「柊の若葉」
一軒の家の庭先に
柊の木がありました。
柊といえば、
鋭い棘のある硬い葉を思い浮かべます。
触れば痛そうで、
どこか近寄りがたい印象のある木です。
ところが、その日見かけた柊は少し違っていました。
枝先をよく見ると、
新しい若葉がたくさん伸びていました。
淡い緑色の葉はまだ小さく、
いつもの柊の葉のような
硬さや厳しさを感じさせません。
そっと触れてみたくなるほど柔らかそうで、
まるで赤ちゃんの手のひらのようでした。
あの鋭い棘も、生まれたときから
立派に備わっているわけではないのですね。
柔らかな若葉が風に
揺れている姿を見ていると、
どんな強いものにも始まりはあり、
成長の途中には優しい時間があるのだと感じました。
普段は「硬い葉の木」として
見過ごしていた柊ですが、
この日は思いがけずその違う
一面を見ることができました。
散歩は、こうした小さな発見に
出会えるから楽しいものです。
