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「ランドバンク」という選択肢を現実的に考える。接道不可の空き家が連鎖する理由

今日は「空き家問題の解決策としてランドバンクってどう?」というテーマで書いてみたいと思います。

ランドバンクって?あまり聞きなじみのない言葉ですが、ランドバンクとはもともとアメリカで空き家や、所有者・管理者が不明な土地建物を取得・管理する受け皿として設立された政府機関なんです。

空き家問題の根底にはやはり接道の問題も大きくて、活用に関しても障害になっているケースが多いんです。

このあたりは個人でどうこうできるレベルではなく、やはり行政のサポートが不可欠だと思ってます。

ところで今日11月16日は地元の市長・市議会議員選挙の投開票日です。
空き家対策を発信している候補者は多いですが、この「ランドバンク」という具体的な言葉を使っている候補者は一人だけでした。

空き家の連鎖という現実

空き家の調査に行くと、面白いことに気づくんです。

面白いって言ったら語弊があるかもしれませんが、空き家って単独でポツンと存在することって実は少ないんですよね。
むしろ「あ、ここも空き家。隣も空き家。裏に回ったらまた空き家」みたいな状況によく出くわします。

まるで空き家が空き家を呼んでいるみたいです。

これ、偶然じゃないんです。ちゃんと理由があります。

接道問題という見えない壁

その理由の一つがこの「接道」の問題なんです。

接道っていうのは、ざっくり言うと「その土地が道路にちゃんと接しているかどうか」ということです。
建築基準法では、原則として幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していないと、建物を建てることができないんですね。

で、古い住宅地だと、この条件を満たしていない土地が結構あるんです。
旧耐震建築物(1980年以前)に関しては、4割近くが接道条件の悪い敷地に立地しているともいわれています。

例えば、細い路地の奥にある家とか、他人の土地を通らないと道路に出られない家とか。
こういう土地は「再建築不可物件」と呼ばれて、建て替えができません。
リフォームはできても、一度壊したら新しい建物は建てられないんです。

これ、かなり厳しいですよね。

負の連鎖が始まる理由

接道条件を満たしていない土地は、当然ながら市場価値が低くなります。

買い手がつきにくいんです。
銀行も融資してくれません。
すると持ち主は「売れないし、どうしようもない」と思って放置する。
空き家になる。
周辺の景観が悪くなる。
するとそのエリア全体の魅力が下がって、本来は接道条件を満たしている隣の家まで売りにくくなってしまう。
こうして空き家が空き家を生む連鎖が始まるわけです。

ランドバンクという選択肢

で、ここで登場するのが「ランドバンク」という仕組みなんです。

ランドバンクは、簡単に言えば「公的機関や非営利団体が空き家や空き地を一時的に引き取って、再生可能な状態にしてから次の持ち主に渡す」という仕組みです。アメリカで生まれた制度ですが、日本でも近年注目されています。

接道条件を満たしていない複数の土地をランドバンクがまとめて取得して、区画を整理し直せば、再建築可能な土地に生まれ変わる可能性がある。

連鎖的に発生している空き家を、面としてまとめて再生できるわけです。

これって理想的ですよね。

とはいえ、現実はそう簡単じゃない

でも、ここで一つ考えてほしいことがあるんです。

「じゃあ、なぜ日本ではランドバンクがまだあまり普及していないんだろう?」ということです。
良い仕組みなら、もっと広がっていてもおかしくないですよね。

実は、いくつかハードルがあるんです。

まず、土地をまとめて取得するのが想像以上に大変なんです。
所有者がバラバラで、中には相続が未処理だったり、所有者が行方不明だったりするケースも多い。
一つ一つ交渉していくだけで、何年もかかることがあります。

次に、お金の問題です。
ランドバンクを運営するには、土地の取得費用や管理費用、整備費用が必要です。
でも、空き家が密集しているようなエリアって、そもそも土地の価値が低いことが多いんですね。
投資しても回収できる保証がない。
自治体の財政が厳しい中で、そこに予算を割けるかというと、なかなか難しいのが現実なんです。

さらに言えば、法的な整備も追いついていません。

アメリカのランドバンクには強制的に土地を取得できる権限があったりするんですが、日本では私有財産権が強く保護されているので、そう簡単にはいかないんです。

所有者が「売りたくない」と言ったら、それ以上は進められません。

じゃあ、どうすればいいのか。

ぼくは、ランドバンクを「選択肢の一つ」として捉えるのがいいんじゃないかと思っています。

例えば、接道条件を満たしていない土地が密集しているエリアで、自治体が本気で再生に取り組む覚悟があるなら、ランドバンクは非常に強力なツールになります。
時間もお金もかかるけれど、面的に街を再生できる可能性がある。

でも一方で、もっと小さな単位での取り組みも大事だと思うんです。

例えば、接道条件を満たしていない土地でも、隣の土地の所有者と協力して私道を作ったり、持分を交換したりすることで、再建築可能にできるケースもあります。
これは民間レベルでもできることです。

あるいは、再建築できなくても、リフォームして賃貸に出したり、倉庫として活用したり、地域のコミュニティスペースにしたり。
用途を変えることで、価値を生み出せることもあるんですよ。

要するに、大きな仕組みと小さな工夫、両方を組み合わせていくのが現実的なんじゃないかなと思うんです。

接道条件を満たしていない土地だって、アイデア次第では面白い使い方ができるかもしれません。

狭い路地の奥にある秘密基地みたいな雰囲気を活かしたカフェとか、車が入れないからこそ静かで安全な子どもの遊び場とか。

制約があるからこそ、創造性が生まれることもあるんですよね。

というわけで

ランドバンクは有効か、という問いに対する答えは、「条件次第で有効だけど、それだけに頼るのは危険」というのがぼくの考えです。

大事なのは、一つの解決策に飛びつくんじゃなくて、その地域の状況や、持ち主の事情や、使える資源を総合的に見て、最適な方法を選んでいくことなんじゃないかなと思います。


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