「民泊、もう終わり」と思っているあなたへ。その空き家、実はいちばん面白いフェーズに入っています。
最近、「民泊って、もう難しくなってきたよね?」という声をよく聞くようになりました。
たしかに、外国人観光客の騒音問題や違法民泊のニュースを見ていると、「空き家を民泊に使えばいい」という空気は、少し前と比べてずいぶん変わりました。
ぼくも「空き家活用=民泊」という短絡的な答えは持たなくなりました。
しかし地方のいわゆる田舎といわれる町ほどあえて「民泊もあり!」と思うんですよね。
ということで、民泊ブームは本当に終わったのか。
それとも、形を変えて続いているのか。
そして、これから空き家をどう活用していくべきなのか。
今日はそのあたりを、じっくり考えてみたいと思います。
民泊は「下火」ではなく「選別の時代」に入った
「民泊ブームは終わった…」と言われます。
最近のニュースとくにワイドショーを見ていれば、そう感じるのも無理はありません。
ゴミ出しのトラブル、深夜の騒音、近隣住民とのいざこざ…。
そういった話が増えてきたのは事実です。
でも、訪日外国人観光客の数字を見ると、宿泊ニーズ自体は依然として強い状況が続いています。
つまり、市場が縮んでいるのではなく、「地域に受け入れられる民泊」と「そうでない民泊」が、はっきりと分かれ始めているということだとぼくは思っています。
そして淘汰が始まっている、とも言えます。
かつての「出せば儲かる」は、もう通用しない
少し前まで、こんなシンプルなストーリーがありました。
「空き家がある→外国人観光客が来る→Airbnbに出せば収益になる」
わかりやすいし、夢もある。
そういうストーリーに飛びついた所有者や投資家が、ずいぶんいたのも事実です。
ただ、今はそれだけでは難しくなっています。
民泊をちゃんと運営しようとすると、近隣への説明、ゴミ出しのルール決め、騒音対策、夜中のトラブル対応、清掃体制の整備、旅館業法や住宅宿泊事業法の確認…とやることは山積みです。
「副業感覚で始めた」人ほど、最初の数ヶ月で疲弊してしまうケースをぼくはたくさん見てきました。
民泊は今や、「不動産投資」の延長でも「ちょっとした副業」でもなく、地域の生活環境と向き合う立派な事業になっています。
都市の民泊と、地方の空き家活用民泊は別物として考える
ここで少し立ち止まって考えてみてほしいのですが、「民泊が問題だ」というときに、都市部の話と地方の話がごっちゃになっていることが多いんです。
大阪市や京都市、東京の住宅地では、普通の生活圏に旅行者が頻繁に出入りすることで、住民の不満が積み重なります。
規制や監視が強まるのは、ある意味自然な流れです。
一方で、宿泊施設がほとんどない地方の農村や山間部では、話がまったく違います。
古民家を活かしたステイ、農業体験と組み合わせた宿泊、地域ならではの食文化と結びついた民泊。
そういった「地域共生型」の使い方には、まだまだ可能性が残っています。
都市の「投資型・無人型民泊」と、地方の「地域に根ざした空き家活用」を同じ言葉で語ると、大事なものが見えなくなる。
これはぼくがずっと感じていることです。
これからの民泊が求めるのは「管理力」と「地域との信頼」
「儲かる民泊を作りたい」という相談は、今も届きます。
でも、これから伸びていく民泊は、単に集客力が高い宿ではないとぼくは思っています。地域に迷惑をかけず、近隣との関係を丁寧に保ち、空き家を地域の資源として活かす。
そういう視点を持った運営者だけが、長く続けられる時代になってきています。
つまり、民泊はもはや「観光ビジネス」だけではなく、「地域運営」の側面を持つようになっている。
集客よりも、管理力と調整力と信頼関係づくりが問われているんです。
実は、空き家管理の専門性が問われる時代になっている
社会の目が厳しくなるほど、空き家管理の専門性はむしろ重要になっていきます。
民泊を始めようとする人には、こんな問いが突きつけられます。
この空き家は、宿泊に使える状態なのか。
雨漏りや床の腐朽はないか。
近隣との関係は今、どんな状態か。管理が行き届いていない部分はないか。清掃や巡回、緊急時の対応は誰がどう担うのか。
所有者と運営者の責任分担は明確になっているか。
これらを一つひとつ確認して、整理していくのは、集客の仕事ではありません。管理の仕事です。
Airbnbのような大きなプラットフォームが「活用の入口」を用意してくれるとしたら、その前後にある「点検・管理・近隣対応・安全確認」の部分こそが、今まさに必要とされているフィールドです。
この動きで、誰に何が起きるのか
少し整理すると、こういう構図になっていると思います。
所有者にとっては、「空き家があるからAirbnbに出そう」という安直な判断では後々苦労する可能性が高まっています。きちんとした管理体制を用意した上で、信頼できる運営者と役割分担できるかどうかが、成否を分けます。
事業者にとっては、民泊の運営だけを担うよりも、管理・清掃・点検・緊急対応など「運営を支えるインフラ」を整備できる事業者の需要が高まっています。不動産、清掃、警備、リフォーム、介護、地域金融……空き家と接点のある業種には、それぞれ入り込める余地があります。
自治体にとっては、無秩序な民泊の増加を抑えながら、地域資源としての空き家活用を促していくバランスが求められます。管理が行き届いた空き家を増やすことが、地域の安心にもつながります。
というわけで、「民泊ブームは終わった」という言葉を聞いたとき、ぼくはそれを「時代が次のステージに進んでいる」と読み替えるようにしています。
単純に出せば儲かる時代は終わった。
でもだからこそ、ちゃんとした管理ができる人、地域との関係を丁寧に築ける人にとっては、むしろチャンスが広がっているとも言えます。
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