2024年を振り返って
今年もクリスマスが近づいてきているというのに、世界中で武力衝突や戦争状態が続いています。
終わりが見えない争いの中で、WDRACの活動も地道に淡々と続けてきました。
今年も活動を通じてアンサングヒーローと出会い、彼らの思いに触れてきました。
前線近くの小さな村で、コミュニティのためにスポーツクラブを続ける青年、イワンを紹介します。

イワンが暮らす街は、前線に近いこともあり戦災の爪痕が至るところに残っています。
空爆によって家は壊れ、広場は瓦礫に覆われ、学校も閉鎖されています。
それでも彼は、この場所に留まり、子どもたちとボールを蹴り続けています。
理由を尋ねたとき、彼はこう言いました。
「ここでサッカーを続けられるということは、僕たちが侵略されずに自由に生きているという証だから。」
彼にとってサッカーはただの遊びではありません。
戦争に覆われたこの街で、未来と自由を感じられる瞬間なのです。
瓦礫で囲まれた広場、壊れたゴールポスト、寄付で集めたボールとバラバラのユニフォーム。
それでも、子どもたちは笑顔で走り回り、彼はその姿を見守っています。
しかし、その裏には困難が山積みです。
物資は不足し、安全は保証されず、活動を続けるための資金もありません。
それでも彼は諦めません。
「あるもので工夫すればいい」と笑う彼の姿には、覚悟と誇りが滲んでいました。
WDRACは、彼のようなアンサングヒーローを支援するために活動しています。
イワンのクラブが続けられるよう、寄付で集まった資金を使い、必要な物資を届けました。
ボール、ゴールネット、子どもたち全員が着られるユニフォーム。
これらが彼の手に届いたとき、彼の表情は驚きと感謝、そして未来への責任に満ちていました。
「これでまた、もっと多くの子どもたちがサッカーを楽しめます。この街の未来は、彼らの笑顔の中にあるんです」と彼は静かに話していました。
イワンの活動は、ただのスポーツやレクリエーションの枠を超えています。
戦争が奪った「繋がり」を取り戻す挑戦であり、壊れた村に再び「希望」を芽吹かせる試みです。
彼が子どもたちに教えているのは、サッカーの技術だけではありません。
どんな状況でも笑う力、走る力、そして未来を信じる力を教えているのです。
戦争が終わっていない中で復興を語るのは早すぎると感じる人もいるかもしれません。
でも、イワンはそうは考えていないようです。
「復興は、戦争が終わるのを待って始めるものではありません。今、動き出さないと、この街には未来が来ないんです。子どもたちが笑顔でいられる場所を作ること。それが復興の第一歩なんです。」
その言葉は、私たちの活動の指針を改めて教えてくれました。
支援とはただ何かを与えることではなく、そこにある力を引き出し、未来への道を共に作ること。
それを体現しているのが、イワンのような人々です。
2024年、イワンとの出会いは、支援とは何かということを改めて考える機会となりました。
未来は、誰かが作ってくれるものではありません。
それは、一人ひとりが動き出すことで形を成すのです。
そして、その一歩を支えるのが私たちWDRACの役割です。
2025年も、私たちはイワンのような人々と共に歩み続けます。
戦争が終わる日をただ待つのではなく、その日を迎える準備をする人々を支え、未来の可能性を広げていきたいと思います。
そして寄付者の皆さんと共に、その一歩一歩を積み重ねていきます。
未来は今、この瞬間から始まっています。
そのことを、イワンが私たちに教えてくれました。
