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【K-POPのキングの系譜】G-DRAGONと『龍飛御天歌』に秘められた名門の誇り

先日、K-POP界のカリスマ、G-DRAGON(本名:権志龍)さんが、韓国政府から「玉冠文化勲章」という素晴らしい賞を受けました。世界中にK-POPを広めた彼の功績が認められた、まさに「キング」にふさわしい栄誉です。
また、受勲後の彼の動画で、非常に重要な一言が隠されていました。彼は「安東権氏枢密公派(추밀공파チュミルゴンパ)35代として」この栄誉を受け取ると述べたのです。

この「安東権氏枢密公派」とは一体何でしょうか?
そして、「35代」という言葉に込められた意味とは?
この記事では、G-DRAGONさんの成功を、約500年前に朝鮮半島で輝いた名門一族の歴史と誇りに繋げながら、その興味深い背景を紐解いていきます。

その前に、「〇〇〇氏」ってなに?という方は、こちらのnoteを先に読んでいただくとわかりやすいかと思います。

一族のルーツは「王様」の補佐役

G-DRAGONさんのルーツである安東権氏は、特に高麗時代(918年〜1392年)から朝鮮時代(1392年〜1910年)にかけて、国の中心で活躍し続けた「名門中の名門」です。

枢密公派の始まり

一族の祖先で「枢密公派」のスタート地点にいるのが、権守平(クォン・スピョン)です。
彼は高麗の王様を補佐する中枢機関「枢密院」の副長官(枢密院副使)という、とても偉い役職に就いていました。この「枢密公」という役職が、一族の名前の由来になっています。

権家の「九封君」伝説

この一族のすごさを決定づけたのが、権守平のひ孫にあたる権溥(クォン・プ)の時代に起こった伝説です。
なんと、権溥自身と彼の息子5人、娘婿3人の合計9人が、同じ時代に「君(クン)」という最高位の爵位(名誉職)に封じられました。
これは、一族が「頭の良さと人脈で、国の権力の中枢を独占した」ことを示す、韓国の歴史でも滅多にない偉業です。

G-DRAGONさんの「権」という姓自体も、元々は新羅王室の末裔である「金(キム)」氏でしたが、祖先が新しい王朝(高麗)の王を助けた際、戦況を読み切る「卓越した戦略的判断力」を高く評価し、「時勢に応じた臨機応変の知恵(権道)に優れている」という意味を込めて、王様から特別に「権」の姓を賜った(賜姓)という由来があります。

G-DRAGONの祖先が作った「王様の歌」

権氏一族の文化的な貢献を象徴するのが、G-DRAGONさんのニックネームと同じ「龍」の字が入った歌集、『龍飛御天歌(용비어천가 ヨンビオチョンガ)』です。

なぜ「龍」の歌が必要だったか?

この歌集は、新しい王朝である李氏朝鮮が始まって間もない頃(1447年)、当時の王様・世宗(セジョン)の命令で作られました。
前の高麗王朝を倒してできた朝鮮は、「自分たちの支配は天から与えられた正当なものだ」と、国民や外国に納得させる必要がありました。

タイトルにある「龍」は、王様や皇帝を象徴する最高の存在です。歌集は、「天命を受けた龍(王)が天に向かって飛翔する」というストーリーで、王朝の創始者たちの功績を讃え、建国の正当性を神聖な物語として広める役割を果たしました。

名門の学者、権踶

この最も重要な文書の編纂グループに、枢密公派出身の学者、権踶(クォン・ジェ)が中心メンバーとして参加しました。
これは、権一族が「九封君」のような政治的権力だけでなく、「王朝の正当な思想や文化を構築する知力」も最高峰であったことを証明しています。
さらに、この歌集は、世宗大王が発明したハングル(訓民正音)で書かれた最古の公式文書の一つであり、権踶の貢献は、文化史上においても計り知れないものです。

35代に引き継がれた「キング」の意識

G-DRAGONさんが勲章受勲後に「35代として」と発言した背景には、韓国特有の儒教的な価値観があります。

韓国では、一族の系譜(族譜)に基づく「代数」が重視されます。たとえ実年齢が上でも、系譜上の代数が一つでも上の人は目上(親族の兄や叔父のような存在)として敬われます。
彼は、年上である俳優のクォン・サンウさん(36代)よりも代数が上(35代)にあたります。また、37代には、同じ枢密公派かどうかは不明ですが、SEVENTEENのホシさんがいらっしゃいますね。

彼が「安東権氏枢密公派35代」と名乗ったのは、「この栄光は私個人のものではなく、代々名誉を築いてきた一族の歴史の賜物である」という強い自覚と、「一族の代表として、最高の栄誉を勝ち取った」という誇りを示すものではないでしょうか。

G-DRAGONさんの名前「志龍」、K-POP界の「キング」という地位、そして祖先が残した『龍飛御天歌』という歴史。
彼の成功は、まさに何世紀にもわたって受け継がれてきた「権威と創造性」という一族のテーマが、現代の文化領域にまで投影された、ドラマチックな現象と言えるのかもしれません。

G-DRAGONさんが勲章受章の場で発した言葉は、現代社会に生きる私たちに、ルーツを意識することの重要性を再認識させてくれました。
大切なのは、過去の偉業を誇るだけでなく、祖先が苦難を乗り越えて築いてくれた「精神的な土台」に心から感謝を捧げることです。
その感謝こそが、私たちを支える最強の「見えない後押し」となり、私たちが築く未来の成功へと繋がる、最も尊いバトンとなるでしょう。

次の記事予告:日韓比で考える「ルーツ」の力

G-DRAGONさんが「35代として」と自然に語る背景には、韓国の「本賞(ポン・グァン)」という強固な氏族制度と、それを支える儒教的な価値観があります。
これは、私たち日本人が持つ祖先意識とは少し違うかもしれません。

私自身、彼のこの一言に触れ、「私たちの成功もまた、祖先からの『見えない後押し』の結果ではないか」という思いを強くしました。
そこで、次の記事では、私たちが祖先へ感謝することが、いかに最強の「見えない後押し」となるのかを、さらに深く考察していきます。ぜひ、ご期待ください。

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