隕石の伯父さん【毎週ショートショートnote】
「明日、隕石伯父さんが来るけどごめんね」
結婚式の前日、悟がぽつりと言った。
「インセキ? ああ、姻戚ね。確かに私の血縁じゃないけど、あなたの伯父さんでしょ?」
「いや、俺の身内からも “隕石伯父さん” って呼ばれてるんだ」
インセキ、インセキと紛らわしい。
結婚式当日、その伯父さんはやって来た。
そして来るなり、ロビーにあった大きな花瓶を倒して粉々にした。
「いやあ、このたびはおめでとう」
朗らかに笑う伯父さんの陰で、式場のスタッフが顔を引きつらせている。
「またやった……伯父さんさ、登場する時にいつも何か壊すんだよ。わざとじゃないんだけど」
訳が判らない。
「今日は花瓶。この前の正月は実家の門。兄貴の結婚式の時は式場のドア壊したよ。まるで隕石が落ちてきたみたいな登場の仕方でさ、滅法評判が悪いんだ」
そこへ支配人が慇懃な物腰で伯父さんへ請求書を差し出した。
「え!? たっか!!」
「こちらは名のある陶芸家の作でございます。これでも控えめなご請求です」
手痛い引責となり、伯父さんは蒼白な顔で帰っていった。
以来、隕石伯父さんは “引責伯父さん” と呼ばれるようになったと言う。
(479字)
【あとがき】
『坊っちゃん文学賞』の締切が今月末ですね……。
なのにまだネタも出てない秋しばでげす。
だけどあの応募数で通算三回の佳作を取られた霜月透子さんが「勢いも大事!」とエールをくださったので、今から奮起して頑張ります!!
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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