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air_mezzanine
夫っていうか植物図鑑〈エッセイ〉
ちょっと息ぐるしい。
ひと足先に寝室を出て、洗面所に向かう。鏡には、重い一重。
口をゆすいで、キッチンに向かう。
カップに浄水を汲んで、レンジで人肌くらいに温める。
カーテンを引いて窓を開けると、網戸の外から、静かな冷気が触れてくる。
通勤通学中の人々が、ちらほら。
時計を見なくてもわかる。第一次わんこのお散歩ラッシュは過ぎた。
リビングの座布団に座って、水を飲み干す。
あ、起きるのちょっと飽きた。
寝室に戻ると、むわぁっと真夏の空気が覆い被さってきた。
こんな中で寝てたなんて、よく二人とも熱中症にならなかったよ。
寝室のドアは開けっぱなしにして、夫の寝相にピッタリ寄り添う。
増えた温度に気づいたのか、重そうな二重を二、三度しばたたかせ、力加減もままならずに腕を回してくる。
こんなことを夜通し繰り返しているから、毎朝私のこめかみには服の皺がつき、なんだか肌の下からチリチリするのだ。
あぁ、炊飯器のブザーが鳴ってる。
また夫を丁寧に押し退けて、ベッドを抜けた。
十分ほどして、夫がぽやぽやしながら起きてきた。
トイレに行き、洗面所に行き、歯磨きしながらキッチンに来て、朝ごはんの準備を始めた。
夫はいつも、キッチンで立ちながらご飯を食べる。
昨日の戦利品のヤンニョムチキンが、ニンニクの香りを部屋いっぱいに満たす。
「意外と辛くなかった」と言ったそばから、
「ちょっと食べてもらえたら」と、私の分を小皿に取り分けてくれる。
おいおい。
「ありがとう〜。もらうわ」
思ったよりニンニクも強くなく、ゲンコツサイズを食べ切れた。
…でもさぁこの後、冷蔵庫には同じ量の辛辛チキンが控えてるんだよね。
顔を洗ったあと、座椅子に腰掛けて歯磨きする夫のつむじには、特大のタンポポが咲いている。
パシャ。
「なんやぁ!」
シャッター音の後でキメ顔しても遅いって。
