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メンエス嬢より、アミューズメントポーカーディーラーのほうが稼げた。


はじめまして、723です。
早速ですが、みなさんは今流行りの『ポーカー』というものを知っていますか?

5枚の手札が配られて、『ワンペア』や『ツーペア』などの役を作るあのゲーム。カジノゲームの一種であり、ドラクエなどにも登場しているので知っている人も多いかもしれません。

ですが、2025年現在、日本で流行っているのは手札が2枚の『テキサスホールデムポーカー』というものです。

このテキサスホールデムポーカーが遊べるアミューズメント施設が現在、東京だけでも150店舗近く、全国では400店舗以上あり、プレイヤー人口は200万人以上、来年には麻雀の競技人口を抜くとまで言われています。

これは、そんな今ブームになっているアミューズメントポーカー店で働くディーラーになった私の話です。



私が『ポーカー』というものを知ったのは今から数年前。都内のメンズエステ店で働いていた時だった。

紙パンツ一枚で仰向けになった客のカラダにテカテカのオイルを塗っていると、「ポーカーって知ってる?」と、突然聞かれた。

メンエスに来る客の話に興味などないけれど、金を貰う手前、そんなことは言えないし、表情にも出せない。だから私は笑顔のまま、見ず知らずの勃起したオジさんの話を聞いてあげた。

このオジさんは、ポーカーというものを趣味でやっていて、東京で開かれるポーカー大会のためにわざわざ上京してきたらしい。

いい大人がせっかくの連休にゲームかよ。

そう思いながらも「へえ」と愛想よく返す私に、俺はポーカーが強いのだと語りだすオジ。こういうヤツは腐るほどいる。いわゆる、メンエスを女性とコミュニケーションがとれる密室空間だと勘違いしているチンパンジー。

静岡に自分のポーカー店を持っているのだと言うこのチンパンジーは、見た目は40代には見えず爽やか。ただ、ヘアスタイルと服装は時代遅れなホスト系。タイプではないけど、話し方は穏やかで好感度は高かった。

それから半年がたった頃―――。

何度も危ない客に遭遇したことで、恐怖と限界を感じ、私はメンエスを辞めていた。

そんな時にネットで見つけたのが『ポーカーディーラー』の求人だった。

『レアバイト!!高時給!!』
『未経験OK!!』
『髪型・ネイル自由!!』
『楽しい職場!!』

という嘘くさく、あざとい、そんなキャッチコピーが並んでいた。時給は1,300円~。仕事内容は、ポーカーゲームの説明と進行、フード・ドリンク・カクテルの提供や受付など接客全般とあった。

時給は東京都の最低賃金1,163円よりは高く、平均時給1,515円よりは少し安いくらい。
(参考、以下)

メンエスの給料は、時給や日給ではなかった。
その日、相手にした客の数×基本コース料金の50%。指名が入ればプラス1,000~2,000円。
その他、オプションで4,000円~。
私の1日の平均給料は1.5~3万円。
多い時で4万円くらいで、出勤日数によるが月収は35万円くらいだった。

ネットで検索すると平均日給8万、月収100万などとあるが、そういうところは過激な性サービスオプションをウリにしていることがほとんどだ。メンエスで月収100万など少なくとも私の周りでは聞いたことがない。

ちゃんと計算したわけではないけれど、メンエス時代の給料は時給換算でだいたい3,000円くらいだったと思う。

それに比べてポーカー店の時給は1,300円。
メンエス時代の半分以下。

それでも、私はいわゆる”普通のバイト”がしたかった。普通が何を意味するかは人それぞれだけど……。

私はすぐに応募して、面接を受けることになり、無事採用された。

のちに知ることになるが、どうやら私が働くことになったポーカー店は業界の中ではまともなところらしく研修がしっかりしていた。

テキサスホールデムのルールから始まり、シャッフルやピッチング、チップの扱い方などをかなり丁寧に教わった。

『ワンペア』より『ツーペア』が強い。
『ツーペア』より『スリーカード』。
『スリーカード』より『ストレート』。
『ストレート』より『フラッシュ』。
『フラッシュ』より『フルハウス』。
『フルハウス』より『フォーカード』。
『フォーカード』より『ストレートフラッシュ』。

何度も呪文のように口ずさみながらポーカーの役の強さを覚えた。

『NK』は、『抜き』。
『DL』は、『ディープリンパ』。
『NBT』は、『ノーブラ』。
『PCR』は、『パンチラ』。
『4TB』は、『四つん這い』。
『AB』は、『裏オプ』。
『GIN』は、……。

メンエス時代に店長から聞かされた隠語を覚える時に復唱したことを思い出した。こんなの嬢が覚えても役に立つことはないのだけれど。

ちなみにポーカー店には、メンエスで働いていたことは隠して結婚式場で働いていたと嘘をついた。まあ嘘と言うほどでもない。短期で土日だけ、何度か短大生の時に働いたことはあったから。

少しのディーラー研修期間を経て、私の配属先が決まり都内の店舗で働くことになった。

ディーラーは大学生や若いフリーターなど同年代が多く、コミュニケーションは比較的とりやすかった。男女比は女子の方が少し多い。

ディーラーのメインの仕事であるカードを配る、いわゆる『ピッチング』を初めて客の前でするときは緊張した。研修期間に散々練習したはずなのに、手が汗ばみ、湿り、それなのに口の中は砂を頬張った直後のように渇ききり、発声しようとしても声が震えて、何言っているのかうまく伝わらないこともあった。

それでも、一週間もすれば慣れて、お客さんと話す余裕もできるようになっていた。

高校の時から飲食のホールでバイトをしていた経験が活きたのと、家のベッドの上でぬいぐるみ相手にひたすらピッチングの練習をしたり、チップカウントや役判定の練習をした甲斐があった。

アミューズメントポーカー店の客層は、20~50才の男性が8割。残りの2割は女性。そんな老若男女の客が楽しめる場を作ることもディーラーの仕事のひとつ。技術職+サービス業。それがアミューズメントポーカーディーラーなのだと研修の時に教わっていた。

『テキサスホールデムポーカー』は、子供から大人まで誰でも楽しめるゲーム。だから、対戦ゲームではあれど初対面の客同士が和気あいあいとしていることもよくある。だから慣れてしまえば仕事は楽しい。

だが、なかにはやっかいな客もいた。
いちいち文句を言ってきたり、酒を飲んでとにかくうるさかったり、他の客に絡んだり、同卓している人のプレイ内容を批判したり、煽ったり、カードやチップなどの店の備品を雑に扱ったり。

「そのクサい口をふさいで大人しくしてほしい」と、正直に言えず対応に困っていると、同い年のディーラーのトラちゃんが助けてくれた。

うるさい客を邪険にすることもなく、てのひらで転がしてその場を収める。『接客業』として100点の仕事だった。

私はその姿に見惚れた。

その日の営業終わり、トラちゃんがご飯に誘ってくれた。

「入ったばっかなのに大変だったでしょ、ごめんね。あの人、悪い人ではないんだけど面倒なんだよね」

アイドル顔負けの可愛い見た目で、愛嬌があって、客からもスタッフからも人気なトラちゃん。私も、そんなトラちゃんのことが働き始めた時から好きだった。

―――ううん、大丈夫でした。

トラちゃんは同い年だけど、一応先輩なので敬語にした。でもすぐに、「タメだよね、敬語じゃなくて全然いいよ」と、トラちゃんが笑顔言ってくれた。

―――ありがとう。

私もつられて笑顔になる。
でも、すぐにタメ語に切り替えることに遠慮してこの日限りは敬語を交えて話した。

だけど、トラちゃんに敬語を話したのはホントにこの時だけだった。

面倒な客はどこにでもいるけど、メンエスの客よりはマシだろうと思った。

ディーラーなら、応じることのできない性サービスを強要されたり、無理やり触られたり、断ったら怒鳴られたり、営業後に待ち伏せされたり、街で声をかけられて腕を掴まれて本番をもちかけられたり、精子の入ったコンドームを制服の中に入れられたりするようなこともないはずだから……。

メンエスはあくまでリラクゼーションが目的であってNKを含む性オプションは嬢の気分次第だ。店長からもそう言われていたから働いたし、研修でもそう言われた。

基本はNKなし。客のカラダにオイルを塗って撫でるようなマッサージをするだけでいいって。

でも客は違う。
みんな当然のように要求してくる。

客で多かったのは、抜かれたい気まんまんなくせに、それがバレてないと思っているチンパンジー。そういうやつには毎回言ってやった。

「次また来てくれたら、今日より優しくします」って。

抜くとは言ってない。
だから抜かなくても嘘ではない。
私が清廉潔白を装う客にできる最低限の抵抗。

でも当たり前のようにキレられたし、嘘つきだとか騙されたとか散々罵られた。

そんな場所にはもう戻りたくない。

普通に働きたい。

正直、ポーカーの面白さは分からないけどディーラーという仕事は性に合っていた。メンエスより時給は低いがそんなことが気にならないくらいに。

私は、トラちゃんとよく店のシフトに入った。
トラちゃんは、ディーラー歴6年でこの業界に詳しい。だからアミューズメントポーカー界隈のことを色々教えてくれた。

「ヤバい客かどうかはX(エックス)のアカウント見れば分かるから」

そう言って、トラちゃんが自分のディーラーアカウントを見せてくれる。店舗所属のディーラーはXアカウントを作って、客寄せパンダにならないといけないというヘンなルールがある。

私は、SNSに疎くてインスタグラムすらしてない。こういうところが友達が少ない原因だと分かってはいるけど、興味がないものは興味がないのだ。だから、本音を言うとディーラーアカウントなんて作りたくはなかったが、ルールと言われれば従うしかなかった。これも給料に入っているのだろうから。

トラちゃんのフォロワーは900人以上。
ほとんどがアミューズポーカー界隈の客やディーラー関係らしい。

フォロワー一覧を開いてトラちゃんが説明してくれる。

「名前で差別化しようとしてるようなヤツは基本ヤバい」

トラちゃんは、基本的に可愛いが、お客さんのことをたまにヤツと言う。

―――差別化って?

「うーんとね、『i』を『!』で表記してたり、『S』を『$』にしてたり、よく分かんない記号使ってたり、『a.k.a』とか使ってるヤツ」

―――そんなひといるんだ。

「それからbioにトナメの戦績のせてるヤツ」

―――bio?

「Xのここのプロフィールみたいなとこ」

―――トナメって、ポーカートーナメント?

「そう、大会があるの。月一くらいで」

―――へえ。

大会って月一なんていうハイペースであるもんなのだろうかという疑問が沸いたが、そのまま流した。

「大会にでると写真撮ってもらえるんだけど、アイコンがその時に撮られた”ポーカーしてるカッコいい自分”に設定してるヤツもヤバめ。それから固定ツイートが自分が活躍した過去の栄光のヤツとか。こういうヤツらは承認欲求強いから扱いは慎重にね」

トラちゃんのフォロワーを眺めて気づく。

―――あのさ、ほとんどがそういう人ばっかじゃない?

「そういうこと」

―――え?

「ポーカー界隈はヤバいヤツが多いの。詐欺師めっちゃ多いし」

―――そうなの!?

「うん。あとね、ディーラーは社不とメンヘラが多い。人の金盗むもヤツも多いし、約束守れないし、時間通り行動できない」

聞いてると、メンエスのほうが治安がいいように思う。……いや、似たようなもんか。

―――ほんと色々知ってるんだね。

「私。うわさ好きだから」

ニヤニヤするトラちゃん。噂好きに信用できる子はいないけど、トラちゃんはなぜか信頼できる。裏表がないからだろうか。

「大会で撒くとさディーラーしてる私たちも写真撮られるのね。それが大会のflickerっていうところに公開されて誰でも見られるようになるんだけど、気をつけてね」

―――なにに気をつけるの?

「胸にネームプレートつけて働くんだけど」

この時代にネームプレートなんてつけるのか。

「flicker漁って、写真拡大してネームプレート見て名前把握して、X探して、DMしてきたりするヤツとかいるから」

ストーカーみたいなヤツはどこにでもいるということだった。


アミューズメントポーカー界隈には、『アミュオジ』という生物がいる。

辞書で引けばわかると思うが、『アミュオジ』とはつまり、アミューズメントポーカー店にいるイタいオジさんのことだ。

社会で何の役にも立たずにアミューズメント界隈に逃げ込んでくるオジさんたちの総称で、自身を客観視することができない振舞いを揶揄して、そう呼ばれるようになったのだという。

あの日、メンエス嬢の私にポーカー小話をしてきた静岡のチンパンジーが蘇る。彼もアミュオジだったのだろうか。

「アミュオジは怒らせると大変だから丁寧に扱わないといけないんだけど、でも仲良くなれたらいいことあるから」

―――いいことって?

「キャスドリとか貰えるから、少しだけど給料上がるし」

キャスドリとは、客がディーラーにあげるキャストドリンクのこと。だいたい一杯1,000円ほどで、店舗によっても違うがキャスドリ一杯につきディーラーへのバックは150円だった。

アミューズメントポーカー店に行ったことのない人には想像がつきにくいと思うが、アミューズはポーカーをするだけの場所ではない。客がディーラーと戯れるようなコンカフェやガールズバーみたいな要素があった。

今、日本で一番勢いのあるアミューズメントポーカーグループ店はそのコンセプトで発展してきた側面がある。

昔はそうでもなかったみたいだけれど、最近ではトラちゃんに限らず、可愛い容姿の女性ディーラーがかなりの数働いている。

そのため、お気に入りのディーラー目当てで通っている客も多い。

いわゆる、推し活だ。

でも、基本的にはポーカーをする場所。
アミュオジが揶揄されるのは、ポーカーそのものではなく推しのディーラー目当てで通っているからだ。

その一方で、私たちディーラーにとってはこのアミュオジからいくらキャスドリを貰えるかが給料に関わってくるのだとトラちゃんが教えてくれた。

入って1か月にも満たない私の時給は1,300円。
一日8時間働いた私の日給は10,400円。

トラちゃんの時給は2,000円。さらに、トラちゃん目当ての客が毎日来るので、キャスドリが一日5杯は入る。トラちゃんの一日の給料は、キャスドリのバックを入れ16,750円。

私と1.5倍の差。

トラちゃんの月収は35万くらいで、私がメンエスで働いてた時と同じくらいだった。

体を触られたり、掴まれたり、舐められたり、脅されたり、ストーカーされたりして私が稼いだのと同じ金を、トラちゃんくらいのディーラーになれば笑顔で客にトランプを配るだけで稼げるのだ。

いったい、金の価値とはなんなのかと思い知らされる。

―――時給ってすぐあがるの?

「うん。条件はあるけど、けっこう他のバイトよりは上がりやすいと思うよ」

―――最高でどのくらい?

「2,500円の人もいた」

―――2,500円!?

トラちゃんが言うには、ディーラーの平均時給は1,500円で、そのくらいにまでならすぐに上がるらしい。当然、仕事ができる前提だが。

「723ちゃんは、遅刻も当欠もしないし、お客さんにも人気だからすぐに上がるはず」

私も早く1,500円にしたいと思った。

「結婚式場のバイトは時給いくらだったの?」

―――あのねトラちゃん、実はさ……。

私はトラちゃんに、ディーラーになる前にメンエスで働いてたことを話した。給料のことや働いた動機やキッカケ、それからなんで辞めたのかも。トラちゃんになら話してもいいんじゃないかってそう思ったから。

トラちゃんは私の話を驚くことも、引くこともなくただうんうんと聞いてくれた。

「そっか。でもなんかね、そんな気してたんだ」

―――え?

「お客さんに対する態度がなんか慣れてるなって。それに―――」

と言って、トラちゃんもまたディーラーになる前に大阪のリフレやコンカフェ、ガールズバーを転々としていたことがあると打ち明けてくれた。

―――そうだったんだ。

「なんか、同じ匂いするなって気がしたんだよね」

笑顔のトラちゃん。その姿を視るだけで私の心は軽くなった。秘密と過去の共有。人間これができるだけで人生の満足度が大きく変わる。

―――メンエスで働いて早く奨学金、返したかったんだ。

「奨学金なんて返さなくていいよ」

無邪気なトラちゃん。

―――そういうわけにはいかないよ。

「723ちゃんは真面目だね」

―――そうかな?私はただ義務っていうか、ルールっていうか。

「だって不公平じゃん。奨学金借りなくても、大学行ける人たち沢山いるんだよ」

不公平。その通り。私もずっとそう思ってた。なんで頑張って勉強しようとしてる人間が借金しないといけないのかなって。

東京に来てそれを思い知らされた。
当たり前に私立の大学行くのが固定ルートみたいになってるこっちの人が憎かった。

私は結局、お金がなくて大学に行けなくて、でも家は出たいから短大に行くことにして、仕送りなんてないから奨学金という名の借金をして、一人暮らししながらバイトして、学生時代に遊んだ日なんてなかった。

それなのに東京の大学生は、実家住まいで、サークルに入って、趣味みたいなバイトで遊ぶ金作って、適当に働いて、寝坊して、いい加減な理由で辞めてバックレて、恋人作って、遊んで、遊んで、遊んで、遊んでばっかで、苦労なんてまるでしてないくせに、少しでも嫌なことがあるとまるで自分が世界で一番不幸みたいなふりして喚く……。

そんなやつが死ぬほどいた。

”723ちゃん、彼氏とかいないの?”
”723ちゃん、休みの日って何してるの?”
”723ちゃん、今度バーベキューあるんだけどさ”
”723ちゃん、合コン行かない?”
”723ちゃん、今度クラブ行かない?”
”723ちゃん、旅行とか行かないの?”

うざかった。まるで心を蹂躙されているような気分になった。

"サークル"、”フェス”、”スキー”、”ランチ”、”バーベキュー”、”クラブ”、"グランピングetc……。

どれもこれもくだらない。
参加する気にもなれない。

私はお前らみたいなのが働いている時に働いて、お前らみたいなのが遊んでる時にも働いてるんだ。勉強するために、生活費のために、奨学金を返すために。

私はお前らみたいなのとは違う。

お前らみたいなのと一緒に働いていると自分が虚しくなる。

私はそれが嫌で、普通のバイトを辞めて、メンエスで働くことにした。

経済的に満足したかったから。

裕福でなくていいから、ただ、お前らみたいに普通になりたかった。

トラちゃんは私と似たような家庭環境だった。
金がないから親からはずっと高校を出たら地元の大手のスーパーで働けと言われていたらしい。でも、トラちゃんは高校一年生の時に、美容師になりたいという夢ができた。だけど、親に当然のように反対された。だから独り立ちする為に、高校卒業と同時に家を出る為に、16歳の頃に10歳年上の彼と付き合って、セックスするたびに財布から数千円抜いては貯金していた。さらにその彼と付き合いながら、金もちの同級生相手に下着を売ったり、オナニーしている姿を視てあげたり、時にセックスをしたりしてお金をもらっていたらしい。

金のために、カラダを差し出したことがある。
私たちは似ている。
同じ轍を踏みしめてきたもの同士。
理解し合える、そんな気がした。

人の繋がりの強さは血筋では計れない。

経験してきた痛みで人は強く繋がれる。
私はトラちゃんと出会ってそれを実感できた。



「あのさ。前に美容師になりたかったって言ったでしょ、でも本当はアイドルになりたかったんだよね」

ディーラーを始めて、トラちゃんと出会って3ヶ月が経とうとしていた。

―――アイドル?

「私なんかがさ、ヤバいよね」
と、トラちゃんはおどけた。

トラちゃんは同性の私から見ても可愛いと思う。トラちゃんというのはこのnoteでの仮名で、LE SSERAFIM(ルセラフィム)のチェウォンちゃんに似ているから私が勝手につけた。

似てないよ。チェウォンちゃんに申し訳ないし、チェウォンちゃんファンにも怒られる。

そう言って謙遜して照れるトラちゃんが可愛かった。

トラちゃんがアイドルを目指さなくなった理由はすぐにわかった。半ばウリのような事をしていた人間が、アイドルになることなどおこがましいと自分でけじめをつけたのだ。

トラちゃんは、客観視できる人間。

客観視。アミュオジに備わっていない能力。
でも、この客観視は自分を磨く武器になると同時に、己の未来を閉ざす絶望の入り口にもなり得る。

「私はもうアイドルにはなれない。なりたいと思ったものには一生なれないんだなって……」

そう言ったトラちゃんは笑っていたけど、光の届かない悲しい瞳をしていた。

そんなことない。
夢は必ずかなうから諦めちゃだめだよ。

こんな少年ジャンプみたいな胸熱くなるキラキラしたセリフをかけることは簡単だ。でもそれは夢を諦めようとしている人間に対する暴力だ。

ガンバレ!

それは一個人がもがいている他者に向ける言葉ではない。

つまずき、塞ぎこんだ自分をもう一度、立ち上がらせる為に自分が自分に向けて放つ言葉だ。

だから私はトラちゃんにガンバレなんて気安く言わない。

「前に働いてたお店でリングのディーラーしてる時に一回だけ、本当はアイドルになりたかったって言ったことがあるのね。そしたら、『なればいいじゃん、なれるでしょ、可愛いんだから』ってアミュオジに言われたんだ。その言葉が今でも頭から離れないんだよね。なれるならなってるよ、お前なんかに言われなくてもって、そう思った。イライラした。だからもう私は言わないことにしたんだ」

ほとんどの人がトラちゃんの抱えているこの気持ちの意味を理解できない。

手を伸ばせば可能なことを、抗うことのできない効力によって断念しないといけないという状況を経験した人間にしかきっと分からない。

何かを諦めるということにはそれ相応の努力と覚悟が必要なのだ。

「723ちゃんは、何か夢とかあるの?」

―――夢?

私の夢?夢か。ないな。
よく考えたらなんで生きてるんだろ。

―――でも、夢はないけど、目標ならあるかも。

「なに?」

トラちゃんの丸い瞳が私を覗く。

―――私もトラちゃんみたいになりたい。

夏の夜、星が瞬く空の下。
トラちゃんは、今までに見せたことのない笑顔を私にくれた。

トラちゃんみたいになりたい。
自分でも意味はよく分からない。
でも、本音だった。



ディーラーを始めて4か月―――。

私の時給は、トラちゃんの推薦のおかげもあって1,400円になり、常連とも仲良くなり、一日3杯はキャスドリが貰えるようになっていた。

でもまだ、メンエスで働いていた時の方が給料は高い。

四国の実家に送る金のことや奨学金の返済、将来のための貯金などあらゆることを考慮して月35万は稼ぎたい。

そんなことを思っていたある日のことだった。

店舗の休憩室でXを眺めていたトラちゃんが「この子またやってる」とつぶやいた。メロンソーダをすすっている口が可愛い。

―――またって?

「モノ失くしたアピール」

―――アピール?

ディーラーが時給以外にお金を得る方法はキャスドリ以外に、援助をもらうという方法があった。

援助と言っても、援助交際ではない。

ディーラーXアカウントで「モノを失くした」とアピールするのだ。

―――アピールしてなんになるの?

「アミュオジが、お金か、失くしたっていったモノくれる」

―――え?

「アミュオジにとってディーラーって性欲対象の推しみたいなもんだから」

―――どういうこと?

「みんなワンチャンどっかでヤれるって思ってるの。店通って、キャスドリあげたり、困ったときにフォローしたりすれば。アイドルだと遠いけど、ディーラーだと可能性あるって思ってるんだと思う」

―――そうなんだ。

偏見も当然あるだろうが、否定する材料はない。客だと思っていたアミュオジが性欲をひた隠したケダモノのように思えた。

―――ってことは、この子がモノを失くしたっていうのは嘘?

「だと思うよ。なんか、最初はほんとにAirpods失くしたらしいんだけど、そのことをⅩに投稿したら、何人かから『大丈夫?』ってDMと一緒にアマギフ送られたりしたんだって」

―――アマギフ?

「しかも、Airpods2つ貰ったって言ってた」

―――えええ?

「それで、これいけるって思ったんだって。やりすぎると絶対バレるって言ったんだけどね」

私は、ふと思い出す。

―――え、あのさ、もしかしてトラちゃんが前、Xに投稿してたのも……。

「そうだよ。本当はサングラスなんか失くしてない」

あっけらかんとしているトラちゃん。
無垢な笑顔が可愛い。

「あれ投稿しただけで、アマギフとペイペイで4万くらい貰った」

―――4万?

「みんな優しいから送ってくれるんだよね」

―――あの、ってことはさ、その時、キャスドリでシャンパン開けてもらってたじゃん。サングラスなくして落ち込んでるから元気出してって、常連のナニさんだっけ、あの人に。2万の。シャンパン。

「ああ、うん。あの人はいつもそんな感じ。2万のシャンパン開けてくれるより、普通にアマギフで貰いたいんだけどね。バック5,000円しか入らないし。たぶんあの人は自分のアピールもあるんだよ。店に金落としてる自分カッコいいみたいな」

―――こういうのって結構みんなやってるの?

「気づいた子はやってるよ。さりげなくだけどね。家賃厳しいとか、水道止まったとか、引っ越してないのに引っ越して家具がないとか、なんか適当にそんなアピールして」

―――そうなんだ。

「723ちゃんに言わなかったのは、こういうの苦手かなって思ったから」

―――私は……。

うん、苦手だ。乞食みたいで。

そう思った。そう思っていたはずだった。

前までは。

でも、メンエスで働いて男の下心の腐りぐあいをよく味わったから、そんなことはもう思わない。あいつらは性欲盛んなチンパンジーだ。人間ではない。だから騙そうがなにしようが罪悪感など私は感じない。人の弱みに付け込んで、性欲を押し付けてくるやつらのことなんか利用すればいい。私はメンエスで働いてそれを学んだ。

「”モノ失くしました。今度話聞いてください~”ここまでがセットね」

―――セット?

「モノ失くしました。悲しいことがありました。話だけでも聞いてください。こんなふうに弱った感じ見せるとアミュオジは喜ぶんだよね。俺が何とかしてあげようみたいなさ。なんていうか自分より弱っている人間に手を差し伸べられる幸福感みたいなのを味わいたいんじゃないかな」

―――それは分かるかも。

「話だけでも聞いてくださいって言えばさ、話聞きに来てくれるし、ついでにキャスドリも入れてくれるんだよね。あと、たまたま投稿見たって声かけてくれて、この前、映画のチケットとかディズニーチケットも貰った」

メンエスで働いていた期間は長いとはいえないけど、貰えるものと言えば、その辺のコンビニで買ったカフェオレとかスイーツばっかりだった。

「他にもいろいろあるんだよ」

私は、トラちゃんから色々と手ほどきを受けることになった。

「ドリチケっていうのがあって」

―――ドリチケって?

「ポーカー大会にエントリーした時に貰えるドリンクチケットのことなんだけど、一枚500円の価値があるのね。大会出る人って、このドリチケ余らしてる人が多いからそれを貰うの」

―――で、どうするの?

「何枚か集めて会場で売ってる3,000円のうな重と交換したり、提携してるお店で使ったり、1枚400円で売ったりするの。この前の大会で私50枚くらい貰ったよ」

―――50枚?

「もっと貰ってる子もいるよ」

―――他にもあるの?

「大会ってお祭りみたいなもんだから、みんな金銭感覚バグるんだよね。だからそういう時を狙って、”私も大会出たいなー”とか投稿したり、大会で勝ってプライズ貰った人に”おめでとう”ってお祝いDMしたりするの。そしたら、色々もらえる」

―――どのくらい?

「大会の費用が安くても1万円くらいだからそれを何人かから」

―――何で貰うの?

「アミューズメントポーカー店のポイントとかペイペイとかアマギフ。友達は現金で10万くらい貰ってたけど」

―――でも大会にプレイヤーとして出ないといけないんだよね?だったら貰っても使わないといけないんじゃない?

「出たふりで大丈夫!バレないから!ポーカー界、何してるか分からない得体の知れない金もちもいっぱいいるんだよね。ニセモノも多いけど」

―――ちなみにトラちゃんって一番多い時でどのくらいそういうの貰ったことあるの?

「一番は誕生日イベントやった時だけど、オリジナルシャンパンとか40本くらい開けて貰って、プレゼントも貰って100万弱くらいだった」

―――ひゃ、100万!? 一日で?

「誕生日イベント二日やったから、一日だと50万くらいだけど」

―――あのさ。それってその中の人と、そういう関係になったりしないの?

「私はない。絶対ない」

トラちゃんが嘘をついてるようには見えない。

「723ちゃんも、とりあえず誕生日近くなったらAmazonの欲しいものリストをディーラーアカにのせとくといいよ。そしたら勝手に送られてくるから」

私のディーラーアカウントのフォロワーはまだ100人にも満たないぐらい。DMは送信できない設定にしている。暗黙のルールがあったから。

「あのね、723ちゃん。DM送信×(バツ)っていうのは、キモい客から送られてこないようにするための措置だから、あんまり気にしなくていいよ。お客さんとライン交換して外で会ってる子なんてたくさんいるし、付き合ってる子もたくさんいるし。とりあえずキモいアミュオジ対策なだけだと思って」

―――そうなんだ。

「あと私はやってないけど、頭のいい大学あるでしょ、慶應とか東大とか。そういう子って勉強はできるけど社会経験ない子が多いのね。でも実家は太いの。だからそういう子と仲良くなったら優しくして、店に通わせて、キャスドリをたくさん入れさせるって子もいた。どうせ親の金でポーカーしてる子たちだから。まあ、本気で好きになられて面倒とは言ってたけど」

ただカードを配っているだけでは知ることの出来ない情報ばかりだった。

「あとは私らの働いてる店はやってないけど、閉店後にオーナーが知り会い集めて現金賭けてポーカーしてる店があるのね」

―――それって違法なんじゃ。

「そう。でも撒いてくれるディーラー必要でしょ?だから1時間で1万円とか渡してディーラーさせてたりするんだって。私は捕まりたくないからやらないけど。あとはイカサマ覚えたりとかそういうので稼いでるディーラーの子もいる」

―――ディーラーってそんなことやってるの?

「みんなじゃないよ。やってる子はいろいろやってるってだけ。普通に働くより稼げるよ」


トラちゃんの話を聞いたその翌日から私は店での働き方を改めた。DM送信×(バツ)と記載したまま、XのDMを解放して、フォロワーを増やす為に、今まで載せる気もなかった自撮り写真や、プライベートなこと、それから出勤する日などを投稿し、リプも返すようにして、頻繁に更新するようになった。

そして、笑顔でただカードを撒くというスタイルから、金を持ってそうな人には自分から話しかけに行くということも試すようになった。

すると、毎日フォロワーが少しずつ増え、ディーラーを始めて6か月経つ頃には500人にまで増えていた。

店舗だけでなく大型大会でも撒き、撮ってもらったディーラーをしている姿の写真を投稿して、「応援しています」と一言添えて、「一緒に写真撮りましょう」と、さらに一言添えて、ドリンクチケットをもらい、フォロワーもどんどん増やした。

初めてモノを失くしたアピールをするときは躊躇った。罪悪感ではない。こんな嘘すぐにばれてしまうのではないかという恥ずかしさだった。

でもバレることはなかった。

私はお気に入りのヘッドホンが壊れたと嘘の投稿をした。

5年も使ってたのに……。

すると、よかったら新しいヘッドホンを買う足しにしてくださいと、DMでアマギフが届いた。

それから、もしもしペイペイ教えてくれたら送金しますなんていうDMも。さらに驚いたのは、新しいオススメのヘッドホンをお客さんがくれたことだった。

1万円~5万円くらいするものまで。
合計3台も貰った。

貰うときは、「こんなの貰えないです」と当たり前のように遠慮した。

それでもくれた。

ありがたく貰った。

メルカリで売った。

金になった。

気づけば何でもない日なのに、キャスドリでシャンパンをいれてもらえるようになった。

いいハンドを配ってくれたから、なんていう意味の分からない理由だった。

ディーラーを始めて9ヶ月。時給は1,500円に上がり、キャスドリのバックを含めて月収は30万を越えるようになった。特別なことはやっていない。ただカードを撒いて、笑顔を振りまいて、お客さんと喋って、Xを更新しているだけで、メンエスで働いていた時くらいの金を稼げるようになった。

メンエスで働いている時は、自分を売り物のように感じていた。でも、ディーラーをしている現在はまるで自分がアイドルかのように錯覚しまうことさえあった。

チヤホヤされることで得られる充足感。

でも私がほしいのはこんなものではなかった。

その一方で、DMを開放していると卑猥なメッセージも届くようになった。そのなかには捨てアカから性器の写真を送りつけられたりもした。

それでもまだメンエスみたいに直接触れられないだけマシだった。

さらに数か月、ディーラーを始めて1年が経とうとしたころ、私の初めての誕生日イベントが迫っていた。

トラちゃんからも色々とアドバイスを貰った。

恥ずかしがらずに、誕生日イベントに来てくださいと告知すること。直接会った時に、ひとりひとりに来てくださいと誘うこと。動画も作った。3万円~10万円までのオリジナルシャンパンも10本用意した。私は、そんなに売れるはずないと断ろうとしたけど、トラちゃんが絶対いける。開かなかったら私が買うからと強引だった。

そうして迎えた誕生日イベント当日。

ポーカーのトーナメント形式で、私が特別な衣装を着て、ディーラーをするというもの。派手に露出をしてカラダを晒すわけではない。可愛い衣装を着るだけ。このくらいのことしかしないのだから、私の想定では30人くらいだと思った。それでも十分だった。誕生日を誰かに祝ってもらうなんて人生で経験したことのない私にとっては……。

だけど総エントリー数は100を超えた。余ると思ったシャンパンも予約の時点で売り切れ、追加でさらに5万のシャンパンが5本、10万のシャンパンが2本当日に出た。

この日開いたシャンパンの合計は17本。
価格にして90万円分だった。

―――信じられない。

私はバックヤードで泣きながらトラちゃんに漏らした。だって、ここはキャバクラではない、ガールズバーでもない、コンカフェでもない、ただのアミューズメントポーカー店で、私はメンエス上がりの1年働いただけのディーラーだ。努力はしたし、気に入られようともしたが、カラダを差し出したことはなかった。

こんなセカイがあるなんて知らなかった。

シャンパンのバックは25%なので225,000円。その他のキャスドリと合わせて合計235,000円。誕生日限定のチェキが一枚1,000円。バック10%。28枚×100円で2,800円。時給が1,550円×8時間で12,400円。合計で250,200円。

私はたった一日で、これだけの金を稼いだ。

実はこれ以外にも誕生日プレゼントとして色んなものを頂いた。bioにAmazon欲しいモノリストを載せていた効果で合計で20万円くらいだった。

この月の給料は60万を超えた。
メンエスで働いていた時の約2倍。

ガールズバーやキャバクラやその他の風俗店で働いてる人はもっと稼いでいる。60万なんて1日で稼いでいるかもしれない。そんなことは分かってる。だけど私は今まで感じたことのない幸福感に満ちていた。



「どっか旅行でも行こうよ」

イベントから数日後、トラちゃんに誘われた。

―――トラちゃんとなら行きたい。こんだけ稼いだのだから箱根ぐらいなら行ってみたいかも。私さ、修学旅行以外で旅行って行ったことないんだよね。

うちの家族は会話がなかった。食卓をみんなで囲んで食べることなんてなかったし、外食だってしたことない。休日にどこかに行くことなんて考えられない。

機能不全家族。

私の家族を呼称するならこれだった。

そんな私をトラちゃんは旅行に連れていってくれた。何から何までトラちゃんが全部手配してくれた。そして、お会計もすべてトラちゃんが支払ってくれた。

「だって誕生日なんだから、723ちゃんが払うのはおかしいでしょ」と、いつもの笑顔で。

トラちゃんは優しくてかわいい。
トラちゃんにはたくさん助けられた。

だから次のトラちゃんの誕生日には私が旅行計画する。

―――トラちゃん、どこか行きたいとこある?

「どこでもいいよ!723ちゃんも一緒なら!」

トラちゃんの笑顔は私をいつも癒してくれる。
光をくれる。まるでアイドルのように。


私は現在、所属の店舗は辞めてフリーディーラーとして働いてる。時給は1,800円だか、チェキやドリンクバック、その他諸々で月収は40万を超えている。

不安だった奨学金も返し終えた。
生活に余裕ができた。

お金があると心が安定する。
それを実感できた。

ディーラーという職業は、技術職+サービス業。
メンズエステもそうだった。

でも、メンズエステでは得ることのできないものを得られたし、失うモノも失わずに済んだ。

アミューズメントポーカー業界はまさにバブル。ディーラーは引く手あまた。トラちゃんのように、アイドルみたいにチヤホヤされることだってある。

もちろんストレスがゼロではない。アミュオジやヤバい客には気をつけないといけない。

それでもチャレンジしてみる価値はあると思う。

日本はいまだに学歴社会。短大卒に与えられる仕事なんてたかが知れてる。

この世は人生ガチャ。
運がいいやつが勝つように出来てる。

ポーカーも同じ。

当然、運だけでは勝てないが、運がないやつは絶対に勝てない。

どういう家に生まれるのか、どういう見た目で、どういう遺伝子をもって、どういう場所で育つのか、人生はそれにかかっている。

恵まれた普通のやつにはきっと分からない。

たぶん簡単に、人生なんて努力で何とかなるだろうなどと言う。お前自身が大した努力などしたこともないくせに。

私は、自分が金を稼ぐ方法は風俗系しかないと思っていた。しかし、そんなことはなかった。性を売り物にしなくても稼げる仕事はある。

2025年7月現在、風営法も改正され営業が厳しくなった。

行き場を失くして、過激な性サービスに手を出す前に、もし困っているのなら一度、こっちにきてみたらどうかな?

流行りに便乗してディーラーを始めた学歴のない私の行きつく先が果たしてどこなのかは今はまだ分からないけれど。

あ、でもひとつ訂正したいことがある。運がないやつは絶対に勝てないと言ったけれど、それは正しいのだけれど、私の好きな言葉がある。


「配られたカードで勝負するしかないのさ」


この言葉をどう捉えるかはその人次第だ―――。

END




ここまで読んでくれた方。
ほんとうにありがとうございます。
日記のように毎日綴っていたものを一つの記事にまとめてみました。

書ききれていないことが山ほどあるので、これからも少しずつですが何かしら更新していこうと思います。

ほんとうにありがとうございました。
ディーラーのみんな。
夜職のみんな。

大変だけど頑張ろう。

私も頑張るから―――。

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