都市部の空き家も深刻!「管理不全空き家」に至るまでのリアルな現実
空き家問題というと、地方の倒壊寸前の家屋を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、最近は都市部の空き家も急増しており、その管理や活用が大きな課題となっています。
今回ご紹介するのは、まるで小説のような話ですが、実はどの家庭にも起こり得るリアルな事例です。
そして空き家の相談の中であるあるな部分もおおいです。
・・ここはとある都心の住宅地にある一軒家。
かつては家族が温かく暮らした場所でしたが、所有者の父親が亡くなり、遺産分割協議で兄妹3人が共有名義となりました。
この共有名義というのがそもそも面倒な火種になることが多いんです。
やはり、意見の対立から誰も主体的に管理せず、家は放置状態に。
そして昨年、自治体から「管理不全空き家」と認定されてしまいました。
この急転直下の原因は何なんでしょうか。
そもそも実家の空き家の中には、記念コインや旧紙幣など、価値のある品も見つかりましたが、お宝と呼べるほどのものはありませんでした。
それよりも問題だったのは、兄妹それぞれが勝手に動き、不動産業者を呼んだり、感情的な対立が生まれたりしたことです。
家には祖父母の時代からの膨大な荷物が残されており、片付けは思うように進みませんでした。
兄は本が好きで、作業中に父の蔵書を手に取っては思い出に浸ってしまい、妹や他の兄弟の不満を買うこともしばしば。
こうした状況が続くうちに、「業者に片付けを依頼しよう」との意見が出ましたが、兄妹の間で意見が分かれ、結局進展はありませんでした。
これもあるあるですよね。
そんな中、兄が心臓病で手術を受けることになり、片付け計画は頓挫。
その隙を突くように妹が独断で清掃業者を手配し、主だった荷物を勝手に処分してしまいました。
「これでは埒が明かない」と妹は説明しましたが、兄のいない間に動いたことが問題となり、後から約100万円の請求書が届いたことで、兄は病室で激怒しました。
さらに、妹にはもうひとつの思惑があったようです。
妹の嫁ぎ先は宿泊施設を経営しており、訪日外国人観光客の増加を背景に、実家の売却資金を設備投資に回そうとしていた可能性がありました。
ところが、兄も黙っていませんでした。
兄嫁を通じて「自分が回復するまで勝手に売却も家の出入りも許さない」と強い姿勢を示し、事態はさらに膠着。
一方で、空き家を維持するためのコストが重くのしかかるようになりました。
固定資産税は住宅用地の特例で軽減されているものの、それでも年間の負担は1人あたり10万円近く。
加えて、清掃業者代が約30万円、庭木の手入れ代、火災保険料、町内費など、維持費はどんどん膨らんでいきました。
「このままでは大変なことになる」。
そう思いながらも、兄妹の対立は続き、結局、家は適切に管理されることなく「管理不全空き家」となってしまったのです。
これは決して特別なケースではありません。
相続問題、感情的な対立、コストの負担 -こうした要因が重なることで、都市部でも空き家が放置されるケースが増えています。
空き家を放置すると、固定資産税の負担増や行政指導、さらには罰則が科されることもあります。
トラブルを避けるためには、相続人同士で冷静に話し合い、早めの対策を講じることが重要です。
みなさんのご家庭でも、実家の管理について考えてみてはいかがでしょうか。
問題が深刻化する前に、できることから始めることが大切です。
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