🌲ボサボサになった松の木を整える ― 市道沿いでの安全剪定作業
お庭の困ったを植木1本から解決するお庭のベストパートナー、横浜の植木師 空師 フラワーライフ研究会の飛田秋彦です。
道路沿いに立つ松の木は、その家の顔でもあり、同時に地域の景観を形づくる大切な存在です。今回ご依頼いただいた松の木は、長年の成長によって枝葉が込み合い、いわゆる「ボサボサ」の状態に。特に道幅の狭い市道に面しているため、安全面・景観面の両方から剪定の必要性が高い状況でした。
今回は、はしごを使わず松に直接登って行う剪定作業。限られたスペースの中で、周囲への安全配慮を徹底しながら仕立て直した作業の様子と、松の理想的な剪定サイクルについて詳しくご紹介します。


■ なぜ松は「ボサボサ」になるのか
松は常緑樹の中でも生命力が非常に強く、新芽(みどり)を次々と伸ばしていきます。管理が行き届いているうちは美しい樹形を保てますが、数年手入れが空くと一気に枝数が増え、風や光が通らない状態になってしまいます。
今回の松も、
• 枝先に葉が集中
• 内側に枯れ枝が増加
• 重なり合った枝でシルエットが崩れる
• 道路側へ枝が張り出す
という典型的な状態でした。
特に市道に面している木では、枝が歩行者や自転車の動線に影響してしまうこともあります。庭木でありながら、半分は公共空間に関わる存在になるため、定期的な管理が欠かせません。
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■ 道幅の狭い市道での作業 ― はしごを使わない理由
今回の現場は道路幅が狭く、車両や歩行者の往来もある場所。はしごを立ててしまうと通行の妨げになるため、安全面を最優先に考え、松の木に登っての作業を選択しました。
松は幹がしっかりしているため、経験と技術があれば木に登っての作業が可能です。しかし、
• 枝の強度の見極め
• 重心の移動
• 切る順番の判断
• 落枝方向のコントロール
など、単純に登ればよいというものではありません。
一本ずつ枝を確認しながら、不要枝を整理し、全体のバランスを整えていきます。狭い道路沿いでは、枝の落とし方ひとつが安全に直結するため、常に周囲への注意が必要でした。
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■ 松の理想の剪定は「年2回」
松の美しさを保つためには、年に2回の剪定が理想とされています。それぞれには明確な意味があり、目的が異なります。
① 春〜初夏:みどり摘み(芽摘み)
春に伸びる新芽を調整する作業です。新芽を放置すると枝先だけがどんどん伸び、間延びした樹形になってしまいます。
みどり摘みの目的は:
• 樹形をコンパクトに保つ
• 枝数を調整する
• 葉の密度を整える
• 夏以降の蒸れを防ぐ
早い段階で成長をコントロールすることで、後の剪定が楽になり、自然で美しい姿を維持できます。
② 秋〜冬:もみあげ・透かし剪定
秋から冬にかけて行うのが、古葉を落としながら枝を整理する本格的な剪定です。今回の作業はこちらにあたります。
目的は:
• 通気性の改善
• 日当たりの確保
• 枯れ枝・不要枝の除去
• 翌年の芽吹き準備
松の内側に光と風を通すことで、病害虫の発生リスクも減らせます。見た目だけでなく、木の健康維持に直結する重要な作業です。
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■ 作業後の変化 ― “軽く見える松”へ
剪定後の松は、枝一本一本が見えるようになり、重たかった印象が一変しました。
• 樹形がはっきりする
• 空が見える透け感
• 枝の流れが美しく見える
• 道路側がスッキリ安全
そして何より、通気性が格段に良くなりました。風が抜けることで枝葉が乾きやすくなり、病気や害虫予防にもつながります。
松は「切りすぎない美しさ」が大切。葉を全て落とすのではなく、必要な場所に適度に残すことで、自然な風格を生かすことができます。
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■ 松は“育てる剪定”が大切
松の剪定は、単に形を整える作業ではありません。数年先の姿をイメージしながら、枝の流れを作っていく作業です。
今回も、
• 将来伸ばす枝
• 抑える枝
• 更新する枝
を見極めながら仕立てていきました。
一度美しく整えた松でも、手入れをしなければすぐに元へ戻ってしまいます。逆に言えば、年2回の管理を続けることで、作業量は少なくても美しい状態を維持できるのです。
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■ まとめ ― 松は手を入れるほど美しくなる
道幅の狭い市道沿いという条件の中で、安全を最優先に行った今回の松剪定。はしごを使わず木に登り、一本一本の枝を整理することで、通気性が良く、軽やかで上品な姿へと生まれ変わりました。
松は、庭木の中でも特に「手を入れた分だけ応えてくれる木」です。
年2回の意味を理解し、適切な時期に剪定を行うことで、
• 健康な樹勢
• 美しい樹形
• 安全な住環境
を長く維持することができます。
これからも地域の景観と安全を守りながら、一軒一軒の庭木に向き合っていきたいと思います。










