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傷の癒やし方【せりふ三題噺】【いちごパジャマ文鳥】

朝が来た。
レースのカーテンから漏れる白い光が、私の好きな彼の白い頬を撫でている。伏せた長いまつ毛をもう少し眺めていたいけど、空腹には敵わず彼を起こすことにした。
私の奏でる声に、少し気怠そうに目を覚ました彼。
あぁ、おはよう、、
少し掠れた声で私に話しかける。小さな扉が開き、長くしなやかな人差し指が伸びてきた。喉元を撫でられ、胸、お腹へと指先が降りていく。お腹の下まで指が行くと、私は彼の人差し指に飛び乗った。そのまま籠の外へ出された私は彼の肩に飛び移る。柔らかなパジャマの生地がちょっと爪に引っ掛かるけど、彼の声や息が近くで感じられるこの場所が大好き。
私を肩に乗せたまま、彼は朝の準備を始める。
よかった、顔色も今日は最近の中で一番いいみたい。
少し前まで毎週末お泊まりしていたあの女は最近来ない。その頃から彼の元気がなくなった。いいのよ、あんな女なんか。私がいくらでも癒してあげるわ。
(でも、あの女の私を撫でる指先は優しかったけど、、)

彼が冷蔵庫から出した真っ赤ないちごを洗っている。あら、いちご食べたいな。

最近眠りが浅い。彼女に振られて3週間。
青天の霹靂とはまさにこのことか。仕事が忙しく、辛うじて日中は平静でいられている。
夜が深い。身体は重く、どこまでも沈んでいくような。
白文鳥のリラは、俺が帰宅する頃にはもう寝ている。仕方がないことだが、俺が帰ってくるまで起きて待っててくれよと思ってしまう。その代わり朝はむちゃくちゃ早い。チュンチュン鳴いて起こしてくれる。そんなとこもかわいいのだが。さっきから俺が洗ったいちごを興味津々で覗きこんでいるので食べたいようだ。一緒に食べような、リラ。
休日の今日、特に予定もなく早起きした朝。溜まった洗濯物を片付けて。買ってそのままになってた本でも読もうか。
まだ彼女とのことは気持ちの整理はできていない。一緒に行こうと言ったいた映画の封切りが来週末に迫っていたりとか、もうはたせない約束を思い出す度、まだ彼女の存在は俺の中で息をしている。女々しいだろうか。

リラがさっきからいちごを催促している。小さく潰したいちごの欠片を赤い嘴にそっと差し出した。

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