トイレットペーパードライバー【毎週ショートショートnote】
「賢人、『お笑いグランプリ』のネタはできたのか?」
「任せろ、自信作! 名付けて『TTPD』! 観てて」
俺は袋の中から、おもむろにトイレットペーパー2つと金属の棒を取り出した。怪しげなサングラスをかけ、スマホの音楽アプリの音量を最大にする。
ズズチャチャ、ズズチャチャとテクノっぽい音楽が流れ出す。
「 I go toilet. I have paper. I can drive ……ooh!」
俺は特訓した巻き舌で歌いながら、棒をトイペの芯に突き刺した。
「 ToileT - Paper - Driver,Ken!」
そう叫ぶや、両手で棒をつかんで四つん這いになり、雑巾がけの要領で2つのペーパーを走らせる。
「待て待て待て! 何だそれは!」
卓哉が叫んだ。
「英語はテキトーだし、最後の何だよ。Ken!って」
「え? 俺の名前」
「全然意味合ってないだろ。いかにも語呂合わせじゃん」
「文句あるなら、代わりに考えてよ」
だが卓哉は、冬の朝の水より冷たい声で吐き捨てた。
「阿呆。おまえの尻ぬぐいなんてごめんだわ」
(448字)
【あとがき】
ごめんなさいね。たぶん文フリのあとで疲れてるんだと思うの……。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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