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【詩:シロクマ文芸部 眠れない】どちらにしても歩くなら

眠れないから歩くことにした
街灯の灯る深夜の住宅街

たまにすれ違うのは
疲れ切った顔で俯いて歩く会社員風の人
飲み会帰りらしい千鳥足の人
コンビニの袋をぶら下げた部屋着の人

誰も私のことなんて気にも留めない

すっぴんに眼鏡をかけて
パジャマ用の着古したTシャツの上にパーカーを羽織って
足元は素足にスニーカー

明日も仕事なのに
いつもと同じ時間に起きて
野菜ジュースを飲みながらメイクして
8時5分までに電車に乗って
知らない誰かの体やカバンに圧迫されながら
9時までにオフィスに着かないといけないのに

眠れないから歩くことにした

どうしても耐えられないわけじゃないけれど
ギリギリ耐えられるレベルの毎日を積み重ねて繰り返さなくてはいけない
これは絶望と呼んで差し支えないのかもしれない

そんなことが不意に頭に浮かんでしまった
夜にラブレターを書いてはいけない様に
夜に現実の厳しさに気付いてはいけない

寝静まった住宅街
ぽつぽつと灯る街灯
次の街灯まで行ったら引き返そう
もうひとつ先の街灯まで行ったら

そう繰り返して歩くうちに
なんだか楽しくなってきた

どこまで街灯が続くのか歩いてみようか
もし途切れたら
次の街灯を探して歩いてみようか

どちらにしても歩くなら
楽しんで歩いてみよう
その先に見つけるのは街灯かもしれないし
そうじゃないかもしれない

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シロクマ文芸部に参加させていただきました!

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