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ドラマ日記『銀河の一票』(最終回)

告発文をきっかけに、すべてを失った与党幹事長の娘で秘書の星野茉莉(黒木華さん)が、偶然出会った政治素人のスナックママ・月岡あかり(野呂佳代さん)を東京都知事にすべく選挙に挑む、新たな選挙エンターテインメント『銀河の一票』の最終となる第11話。

ついに迎えた選挙戦最終日。最後の演説に立つ月岡あかりと流星、そして、その真摯な訴えに耳を傾ける茉莉。それぞれがたどり着いた決断とは?50日間に及んだ都知事選の結末は、果たして――。

あかりの最後の演説「銀河の一票」でドラマタイトル回収。一方、流星(松下洸平さん)は、飛躍するきっかけとなった人質事件の裏側を、鷹臣(坂東彌十郎さん)がやってきたタイミングで暴露。

全ては「解釈改憲」を阻止するための権力志向。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』でいえば、 「デンノッホ(それにもかかわらず)」と言い切ることができる人間こそが、政治家としての資質を持つと。自爆テロに見えて、ここで流星の勝利は決まっていました。

ドラマと現実社会がシンクロすることが時折ありますが、「解釈改憲」は鳥肌ものでした。実際に国民の代表である国会を軽視して、「国民会議」と称した別組織をを作ったり、あり得ないような重要事項を閣議決定で済まそうとする現政権。

少し脱線しますが、本作の佐野亜裕美プロデューサーが『エルピス-希望、あるいは災い-』でタッグを組んだ渡辺あやさんの5年前の作品『今ここにある危機とぼくの好感度について』関連記事から再び引用します。当時は安倍政権でしたが、それをさらに劣化した現政権にも引き継がれる話です。

同作の制作統括・勝田夏子さんは「リアルサウンド」のインタビューに、この作品を作るきっかけとなった、脚本担当の渡辺あやさんとの会話を明かし、こう答えています。

「渡辺あやさんと前々から『最近、言葉が破壊されているよね』『日本語が壊れていっているよね』という話をしていたんです。つまり、何か言っているようで何も言っていないような言葉や、はぐらかして何も答えないみたいなことが世の中で罷り通っていると」

「20年くらい前だったら許されない振る舞いだったことが、今は政治や行政の世界でも企業社会でもたくさんあって、それで逃げ切ったもん勝ちみたいな世の中になってしまっている現状に、私も渡辺あやさんも非常に強い危機感を持っていたんです」

どうでしょう?5年経った今、この指摘は余りにも的を得ていて、絶望すら感じる出鱈目な世界が我々の前に広がっています。佐野さんは渡辺さんの影響を強く受けているというか、説教されているレベルですから(笑)。最後にドラマ内で総長(松重豊さん)が言ったセリフで引用を終わります。

我々は組織として腐敗しきっています。不都合な事実を隠蔽し、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認し合う。何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じ合うことも、敬い合うこともできなくなっていることです

当選したのは流星。副知事に指名したのは、五十嵐(岩谷健司さん)と蛍(シシド・カフカさん)と茉莉。そして、あかり。4年後、流星は国政に再び打って出て、あかりは今度こそ都知事になるのでしょう。いや、本当に素晴らしかった。今期一番の傑作でした。

余談①:「NHK ONE」で配信中の『村雨さんと日本庭園たしなみ巡り小石川後楽園編を見ました。「東京ドーム」は、「後楽園球場」の後継球場ですが、その裏にあるのが「小石川後楽園」。岡山県にも「後楽園」がありますが、別物です。

村雨さんとは、スウェーデン出身の庭師で俳優の村雨辰剛さんのことで、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のロバート役や、NHK版『大奥』の青沼役として知られています。

日本庭園とか建築とか昔から好きなこともありますが、初心者にもわかりやすい鑑賞ポイントが明示され、想像していた以上に楽しかったですし、村雨さんにピッタリな番組でした(7月3日まで)。

余談②:28日放送の『日曜日の初耳学』ゲストは木梨憲武さん。予定にはない光石研さんと、でんでんさんを番組に出演させる剛腕ぶり。『お笑いスター誕生!!』時代のでんでんさんの映像が見られて貴重でした。

余談③:サッカーには、ほぼ思い入れがないですし、オリンピック含めて国別対抗のスポーツに対しても、熱過ぎる連中に冷ややかな姿勢が常なので、早めに負けて通常モードになったのは良かったなと(とはいえ、勝ち続ければそれなりに楽しんだのかもしれませんが)。

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