【創作小説】オルヴェリィ_光の記憶 特別編① 初めてのクリスマス
エリーがやってきて、初めてのクリスマス。
十二月の中頃から、エリーはどこか浮き立っているようだった。
ある日、一緒に買い物へ出かけたとき。エリーは店先をきょろきょろと見ながら歩いていた。どの店もクリスマスグッズが前面に並び、ツリーも飾られている。
「アージェルの国では、クリスマスってどうやって過ごすの?」
「自分の国では、家族で過ごしますね」
「この国は違うの?」
「家族でも過ごすと思いますが……どちらかというと、恋人同士で過ごすように促されてる感じがします」
「そうなんだ……」
エリーは少し考えるような顔をして、また尋ねた。
「アージェルはこの国に来てから、どんなふうにクリスマス過ごしてたの?」
興味津々のエリーに対し、折原は淡々と答える。
「……特に“過ごす”っていうのは無いですかね。生守さんとラボで、ケーキとチキンを食べたりしてました」
「……そうなんだ」
納得したような、納得していないような表情で、エリーは折原の隣を歩く。
「アージェル、今回のクリスマスは家に帰ってくる?」
「……一緒にケーキ食べますか?」
折原のさりげない提案に、エリーの顔がぱっと明るくなる。
「うん! アージェルとクリスマス過ごしたい!」
折原の腕に、自分の腕を絡ませて喜びを表現する。
――エリーはチョコケーキが好きでしたね。注文しておかないと
折原は、ケーキとチキンの手配をしなければ、と頭の中で段取りを組み始めていた。
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