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半年後の告白:サラリーマン再入学を目指します~52歳の挑戦は、失敗だったのか?~

「パパ、今日は日曜日だからお休みでしょ?お仕事しないで一緒に遊ぼうよ」

娘の小さな手が、私のパソコンのキーボードを覆った。その瞬間、はっと我に返る。

あれ? 私は何のために会社を辞めたんだっけ?


半年近く前、私は高らかに「サラリーマン卒業」を宣言しました。52歳での新たな挑戦。多くの方から温かい応援の言葉をいただき、胸を張って会社を後にしました。

そして今、私は再びスーツに袖を通す準備をしています。

明日から、転職活動を始めます。

■ 夢と現実の間で

最初は希望に満ちていました。AIを活用した絵本制作。日本の子どもたちだけでなく、世界中の子どもたちに夢を届けたい。そんな思いでKindleで日本語版と英語版を出版しました。

売れたのは、身内が買ってくれた数冊だけでした。

でも諦めませんでした。絵本を紙芝居風の動画に仕立て、英語のナレーションにBGMをつけて。ChatGPT、Claude、Midjourney、Canva、PremierPro、ElevenLabs、Artlist、SoundRow...次々と新しいツールを学びました。

そして気づいたのです。ネットの世界には、私なんかよりはるかに素晴らしい作品を生み出している先人たちがいることに。XやNoteを見れば、圧倒的なスキルとセンスを持つクリエイターたちが溢れている。

「自分には無理かもしれない」

初めて、心が折れそうになりました。

■ 小説への挑戦、そして...

次に挑戦したのは小説でした。このアカウントの更新がしばらく止まっていたのは、別のアカウントで小説を書いていたからです。毎日ショートショートを投稿。スピンオフ作品も作り、外国語にも翻訳してKindleで出版。Claudeとは何百時間も対話しました。企画、執筆、校正、リライト...プロジェクトを機能ごとに分けて、何度も何度も磨き上げていく。

でも、やはり売れませんでした。

フォロワーも増えない。そもそも「小説」って、無くても直ぐには誰も困らないコンテンツなんですよね(だからといって「小説」の存在意義を否定するものではありません)。悩みを解決するわけでもない、欲望を満たすわけでもない。特に無名の新参者にとっては、あまりにも高い壁でした。

■ サラリーマン経験は「売り」にならない?

振り返れば、私のサラリーマン時代の経験は:

  • 不動産デベロッパーでの用地営業やプロジェクトマネジメント

  • 生命保険会社での法務

  • 出向先での経営企画・人事・総務

数十億円規模の不動産開発プロジェクトを手がけた経験も、フリーランスの世界では「だから何?」という感じです。保険選びやマンション選びを指南するFPや不動産仲介のOBは山ほどいる。どう差別化すればいいのか、答えは見つかりませんでした。

■ 衝撃の出会い、そして自分の限界

高額のマーケティング講座にも入会しました。そこで出会った人たちは、私の想像を超えていました。

AI美女のファンクラブ運営、占い師、除霊師、ナンパ指南、競艇の予想販売、性教育を行うAV男優、自分探しのお手伝い...

皆さん、本当に魅力的で、個性的で、そして何より「人の悩みや欲望」にダイレクトに向き合っていました。

翻って、私は?

何も思いつかない。発想が貧困すぎる。

結局、私はサラリーマンとして「降ってきた課題」を「それなりに」解決してきただけだったんです。起業家や商売人の発想なんて、持ち合わせていなかった。

■ 崩れていく日常

会社は作ったものの、収益はゼロ。出ていくお金だけが増えていく。生活費、税金、社会保険料...

追い討ちをかけたのが、トランプ大統領の関税ショック。生活費の足しにとスワップポイント目的で持っていたFX資産が目減りしていく。

心に余裕がなくなると、人は変わります。

「パパ、遊ぼう」

娘の声が聞こえても、上の空。遊ぶ時間があったら作業しなきゃ、そんなことばかり考えていました。

一体、何のための独立だったのか。

■ 意外なスカウト、そして決断

そんな中、半年前に登録していた転職サイトから、意外にもスカウトが届き始めました。特に不動産関連の会社から。つい先日は、それなりの規模の会社の役員の方から直接メールをいただきました。

私が「売りにならない」と思っていたデベロッパーでの経験を、評価してくださったというのです。

52歳。もう転職なんて無理だと思っていた私に、まだチャンスがある。

そして、私は決めました。

サラリーマンに戻ろう、と。

■ これは失敗なのか?

大見えを切って「サラリーマン卒業」を宣言したのに、半年で戻る。

笑う人もいるでしょう。「やっぱりね」と言う人もいるでしょう。

でも、いいんです。

考えてみれば、私は大学受験も失敗して浪人した。結婚も一度失敗した。会社も2回変わった。

なのに、なぜ起業は一度で成功すると思ったのか。むしろ、一度は失敗するのが私らしいじゃないか。

■ 妻の理解、そして涙

こんな話を妻にしました。

彼女は黙って、ただ頷いてくれました。

その瞬間、涙が溢れました。

この妻と、そしてこの妻との間に授かった娘は、私にとって何よりも大切な宝物です。

この二人の笑顔を守るためなら、笑われようが、見下されようが、私はサラリーマンに戻ります。

■ 無駄ではなかった半年間

でも、この半年間は決して無駄ではありませんでした。

AIと向き合い続けた時間。様々なツールを使いこなせるようになったスキル。プロジェクトを分解し、統合する力。そして何より、「自分の限界」を知ったこと。

これらすべてが、私の財産です。

雇ってくれる会社があれば、30年のサラリーマン経験に加えて、この新しいスキルでしっかり貢献していきたい。そして今度は、サラリーマン一本足ではなく、別の軸も育てていこうと思います。それぞれに良い影響を及ぼすことを目指して。

■ あなたへ、そして未来の自分へ

半年前に応援してくださった皆さん、期待を裏切ってしまい申し訳ありません。

でも、これも私の人生の一部です。転んでも、起き上がる。それが52歳の挑戦の形かもしれません。

娘よ、パパは一度夢を追いかけて、そして一度は諦めることになった。でも、これで終わりじゃない。むしろ、ここからが本当のスタートなんだ。

いつも君に言っているように、失敗は恥ずかしいことじゃない。挑戦しないことの方が、ずっと恥ずかしい。

明日から、私は新しい一歩を踏み出します。

52歳の再スタート。

今度は、もっと賢く、もっと強く、そして何より、家族との時間を大切にしながら。


追伸: この記事を書いていると、4歳の娘が私のところに近寄ってきました。 娘の顔を見て涙ぐむ私に「パパ、なんで泣いてるの?」 「パパはね、また新しいお仕事を探すんだよ」 「そっか! がんばってね! わたし、応援するから!」

この笑顔のために、私は何度でも立ち上がります。

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