ソーユーシンク、19歳で死亡(オーストラリア)
ソーユーシンク(19歳)は現役時代にG1・10勝の成績を残し、のちにクールモアの名種牡馬となった。しかし最近病気を患い、ニューサウスウェールズ州のスコーン馬診療所で治療中に命を落とした。
ソーユーシンクを2012年から供用していたクールモア・オーストラリアは、10月20日(月)朝にこの悲報を発表した。
クールモア・オーストラリアの代表トム・マグニア氏はこう述べた。「ソーユーシンクは、クールモアを訪れる人々が一番見たいと望む種牡馬でした。まさにジェントルマンで、信じられないほど優しく賢い馬でした。2012年に種牡馬入りした彼をクールモアで大切に世話してきたスタッフ全員にとって、悲しい日です。ここに繫養された彼が国内屈指の種牡馬へと育っていく姿を見れたことは、このうえない幸運でした」。
生産者であるニュージーランドのマイク&ヘレン・モラン夫妻とパイパーファームは、G3優勝牝馬トライアシック(父タイツ)を、ウィンザーパークスタッドで供用されていた優秀なシャトル種牡馬ハイシャパラルのもとへ送った。こうして生まれたのがソーユーシンクだ。ソーユーシンクは2008年にニュージーランドブラッドストック社のナショナル1歳セールに上場され、ダンカン・ラメージ氏により11万NZドル(約935万円)で落札された。
ソーユーシンクは馬主ダト・タン・チン・ナム氏により所有され、レジェンドであるバート・カミングス調教師により管理され、2歳時の5月にローズヒル競馬場のハンデ戦でデビューし1馬身強の差で勝利した。それからグローミングS(G3 ローズヒル)で重賞初勝利を果たした後、コーフィールドギニー(G1 コーフィールド)で5着となった。
コックスプレート(G1 ムーニーバレー)開催日の数日前にこの悲報は発表された。ソーユーシンクはこのレースを2勝しており、とりわけ3歳時にわずかキャリア5戦目で優勝したことは話題となった。
ソーユーシンクは4歳時にメムジーS(G2)とアンダーウッドS(G1)でスリリングな勝利を収めたほか、もうひとつのG1勝利を戦績に加えた。そして、コックスプレートでの王座防衛に成功したことを皮切りに、最高の春を迎えることになる。その1週間後にマッキノンS(G1 フレミントン)を制し、さらに3日後にはメルボルンカップ(G1 フレミントン)で驚異的な負担重量にもかかわらずアメリカンの3着に入り鉄の馬体を見せつけたのだ。
クールモアはこのスプリングカーニバルでの大躍進を受けソーユーシンクを購買し、エイダン・オブライエン厩舎へ転厩させた。この馬はムーアズブリッジS(G3 カラ)で10馬身差の破壊的な勝利を収めてたちまち注目を集めた。のちに北半球でG1を5勝することになるが、タタソールズゴールドカップ(G1 カラ)でその1勝目を挙げた。
それからプリンスオブウェールズS(G1 ロイヤルアスコット開催)ではリワイルディングに首差の2着となったが、エクリプスS(G1 サンダウン)と愛チャンピオンS(G1 レパーズタウン)をたてつづけに制覇した。
その後、凱旋門賞(G1 ロンシャン)で4着、英チャンピオンS(G1)ではシリュスデゼーグルに¾馬身差で敗れて2着となった。シーズン最終戦となるBCクラシック(G1 チャーチルダウンズ)では6着に終わり、キャリア全23戦のなかで5着以下となった2戦のうちのひとつとなった。
翌年も現役を続行し、ドバイワールドカップ(G1 メイダン)での4着後、タタソールズゴールドカップで王座防衛を果たした。しかしジョセフ・オブライエン騎手にロイヤルアスコット開催での初勝利をもたらしたプリンスオブウェールズS(G1)優勝がこの馬のキャリアを決定づける瞬間となった。ソーユーシンクはこのレースを最後に引退することになった。
オブライエン調教師は、「何と言っても偉大な競走馬であり名種牡馬でした。馬の死を耳にするのはいつも悲しいものです。ソーユーシンクは特別な馬であり、とりわけジョセフが彼に騎乗してプリンスオブウェールズSを制したことは素晴らしい思い出です」と追悼の言葉を述べた。
マグニア氏は、「競走馬としても種牡馬としても、世界中の競馬場でたくさんの素晴らしい思い出を残してくれました。2022年にランドウィックで1日に3頭の産駒がG1を制したことは生涯忘れられません。そして2012年のプリンスオブウェールズSでジョセフ・オブライエンに騎手としてのロイヤルアスコットでの初勝利をもたらしたあの日も忘れられません」と付け加えた。
カミングス調教師はソーユーシンクを「彼以上に四肢が完璧な馬は存在しない。これまで調教した中で最も優れていて素直な馬だ」と評していた。この馬は種牡馬としても重要なレガシーを残した。
豪州の種牡馬ランキングで二度2位となった実績がある。66頭のステークス勝馬を送り出しており、その中には12頭のG1馬が含まれる。そのうちの一頭がG1・2勝馬シンクアバウトイットであり、彼は2023年にG1格付け前のジ・エベレスト(ランドウィック)も制している。
ソーユーシンクは2012年に種牡馬入りし、初年度種付料は6万6,000豪ドル(約660万円)だった。2023年に種付料は自己最高の9万9,000豪ドル(約990万円)を記録し、種付頭数は164頭にのぼった。2024年シーズンには種付料7万7,000豪ドル(約770万円)で105頭の牝馬と交配した。
ソーユーシンクは供用4年目までアイルランドのクールモアへ逆シャトルされ、北半球で4頭のステークス勝馬を送り出した。なかでも最も優秀なのはのちに豪州に輸入されたナイツオーダーであり、シドニーカップ(G1)制覇により、その日ランドウィックでG1勝利を挙げた3頭のソーユーシンク産駒のうちの一頭となった。
ソーユーシンクが送り出した牝馬は父の影響力を発揮している。彼女らは繁殖牝馬としてステークス勝馬8頭を送り出し、その筆頭にはゴールデンスリッパー(G1 ローズヒル)とサイアーズプロデュースS(G1 ランドウィック)を制したファイアバーンと、ジャンプラ賞(G1 ドーヴィル)優勝馬プーシキンがいる。
今回の悲報はクールモア・オーストラリアにとって痛ましい時期に伝えられた。この牧場は9月に、血統を築いてきた種牡馬2頭、ファストネットロックと優秀なウートンバセットに安楽死措置を取らざるをえなかった。
By Lydia Symonds
(1NZドル=約85円、1豪ドル=約100円)
[Racing Post 2025年10月20日「‘He was an incredibly kind and intelligent horse’ - Coolmore announces the death of star racehorse and sire So You Think」]
