ドラマ日記『サバ缶、宇宙へ行く』(第2話)&『銀河の一票』(初回)
福井県の水産高校の生徒たちが、世代を超えて“宇宙食開発”という大きな夢に挑戦した「奇跡」のような実話をもとに、新米教師・朝野峻一(北村匠海さん)が、生徒たちに伴走する中で、自身も成長していく「軌跡」を描く『サバ缶、宇宙へ行く』の第2話。
朝野峻一は、生徒たちと「サバ缶を宇宙食にする」という目標を掲げる。それにはNASAが宇宙食を作るために考えた食品衛生管理システム「HACCP」を取得することが絶対条件。「宇宙でもどこでも、飛ばせるもんなら飛ばしたろうや」とやる気を見せるのは、菅原奈未(出口夏希さん)。
今回フィーチャーされた生徒は、実家がクリーニング店の菊池遥香(西本まりんさん)。東京からの編入生で、田舎暮らしに馴染めず、クラスでも浮いているという設定。クリーニング店の前は親は何してたのか、そこがちょっと気になりました。祖父母が体調を壊したので、帰郷して店を継いだとか?
朝野が気が付いたクリーニング店の「動線管理」。これが「HACCP」取得にも応用でき、その過程で遥香もクラスに馴染み始め。最後のハードルでとなった金属探知機は、さすがにお金の問題で無理かと思われましたが、そこも知恵を絞って解決。
福井の工場に視察に来ていた木島真(神木隆之介さん)と朝野はニアミスに終わりましたが、次回こそは顔合わせとなるのでしょうか。
本作は「世代を超えて」と謳われているので、現生徒たちは卒業して、下級生たちに引き継がれるのでしょうが、生徒役の俳優も総取り換えになり、奈未や寺尾創亮(黒崎煌代さん)はOBとして引き続き登場すると予想。
告発文をきっかけに、すべてを失った与党幹事長の娘で秘書の星野茉莉(黒木華さん)が、偶然出会った政治素人のスナックママ・月岡あかり(野呂佳代さん)を東京都知事にすべく選挙に挑む、新たな選挙エンターテインメント『銀河の一票』の初回。
星野茉莉は、与党・民政党の幹事長をつとめる父・星野鷹臣(坂東彌十郎さん)の秘書。 周囲から父の後継者と目され、当たり前のように政治家を志すようになった茉莉は、永田町の党本部で秘書業務に追われる忙しい日々を送っていた。
本作は『エルピス-希望、あるいは災い-』の佐野亜裕美プロデューサーの久しぶりの新作ということで、シリアスなテイストかと思いきや、ポップな仕上がりで間口を広くしつつ、政治への皮肉やメッセージをしっかり盛り込んできた感。
ちょっと困るのが、俳優陣が同時期に違う役を演じていて、それがどうしてもチラつくんですよね。坂東さんは朝ドラ『風、薫る』と『夫婦別姓刑事』ですし、日山流星役の松下洸平さんと、雫石誠役の山口馬木也さんは大河ドラマ『豊臣兄弟!』という具合。
父宛ての封書の中に、ある人物の転落死を報じた新聞記事と、「あなたが殺した」と書かれた手紙を見つけた茉莉。政治家として出世する中で、父の志が変容しているのではないかと感じていたため調べ始めるのですが、流星の裏切りによりバレて即解雇。
失意の中で出会ったのがあかり。「政治の話はよくわからない、手が届かない、変えられない」という彼女に、「政治の話じゃないです。私たちの話です」と涙ながらに話す茉莉。
茉莉が読んでいた宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」と対になる言葉であり、本作のテーマでもあるのでしょう。
一方で、何かもっともらしいことを言っているようで、何も言っていないことを処世術にしている流星。恐らくは現実のあの議員をモデルにしているのでしょう(笑)。『エルピス』にも似た例がありました。都知事選では、流星とあかりが対立候補となり、鷹臣と茉莉の代理戦争となるのかな。
国会議員の親と秘書の子供といえば、『愛という名のもとに』(1992年)。あれは「人間とは常に他人より優位に立ちたい。資本主義も学歴社会も、劣等感や優越感で支えられている。人間は見上げる空と、踏みつける地面と両方を望むんだ」という父(竜雷太さん)を告発した息子(唐沢寿明さん)。
今期一番の期待作。最終回まで見届けます。
