読書感想文~なぜ悪人が上に立つのか①~
こんばんは、無糖ラテです。
今日はブライアン・クラースさんが書かれたなぜ悪人が上に立つのかについて感想を書こうと思います。
私は、私自身が上司のパワハラを受けていたという経験から、本書に強く興味を持ちました。
この本は、精神的な観点からパワハラ上司との付き合い方を教えてくれるというものではありません。
しかし、上に立つ人間が悪人である理由について非常に論理的に説明されています。
自分自身がそうならないためにもこの本を読むことができてよかったと感じています。
全体のまとめ
この本は主に以下の4点でまとめられています。
悪人が権力を掌握する理由
権力が人をより悪質にする
私たちはなぜ悪人に権力を持たせてしまうのか
腐敗しない人に権力を与え、腐敗しない状態を維持する方法
主に1~3つ目の項目は本書のタイトルにもある悪人が上に立つ理由について述べられており、4つ目の項目ではどのようにしてそれを避けることができるのかについて述べられています。
今回は、1~3の項目について詳しく述べていこうと思います。
悪人が権力を掌握する理由
まずはなぜ悪人が権力を掌握するのかについてです。
大きく2つの理由が存在します。
1点目は、悪質な人は他者を支配下に置きたがるということです。
上に立つことで優越感に浸ったり、自由に権力をふるって人を支配したりすることができます。
逆に人から指示されるなどして自由を奪われることを拒みます。
以上から悪質は他者を支配下に置くために上を目指す傾向にあります。
2点目は1点目とは反対になりますが、悪質でない人は権力を求めようとしないことがあるということです。
上の立場にならなくても自分のしたい仕事ができている、満足いく給料が得られている、やりがいを感じられている、こういった人にとって権力を持つことは必ずしも必要としません。
以上から、そもそも権力競争に参加する人には、一部の善良な人を除いて悪人が多くなってしまうということなのです。
確かに私自身もキャリアアップしていきたいという気持ちはあります。
しかし、その根底にある感情は社会貢献のようなきれいなものだけではありません。
優越感に浸りたい、人から指示されたくない、といった濁った感情にも動かされています。
そういう意味では、私の中にも悪人の素質は存在してしまっているのではないかと感じざるを得ませんでした。
また、現代では管理職を目指さない人が増えているといわれています。
その大きな理由として、管理職になるとワークライフバランスが乱れたり責任が大きく精神的に負荷がかかるといったことがあります。
しかしこの傾向がより強くなってしまうと、ますます権力を欲している人しか上を目指さなくなってしまい、結果的により腐敗した組織になってしまうのではないかと思いました。
権力が人をより悪質にする
先ほど述べた悪人が権力を持つという視点の一方で、本書では権力を持つと人は悪質になってしまうという主張もされています。その理由は大きく以下の2点です。
1点目は権力があると自分を抑制する力を失うからです。
権力を持つと部下にどう思われるかは気にならなくなります。
例えば上司と部下の関係を考えたときに、部下は自分の将来のキャリアを考えて上司に気に入られるような行動をとる必要があります。
一方で、上司にとっては部下からの印象が悪くても自分のキャリアに対する傷はほとんどありません。
したがって、上の立場の人間は他者の気持ちを読めなくなる、もしくは読む必要がなくなる、というわけです。
2点目は上の立場の人間は誰かが犠牲になる決断をしなければならないからです。
例えば会社が経営不振に陥ると、上の立場の人間はリストラを実施する必要があります。
このとき、リストラされた側からすると、クビにさせた上司や会社に対して不満を持ちます。
一方で、リストラを実行しないと社員全員が路頭に迷う可能性もあります。
このような苦渋の決断を日々実施する必要があると、他人に共感していてはやってられなくなります。
このようにして、もともと善良な人だったとしても、他人への共感能力が欠如していき、悪人へと変貌してしまう可能性があるということです。
私としても、これまで誰かにとってよくないと思われる選択が必要になるときには、罪悪感に苛まれることがしばしばありました。
しかし、上の立場になってそういった判断を瞬時に行い、なおかつ業務をこなしていくためには、共感しない必要性もあると思いました。
一方で、そのある程度のサイコパス性がある程度で収まらなくなったときに、悪人に変貌してしまうのだと思いました。
私たちはなぜ悪人に権力を持たせてしまうのか
ではなぜ私たちは悪人に権力を持たせてしまうのでしょうか。
この背景には大きく、そもそも私たちは論理的に人を選んではいないということと、悪人は会社の利益を最優先する人間であるということがあります。
まず1点目の論理的に人を選んでいないという点について説明します。
例えば、私たちは男性、声が大きい人、長身な人、このような人をリーダーとして選んでしまいがちです。
実際、石器時代においてはこういった人は体が強く、集団が生存するうえで不可欠な存在でした。
一方で仕事や政治において体の強さというものは必ずしも必要ではありません。
にもかかわらずこの本能に基づいて人を判断してしまい、結果的にこういった人が仕事ができると思い込んでしまうというわけです。
また、例えば白人は白人を優先してしまう傾向にあることや、金持ちはすごい人だという認識を持ってしまうことも同じです。
このように、本質的には活躍するかどうかには関係ない軸で人を評価してしまう傾向が私たちにはあるのです。
次に2点目の悪人は会社にとって利益をもたらすと思わせる能力が高いという点について説明します。
悪人は嘘をついたり話を誇張するのが得意であるため、再現性のない成功事例でも、自信をもって周囲にアピールします。
また実際の業務においても何よりも会社の利益(自分の功績)を優先する人は会社にとってメリットもあります。
このようにして、採用するときや人を選ぶ時には、自分に自信を持っている人の方がリーダーとして魅力的に見えてしまうということです。
この部分を読んだ当初私は、いくら仕事ができても結果的に人が辞めてしまったら上司の評価は下がるのではないかと思いました。
言い換えると、パワハラによって従業員のパフォーマンスが低下したり辞めたりすると、結果的に会社にとって損なのではないかということです。
しかし、人のパフォーマンス低下や辞めることによる利益の低下を定量的に評価することはできません。
一方で、契約数や売り上げといった数字は定量的に評価することができます。
こういった定量的に評価できるものは評価し、そうでないものは評価しない、という構造になりがちになっていること、これも悪人が良いリーダーに見えてしまう原因なのではないかと思いました。
まとめ
本書を通して私は、ただ悪態をつく上司や政治家に対して不満を持つのではなく、そこには論理的な原因があるということに気づくことができました。
加えてその原因には、そもそもその人自身が悪人であるというだけではなく、社会構造的な理由で悪人にならざるを得ない場合もあるということを知ることができました。
また本書はあくまで悪人という視点で書かれていますが、そもそも人を選ぶときや自分がリーダーシップをとっていくときに参考になる話が多く記載されています。
組織に属する人であればどんな人でも勉強になる本だと思いましたのでぜひ読んでみてください!
少し長くなってしまったので、今回はここまでにします。
次回は特に面白いと感じた部分をピックアップして紹介しようと思います!
ではまた!
