見出し画像

真夏に絞り開放でスローシャッターを使うなら、ND1000がスタートライン

昼間のスローシャッター撮影にはNDフィルターが必要。

ここまでは、写真を撮る人なら一度は聞いたことがあると思う。

ただし、条件が

  • 真夏

  • 晴天

  • 昼間

  • 絞り開放

  • 低感度

  • スローシャッター

となると、話は一気に変わる。

ND8やND16では、ほとんど歯が立たない。

必要になるのは、ND1000。

場合によっては、ND1000にND4を重ねるようなレベルになる。


絞り開放でスローシャッターを使うということ

通常、昼間にシャッタースピードを遅くしたい場合は、まず絞りを絞る。

F8やF11まで絞れば、レンズに入る光を減らせるため、シャッタースピードも遅くしやすい。

しかし、絞り開放で撮りたい場合は、この方法が使えない。

F1.4やF2のような明るい絞りを維持したまま、シャッタースピードだけを遅くする必要がある。

背景をぼかしたい。

被写体を浮かび上がらせたい。

明るい単焦点レンズの描写を開放で使いたい。

そのうえで、水や人の動きを流したい。

これは、昼間の撮影としてはかなり厳しい条件になる。


ND8では「少し遅くなるだけ」

ND8は3段分の減光。

たとえば、フィルターなしの状態でシャッタースピードが1/2000秒だった場合、ND8を装着しても約1/250秒までしか落ちない。

これでは、スローシャッターとは呼びにくい。

歩いている人を少しぶらす。

水の動きをわずかに滑らかにする。

その程度であれば使えるかもしれない。

しかし、1/10秒や1/4秒、あるいは数秒まで落としたいなら、ND8ではまったく足りない。

真夏の強い日差しの中では、ND8は思っている以上に薄いフィルターだ。


ND1000でようやくスローシャッターが見えてくる

ND1000は約10段分の減光。

1/2000秒だったシャッタースピードを、単純計算で約1/2秒まで落とせる。

ここまで来て、ようやく水の流れや人の動きを大きく表現できるようになる。

ただし、これはあくまで計算上の話。

実際には、海辺や白い砂浜、コンクリートの照り返しが強い場所では、周囲の光量が非常に多い。

夏の太陽は強く、水面や地面からも光が反射する。

そのため、ND1000を使っても、

「思ったほどシャッタースピードが落ちない」

ということがある。


ND1000+ND4という世界

さらにシャッタースピードを遅くしたい場合は、NDフィルターを重ねる。

ND1000にND4を重ねれば、合計で約12段分の減光になる。

フィルターなしで1/2000秒だった場合、約2秒まで落とせる計算だ。

このあたりまで来ると、

  • 波をなめらかにする

  • 滝や水面を大きく流す

  • 歩く人を消す

  • 動く被写体だけを残像にする

  • 絞り開放のまま幻想的な写真を作る

といった表現が現実的になってくる。

真夏の開放スローシャッターでは、ND1000がゴールではない。

ND1000がスタートラインになることもある。


なぜ真夏はこれほど厳しいのか

真夏の昼間は、単純に太陽が明るいだけではない。

地面からの照り返し。

建物からの反射。

水面の反射。

白い服や砂浜の反射。

あらゆる方向から光が入ってくる。

特に海辺は非常に明るい。

空も明るく、砂浜も明るく、水面も光を反射する。

その環境でF1.4やF2を使おうとすると、カメラに入ってくる光は膨大になる。

ISOを最低まで落としても、それだけでは足りない。

だからこそ、濃いNDフィルターが必要になる。


開放で撮る意味

そこまでして絞り開放でスローシャッターを使う必要があるのか。

そう思う人もいるかもしれない。

普通の風景写真であれば、F8やF11まで絞ったほうが撮影は簡単だ。

しかし、開放撮影には開放撮影にしかない表現がある。

背景をぼかしながら、水だけを流す。

人物にピントを合わせながら、周囲の人の動きをぶらす。

光のにじみや周辺減光を残しながら、時間の流れを写す。

すべてをくっきり写すのではなく、静止しているものと動いているものを一枚の中で分ける。

絞り開放のスローシャッターは、単なる撮影設定ではない。

写真の中に時間を入れるための方法だ。


フィルターの重ね掛けには注意も必要

NDフィルターを重ねれば、減光量は増やせる。

ただし、重ねれば重ねるほど問題も出やすい。

  • 色かぶり

  • フレア

  • ゴースト

  • 解像感の低下

  • 広角レンズでのケラレ

  • フィルター同士の反射

特に安価なNDフィルターを複数枚重ねると、色が大きく変わることがある。

濃いNDを使うほど、フィルターの品質は写真に表れやすい。

ND1000とND4を重ねるなら、撮影後にホワイトバランスや色味を調整する前提で考えたほうがよい。

また、フィルターを装着する前にピントや構図を決めておくと撮影しやすい。

ND1000を装着すると、ファインダーやモニターが一気に暗くなり、ピント合わせが難しくなることがあるからだ。


ND8が悪いわけではない

ND8が使えないわけではない。

曇天。

夕方。

日陰。

絞りを絞った撮影。

動画撮影。

こうした場面では、ND8がちょうどよいことも多い。

問題なのは、真夏の晴天で絞り開放のスローシャッターを狙う条件に、ND8を持っていくことだ。

用途に対して濃度が足りない。

NDフィルターは、数字が大きいほど偉いわけではない。

撮りたいシャッタースピードと、その場の明るさに合わせて選ぶものだ。

ただし、真夏の開放という条件では、必要になる濃度はかなり高い。


真夏の開放スローシャッターは濃いNDフィルターの世界

真夏の強い光の中で、絞り開放のままスローシャッターを使う。

この条件では、ND8やND16では足りないことが多い。

ND1000を使って、ようやくスタートライン。

さらに遅いシャッタースピードを狙うなら、ND1000+ND4のような組み合わせも必要になる。

昼間のスローシャッターは、ただシャッタースピードを遅くするだけではない。

強すぎる光をどこまで削れるかという撮影でもある。

真夏の開放スローシャッターは、想像以上に濃いNDフィルターが必要な世界なのだ。

(この記事には、アフィリエイトリンクが含まれます。)



いいなと思ったら応援しよう!

あかうさ📸 もし記事を気に入っていただけたら、チップをいただけると嬉しいです。より良い記事がかけることに投資させていただきます。