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「難有品」は全部ダメではない──中古レンズに眠る“アタリ”の話

中古カメラ店やフリマサイトを見ていると、ときどき「難有品」と書かれたレンズに出会う。

この文字を見るだけで、反射的に避けたくなる人は多い。

壊れているのではないか。
写りに問題があるのではないか。
買っても後悔するのではないか。

たしかに、難有品にはリスクがある。

しかし、すべての難有品がダメというわけではない。
中には、価格を考えるとかなりおいしい“アタリ個体”が混ざっていることもある。


難有品にも種類がある

ひとことで難有品といっても、内容はいろいろある。

たとえば、AFが動かない。
絞りが動かない。
ヘリコイドが固い。
レンズ内にカビがある。
クモリがある。
傷がある。

この中で、個人的にかなり慎重になったほうがいいと思うのは、動作に関わる難有品だ。

AFが効かない。
電子接点が不調。
絞りが動かない。
ズームが引っかかる。

こういうものは、実用品として使うにはかなりリスクが高い。

特にAFレンズでAFが死んでいる個体は、安くても手を出しにくい。
AFレンズは電子制御が絡むことも多く、どこまで問題が広がっているか見えにくいからだ。


中玉の傷は、意外と写りに出ないことがある

一方で、難有品の中でも少し見方が変わるのが、レンズ内の傷だ。

特に「中玉に傷あり」といった理由で大きく値段が下がっているレンズがある。

もちろん、傷がないに越したことはない。
きれいな個体のほうが気分もいい。

しかし、中玉の小さな傷が必ずしも写真に大きく影響するとは限らない。

前玉の傷、後玉の傷、強いクモリ、広範囲のカビなどは警戒したい。
しかし、中玉に少し傷がある程度なら、条件によってはほとんど気にならないこともある。

逆光でフレアが増える。
コントラストが少し落ちる。
強い光源で影響が出る。

そういう可能性はある。

しかし、通常撮影では思ったほど問題にならないこともある。
ここが難有品のおもしろいところだ。


銘玉が1万円以下なら、試す価値が出てくる

難有品を狙う時に大事なのは、価格とのバランスだ。

もともと評価の高いレンズ。
いわゆる銘玉。
写りに定評のあるMFレンズ。

こういうものが、難有品という理由だけで1万円を切る価格になっていることがある。

このくらいの価格になると、少し話が変わってくる。

失敗してもあきらめがつく。
試してみる楽しさがある。
写りに少しクセが出ても、それを味として受け止められる。

完璧なコンディションのレンズを買うなら、当然それなりの金額になる。
しかし、難有品なら本来高いレンズをかなり安く試せる場合がある。

これは中古レンズ遊びの醍醐味でもある。


MFレンズの難有品は、意外と使える場面が多い

特にMFレンズの場合、難有品でも使える場面はわりと多い。

もともとAFに頼らない。
電子制御が少ない。
絞りリングやヘリコイドが問題なく動けば、撮影自体は成立する。

もちろん、ヘリコイドが重すぎる個体や、絞り羽根に油が回っている個体は避けたほうがいい。

しかし、外観に傷がある。
中玉に小傷がある。
多少チリがある。

このくらいなら、実写では普通に使えることも多い。

むしろ、完璧なレンズではないからこそ、少しラフに使える。
持ち出す時に神経質にならなくて済む。
写りのクセも含めて楽しめる。

この感覚は、オールドレンズやMFレンズと相性がいい。


ただし「安いから何でもいい」ではない

難有品を買う時に大事なのは、安さだけで飛びつかないことだ。

見るべきポイントは、難の内容だ。

撮影に支障がある難なのか。
見た目だけの難なのか。
写りに出そうな難なのか。
修理不能に近い難なのか。

ここを分けて考える必要がある。

たとえば、AF不良や絞り不良はかなり厳しい。
クモリが全体に広がっている個体も避けたい。
カビがひどいものも、他のレンズへの影響を考えると慎重になりたい。

一方で、小傷、チリ、外観スレ、軽いアタリ程度なら、価格次第で許容できる場合がある。

要するに、その難を受け止められる価格かどうか。
ここがいちばん大事だ。


難有品は「失敗しても笑える価格」で買う

難有品を買うなら、最初から完璧を求めないほうがいい。

これは掘り出し物探しであり、ちょっとした博打でもある。

だからこそ、失敗しても笑える価格で買う。
ダメなら勉強代としてあきらめられる金額にしておく。

逆に言えば、難有品なのに高いものはあまり意味がない。

少し足せば良品が買えるなら、無理に難有品を選ぶ必要はない。
難有品の魅力は、あくまで価格差にある。

1万円以下で、もともと写りのいいMFレンズが手に入る。
少し難はあるが、実写では意外と使える。
そんな個体に出会えた時、中古レンズ遊びは一気に楽しくなる。


難有品は、状態ではなく「付き合い方」で決まる

難有品という言葉は、どうしても悪い印象がある。

しかし、レンズは完璧でなくても写る。
少し傷があっても、いい写真が撮れることはある。
むしろ、その不完全さが味になることもある。

もちろん、何でも買えばいいわけではない。
動作不良のAFレンズや、深刻なクモリ、ひどいカビは避けたほうがいい。

しかし、MFレンズの軽い難有品なら、価格次第で十分に楽しめる。

完璧な個体を大切に使うのもいい。
一方で、少し傷のあるレンズを気軽に持ち出して、味として楽しむのもいい。

難有品は、怖いものではなく、付き合い方を選ぶものだ。

そして時々、その中にとんでもないアタリが眠っている。

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