SIGMAの本気──FLDガラスを使ってるレンズたちを紹介
SIGMAのレンズを見ていると、スペック表の奥にある「レンズ構成」が妙に豪華なモデルがある。
その中でも特に気になるのが、SIGMA独自の特殊低分散ガラス「FLD」を大量投入しているレンズ群だ。
FLDは、SIGMA自身が「蛍石に近い性能」と説明している特殊ガラス。
色収差を強力に抑え、高解像時代に耐える描写を実現するための、かなり高級な素材である。
つまり、FLDを何枚使っているかを見ると、そのレンズにどれだけコストと思想を投入したかが少し見えてくる。
今回は、その中でも特に構成が豪華なフルサイズArtレンズを4本紹介したい。
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art
6枚FLD
2枚SLD
5枚非球面
まず驚くのがこれ。
標準ズームでありながら、FLDを6枚も投入している。
さらにSLD、非球面まで大量投入。
もはや「便利ズーム」というより、単焦点級を狙いにいっている構成である。
実際、このレンズはかなり“SIGMAらしい”描写をする。
輪郭のキレ、細部の情報量、空気感まで拾うような高解像。
「最近のSIGMA、なんか異様に写るな」と感じる理由は、この構成を見ると納得しやすい。
SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN | Art
FLD採用
SLD採用
非球面採用
便利ズーム系に見えるが、中身はかなり本気。
28-105mmというレンジは、スナップ、ポートレート、イベント、旅行まで全部いける。
しかし便利ズームは普通、どこかで描写妥協が入る。
ところがSIGMAは、ここにもFLDやSLDを入れてくる。
結果として、
「便利なのに、写りがやたら強い」
というSIGMA独特の世界になる。
しかもF2.8通し。
重量級にはなるが、画質優先ならかなり魅力的な一本。
SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
3枚FLD
1枚SLD
4枚非球面
これはもう、完全に“星用兵器”。
14mm F1.4という時点で異常だが、構成もかなり異常。
超広角・超大口径になると、色収差や像面湾曲との戦いになる。
そこでFLDを大量投入して抑え込んでいる。
星景撮影では、周辺の点像再現や色ズレが非常に重要になる。
そのため、このレンズは「仕様表」がそのまま本気度になっているタイプ。
巨大で重い。
しかし、その代わり写りは圧倒的。
SIGMA 135mm F1.4 DG | Art
4枚FLD採用
135mmクラスでFLDを4枚投入。
この時点でかなりコストがかかっている。
135mmはポートレートやライブ撮影で人気だが、大口径望遠は軸上色収差との戦いになりやすい。
そこでFLDを使い、輪郭の色ズレを抑え、シャープさと立体感を両立させている。
SIGMAの135mm系は昔から評価が高いが、その理由の一つが、この“ガラス構成への異常なこだわり”だと思う。
SIGMAのレンズは「構成を見る」と面白い
普通は、
「何mmか」
「F値はいくつか」
を見て終わる。
しかしSIGMAは、構成を見ると急に怖くなる。
特にFLDの枚数を見ると、
“どこまで描写を追い込もうとしているか”
が見えてくる。
最近のSIGMAが「解像の暴力」みたいな描写を出してくる理由は、こういう部分にもあるのだと思う。
(この記事には、アフィリエイトリンクが含まれます。)
いいなと思ったら応援しよう!
もし記事を気に入っていただけたら、チップをいただけると嬉しいです。より良い記事がかけることに投資させていただきます。