デザインは「片手サイズの木端」という条件から始まった
木工所から依頼された、木製スイッチプレートのデザインを手伝って、運良くグッドデザイン賞を受賞した。
その効果もあり、その木工所は新規の工務店や建築設計事務所などから、木製スイッチプレートの受注や特注品も増えて、同時に新規顧客の獲得増と売上げ増になったようです。
「グッドデザイン⇒グッドビジネス」を目指して、デザインワークしている者として、ほんとに嬉しいニュースです。
そんな木製スイッチプレートのデザインワークが一段落し、しばらく経った頃に木工所の代表から相談したい事があると、電話が来た。
【何を作ったら良いのか?】
木工所へ訪問して、代表から話を聞いたら、家具を製造した時に、まだ木の端が出て、廃棄するにはもったいない。その木の端を利用して、何か作りたいけど、どんな商品がいいのか?相談したいと。
話を聞くと、木製スイッチプレートの受注が増え、木の端では間に合わないから、新たに板材を仕入れて製造しているため、まだ木の端がたくさんある。
クライアントから何を作れば良いのか?という相談は、デザインに関わってから初めての出来事でした。
とはいえ、何を作るにしても、「素材の条件=木の端」のサイズが片手ぐらいという条件があるだけです。
【片手サイズのアイデア出し】
そこで、木工所が作るアイテムとして、従来から書棚や靴箱などのインテリア製品が多いので、インテリアのジャンルに絞った。また、木工所で使う道具など、いくつのアイデアを代表たちと、コーヒーを飲みながら出し合った。
【アイデアは拡散と集中】
こういうアイデアを出す場合は「会議」なんて固いものでなく、頭をリラックスさせる為に、雑誌を見たり、コーヒーを飲みながらの「ながらタイム」にして打合せた。
アイデアを拡散させるには脳を緊張しないように、リラックスした方が良いですからね。
リラックスしてアイデアを「拡散」させ、次にアイデアを絞り込む「選択」をして、デザインに「集中」するように、拡散と選択と集中を繰り返した。
【アイテムは木製巻き尺】
そんな中から、仕事で巻き尺を良く使うので、何を作ったら良いの答えのアイテムとして、ここは木工所らしく「木製の巻き尺」となった。
巻き尺本体は信頼できる既存品を利用して、そのカバーを木製で作った。

いくつかのアイデアスケッチの中から、
打合せて試作したのが、子供のくじら。
代表の奥さんが、これが可愛いね、と気に入ったようでした。

片手の中に収まるサイズなので、可愛く見えるし、曲がった尻尾の所を壁のフックにも掛けやすい。
【木製巻き尺の名前はコジラ】
可愛い木製巻き尺の試作を見て、名前をどうしようか、となった。
子供の可愛いくじら、のイメージなので、コドモクジラを略して、「コジラ」はどうですか?と提案すると、
ゴジラと間違いそうだね、の意見も出たが、名前はコジラに決まった。
やはり、作る人が気に入ったデザインを作る方が、より良い商品につながるのを、今までに見てきたので、ここは作る人の声に耳を傾けた。
デザインを提案するのが、デザイナーの仕事です。
デザインを決定する時はクライアントと一緒に仲良く決める。
この原則は変わりません。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
木の端、とはいえ、板材として使われる迄には何年も経った立派な素材ですから、廃棄するなんてのは、もったいないし、まだまだ使える価値がある。
木の端の片手サイズの何かをデザインするのは、今では良く言われる、SDGsに近い取り組みにも近い。
デザインしてると、やはり、木工所は木製品を作る現場なので、アイデアスケッチを見せたら、すぐに試作してくれるし、スケッチの2次元から、3次元のスガタを確認できた。
立体にすると、気づく事があり、手直しも早く、「作る人=使う人」なので、すぐに行動してくれました。
作る現場で打合せると、ほんとにテンポ良くデザインワークが進みましたね。
