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ドラマ『エンジェルフライト』(最終回)

海外で亡くなった人のご遺体を家族の元へ届けるため、国境を越え、あらゆる障害を乗り越えて、魂をも掴みに行くプロフェッショナル(国際霊柩送還士)たちの物語『エンジェルフライト』の最終回。

凜子(松本穂香さん)の元に母・塔子(草刈民代さん)の訃報が届いたのは遠く南米のボリビアからだった。余命短い塔子は娘に内緒で、思い出の地を巡る世界旅行に出かけていた。凛子は那美(米倉涼子さん)とボリビアの辺ぴな村へ向かい、遺体となった母を日本へ搬送することになる。

「バケットリスト」が肝となった最終回。同じ題材ですと映画『死ぬまでにしたい10のこと』(2003年)が有名ですが、ドラマですと奈緒さんと木梨憲武さんがW主演した『春になったら』(2024年)でも同様のものが登場しました。

「人間は本能の壊れた動物である」というのは、『ものぐさ精神分析』シリーズで一世を風靡した岸田秀さんの言葉。壊れた本能を補完するものとして人類が編み出したのが「文化」や「自我」という「幻想(代替物)」。

大方の人たちはこの「幻想」によって守られるけれども、どうしてもその「幻想」が自分に合わないという人もいて。「母性」というのもその代表的な一つ。塔子は子供を愛せない自分に悩み、凛子は母に愛されていないことに傷ついていて。二人のこれまでの不和が回想で描かれました。

バリキャリだった塔子は、葬儀社に再就職した凛子が気に入らず大喧嘩。しかし、その後思い直したのかその葬儀社を訪ね、メンバー全員と居酒屋へ。そこで余命の話をしながら、「バケットリスト5」を思いつき。

ボリビアを訪れたのは、旅先で出会って以来、連絡を取り続け好意を持っていた医師の宇佐美(飯田基祐さん)に抱いてもらうため。しかし、彼には男性パートナーがいたために断られます。

日本に到着した塔子の死化粧を任されたのは、腕をあげていた凛子。リスト4の「若返って美人になる」は果たされ、リスト5の「愛する男に抱かれる」は那美が「男」を「娘」に書き換え。

那美が手渡した塔子の遺品。それは幼少期の凛子と二人で撮った写真。その裏にはリスト6「娘に迷惑をかける」とありました。「最後まで迷惑をかけたくない」という高齢者の考えもわかりますが、社会風潮的には「迷惑をかけてもいいんだよ」の方が生きやすい。困った時は「相身互い」。

その言葉をきっかけに、ドラマ内で何度も登場した踏切シーンの続きが描かれました。凛子はいつの間にかその光景をシャットアウトしていたのでしょう。自力で踏切を脱出した凛子を抱きしめ、涙する塔子。

母が亡くなっても泣くことはないと言っていた凛子でしたが、塔子の胸に顔をを沈め大号泣。それを見つめるメンバーたちの様々な表情。いやあ、最終回は松本さんと草刈さんが全部持っていきましたね。

そして、ラスト。刑事の黒崎(谷田歩さん)から、那美の恋人で8年前にフェリー沈没事故で亡くなったと思われていた足立幸人(向井理さん)の生存の可能性が示されて終了。続編含みでしたが、実現するでしょうか。

余談:6日放送の『ドキュメント72時間 多国籍の学生寮 青春の日々に』をNHKプラスで視聴。舞台は大分の立命館アジア太平洋大学の学生寮で、半分は留学生。ネットには外国人へのヘイトが溢れていますが、リスペクトと信頼をベースに試行錯誤する彼ら彼女らの姿に、希望を感じました。


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