要はない。
その場合は、個人出品者を見る基準ではなく、店舗として信頼できるかという基準で判断したほうがよい。
古物商許可番号や事業者情報を確認する
中古品を仕入れ、継続的に販売している古物商は、インターネット取引を行う際、氏名または名称、許可を受けた公安委員会、古物商許可証番号などを表示する必要がある。営利目的で反復継続して販売する場合は、法人だけでなく個人でも特定商取引法上の販売業者に該当する場合がある。
大量の中古カメラを継続的に出品しているのに、プロフィールに店名、運営者情報、古物商許可番号、返品条件などが一切書かれていない場合は注意したい。
反対に、実店舗名、所在地、電話番号、古物商許可番号、保証内容、返品方法まで確認できる出品者は、少なくとも責任の所在が分かりやすい。
ただし、古物商許可番号が書かれているだけで全面的に信用してはいけない。
店名や許可番号を検索し、公式サイトや実店舗情報と一致するかも確認したい。他店の情報を勝手に掲載している可能性もゼロではないからである。
「個人出品です」を強調しすぎる人にも注意する
大量の商品を販売しているにもかかわらず、
「個人出品なので保証できません」
「素人なので詳しいことは分かりません」
「専門的な質問には答えられません」
「返品や苦情には対応しません」
と繰り返し書いている出品者もいる。
本当にカメラに詳しくない個人出品者である可能性もある。しかし、毎週のように中古カメラやレンズを大量出品しているのであれば、「素人なので分からない」という説明には違和感がある。
都合のよい部分では中古相場を熟知した価格を付け、状態について聞かれたときだけ素人になる出品者は避けたほうが無難である。
商品説明の文章を検索してみる
不自然に整った商品説明や、どこかで見たような文章が使われている場合は、特徴的な一文をコピーして検索してみる方法もある。
同じ文章が別の出品者の商品ページや中古カメラ店のページに表示された場合、説明文をそのまま転載している可能性がある。
Yahoo!オークションでも、商品画像や商品説明の盗用・無断転載に関する案内が設けられている。つまり、画像や文章の転載は実際に発生している問題である。
文章だけでなく、商品写真も画像検索してみたい。
同じ写真が別のオークション、海外サイト、中古カメラ店の商品ページで使用されている場合、現物を持っていない可能性がある。
現物を持っているか確認する
疑わしい出品では、質問欄から追加写真を依頼する方法がある。
たとえば、
「マウント部分の写真を追加できますか」
「シリアル番号の一部が分かる写真をお願いします」
「絞り羽根を閉じた状態の写真をお願いします」
「レンズを斜めから照らした写真を見せてください」
など、その個体を実際に持っていなければ撮影しにくい写真をお願いする。
質問に対して具体的な回答が返ってくれば、現物を確認している可能性は高くなる。
一方で、
「倉庫にあるため確認できません」
「梱包済みなので写真は追加できません」
「専門部署が管理しているため分かりません」
などの回答しか返ってこない場合は、その個体を十分に検品していない可能性がある。
メルカリは手元にない商品の出品や、別のECサイトから購入者へ直接発送する行為を禁止している。Yahoo!オークションでも、現物が手元にない状態での出品や、同じ商品を複数の場所へ同時出品する行為は禁止されている。
同じ希少レンズを何度も出品していないか
流通量の少ないレンズなのに、同じ出品者が似た状態の商品を何度も販売している場合も確認が必要である。
単に在庫を複数持っている中古業者であれば問題はない。
しかし、写真、説明、シリアル番号が毎回同じである場合は、同じ商品を繰り返し掲載していたり、他店の商品を在庫があるように見せて出品していたりする可能性がある。
過去の取引履歴までさかのぼり、商品写真や説明文が毎回同じではないかを見ると判断しやすい。
写真の撮り方から分かることもある
商品写真がきれいだから、商品もきれいとは限らない。
中古レンズでは、正面から撮影した写真だけではカビや曇りが分からない。強い照明を真正面から当てると、コーティングの状態や細かな傷が見えにくくなることもある。
確認したいのは、次のような写真である。
・前玉を斜めから撮影した写真
・後玉とマウント部分の写真
・レンズ内部に光を通した写真
・鏡筒の傷がある部分の拡大写真
・絞り羽根を動かした状態
・シリアル番号
・付属品をすべて並べた写真
カメラ本体であれば、センサー、マウント、底面、端子、液晶、ファインダー、カードスロット、バッテリー室も確認したい。
商品説明に「小傷があります」と書いているのに、その傷が写真に写っていない場合は、購入前に追加写真を頼んだほうがよい。
「動作確認済み」の確認内容を聞く
中古カメラ市場でよく見る言葉が「動作確認済み」である。
しかし、どこまで確認したのかは出品者によって違う。
電源が入っただけでも「動作確認済み」と書く人がいる。シャッターが切れたことしか確認していない場合もある。
レンズであれば、次の点を聞いてみたい。
・AFが近距離から遠距離まで動くか
・AF時に異音がないか
・絞り羽根が正常に動くか
・ピントリングに引っかかりがないか
・片ボケや偏芯を確認したか
・手ブレ補正が動作するか
・電子接点に通信エラーがないか
カメラ本体であれば、AF、連写、カード記録、各ダイヤル、端子、手ブレ補正、ファインダー、液晶、バッテリー室まで確認したかを聞く。
具体的な質問に具体的に答えられる出品者は信用しやすい。
反対に、すべての質問に「問題ありません」「良好です」だけで答える出品者は、実際の確認内容が分からない。
「現状品」「ジャンク扱い」の意味を軽く考えない
「動作しますが現状品です」
「きれいですが念のためジャンク扱いです」
「詳しく確認していないので返品不可です」
このような商品は、価格が安くても慎重に考えたい。
出品者が把握している不具合を明記せず、「ジャンク扱い」という言葉でまとめている可能性があるからである。
修理、部品取り、研究目的で買うなら選択肢になる。
しかし、到着後すぐに撮影で使いたいのであれば、少し高くても動作保証のある個体を選んだほうが結果的に安く済む。
付属品は写真と文章の両方で確認する
写真に写っているものが、すべて付属するとは限らない。
レンズフード、前後キャップ、三脚座、ケース、元箱、バッテリー、充電器、ストラップなどが写真に写っていても、「撮影用のため付属しません」と小さく書かれている場合がある。
特に三脚座や専用フードは、後から単品で購入すると高額になることがある。
購入前には、何が付属するのかを文章で確認したほうがよい。
タバコ臭、カビ臭、ベタつきも聞いておく
写真では分からない状態もある。
代表的なものが、タバコ臭、カビ臭、香水や芳香剤の臭い、ゴム部分のベタつきである。
防湿庫保管と書かれていても、購入前からカビが発生していた可能性や、保管庫そのものに臭いが付いている可能性はある。
「嫌な臭いはありますか」
「ゴム部分にベタつきはありますか」
「電池室や端子に腐食はありませんか」
と質問しておけば、到着後の認識違いを減らせる。
発送方法と梱包も重要である
状態のよいレンズでも、梱包が悪ければ配送中に壊れる。
レンズを薄い緩衝材で一周巻いただけ、カメラ本体を箱の中で動く状態にしたまま発送する出品者もいる。
高額商品では、梱包方法についても確認したい。
レンズの前後にキャップが付いているか、カメラにボディキャップが付いているか、商品が箱の中で動かないよう固定されるかが重要である。
追跡や補償のない発送方法も、高額な中古機材には向いていない。
商品が届いたら、受取評価を急がない
商品が届いたら、外観を見ただけですぐに受取評価をしないほうがよい。
メルカリも、商品に問題がないことを確認するまでは受取評価を行わず、到着前に評価を求められても断るよう案内している。
開封時から動画を撮影しておくと、梱包状態や到着時の破損を記録できる。
レンズなら実際にカメラへ装着し、AF、絞り、無限遠、近距離、左右の解像状態を確認する。
カメラなら各ボタン、ダイヤル、カード記録、AF、連写、手ブレ補正、液晶、ファインダー、端子類を確認する。
評価を完了すると取引が終了するため、問題を見つけたら評価前に出品者や運営へ連絡することが重要である。
良い業者は、欠点を隠さない
安心できる中古業者には共通点がある。
商品の欠点を隠さず、傷の場所を写真で示し、検品内容を具体的に説明している。
保証期間、初期不良時の対応、返品条件、運営会社、所在地、古物商許可番号も確認しやすい。
逆に、避けたいのは「極上」「最高級」「新品級」といった言葉ばかりで、肝心の個体情報が書かれていない出品である。
中古機材で本当に信用できるのは、欠点が一切書かれていない商品ではない。
欠点を正確に把握し、それを購入者へ伝えている出品者なのである。
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