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【詩:シロクマ文芸部】鍋の具は

鍋の具は、父の畑で育った白菜
木々が色付く頃から葉を巻き始め、師走の声が近づき始めた頃に収穫された

芯に刃を入れると、含まれた水分に手が湿るほど瑞々しい葉は、まな板の上でサクサクと小気味良い音を立てる

鍋の日、母は昆布で出汁を取り、大量の白菜をコトコト煮て甘味を引き出していた
鍋の具が減り底が見え始める頃に、出汁用に入れた昆布をポン酢につけて食べるのが、父のお気に入りの食べ方だった
歳を重ねて歯も弱くなった父は、もう昆布は食べられず、母は鍋用スープを使うようになった

今年も父が育てた白菜が届いた
両手じゃないと持てない大きさの、立派な白菜
出汁パックを入れた鍋に大量の白菜を入れてコトコト煮込む
柔らかくとろけた葉から染み出した甘味が、じんわりと体と心を温める

離れていても、大人になっても、今も私は変わらず両親の愛情を受けて生きている
鍋から上がる湯気の様に、それは暖かく優しい

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