#96 「これを使って、何をしましょう?」とAIに聞かれたとき
AIに資料を取り込み、その内容の整理や分析から、
まとめのメモまで作成してもらった。
もともと、わたしは自分が学んだことを整理し、
考えを組み立てていくのが好きだった。
それをAIに任せると、ものの数秒で結果が返ってくる。
とても便利だ。
けれど、自分で考える前にすべてが完結してしまう感覚もあった。
あのてんやわんやの情報の海の中で、必死にいろんなものをつなぎ合わせていた時間は消えてしまった。
自分は、あの作業のどこに面白さを感じていたのだろう。
考えてみると、一見ばらばらに見える情報の中に、
一筋の流れが見えてくる瞬間に面白さを感じていたのだと気づいた。
頭の隅に置き続けていたからこそ、少しずつ輪郭が立ち上がってくる感じ。うんうん唸りながら試行錯誤していたものが、だんだん手触り感を帯びて腑に落ちてくる感覚。
瞬間で答えが返ってくることで、情報が形になるまでの時間は短縮された。
ただそこには「もがく時間」がない。
情報が考えになる前の、あの曖昧な揺れが、すっぽり抜け落ちている。
AIの速さと言語化力の前では、自分の力は小さく無用に感じる。
ただ、AIが出した結果が、本当に自分が求める形なのかを確かめる姿勢は、
これからも大事なのかもしれない。
あっという間にそれらしく整ったものが返ってくる。
だから、一から作るときよりも、確認が甘くなっているような気がする。
さらに、資料を読み込み、整理し、綺麗な言葉でまとめてくれたAIに聞かれた。
「これを使って、何をしましょう?」
そのとき、ドキッとした。
わたしはこれまで、整理や分析そのものに時間と労力を使っていて、
肝心の「その知識を使って何をしたいのか」を、
あまり考えてこなかったのではないか。
目先の整理はAIに任せられる。
では、それを使って、わたしは何をしたいのだろう。
AIを使ったことで、逆に本質的な問いを突きつけられた気がした。
