トルコ2025: 聖母マリアの家とエフェソス遺跡
2025-11-21 (Fri)
5時にアラームで目が覚める。Koreyの咳がうるさくて、ずっと寝たり起きたりを一晩中繰り返していたので、結局2~3時間ほどしか寝られていない。どこかで薬局を見つけて、咳の薬を買ってもらわないといけないな。僕も寝不足だけど、咳をしていた本人もほとんど眠れていないだろう。寝不足以外にも体が重たい気がしたので、6時からの朝食と一緒に風邪薬を飲んでおくことにした。気力で持たせなければ!

7時半に出発したバスの中からは、綺麗な朝焼けと共に気球が飛んでいるのが見えた。カッパドキアに比べると数は全然少ない。Hakanによると、ここの気球から見て面白いのは石灰棚くらいなので、パムッカレで気球に乗るのは勧めないと言っていた。うん、カッパドキアはもっと広い地域に奇石や渓谷が広がっているからこそ、空から見て楽しかったんだろうな。


10時過ぎにバスはセルチュク(Selçuk)の町に到着。道の脇にはオレンジかレモンの木がたくさんあって、今までのトルコの町とは植物形態が違うみたいだ。ここで訪れたのがDonna Milanというレザーショップ。いきなりファッションショーが始まってビックリしたけど、そういえば僕はこういうショーはテレビか映画でしか見たことがないので、ちょっとワクワクしてしまう。もちろんこの後にはショールームで買え買え攻撃が待っているんだけど、このファッションショーは結構満喫してしまった。


ちょっとだけ目を引いたジャケットもあったので、いくらくらいだろうとショールームで見てみたら、やっぱり高いよ! 「定価の4分の1です」を売り言葉にどんどん迫ってくるけど、その定価が$3,000以上なので、ディスカウントされたとしても全部$800以上。「ちょっといいかも」と思っていたジャケットも、値段を聞くと「全然ダメ」に変わる。$300くらいならもしかしたら買っていたかもしれないけど、$800は無理です絶対、無理無理無理。

この後はまたちょっとバスに乗って、11時半頃『聖母マリアの家』に到着。僕は全く知らなかった話だけど、ここはキリストの死後、聖母マリアが死ぬ前に過ごした場所とされているらしい。19世紀始めにドイツ人の修道女が幻視でこの場所を視て、その後彼女のビジョンの通りの家の遺跡が発見されたとのこと。今ではキリスト教信者の巡礼スポットになっている。
内部は撮影禁止だったのが残念だけど、家の奥には聖母マリア像が置いてあって、厳かで静かな空気が漂っていた。この空気は、この場所独自のものなんだろうか、それともここを訪れる信者の想いが積もったものなんだろうか?
僕は絶対に宗教には手を出さないと決めているけど、こういう場所の雰囲気は結構好きだったりする。神社仏閣の静かで厳かな気持ちよさや、教会の背筋が伸びるようなクリアな感覚も好き。そういう神聖な「気」って絶対にあると思うな。

寄付として₺100(=$2.40)払ってロウソクを貰い、外のロウソク立てで火を灯してきた。こういう場所でロウソクに火を灯す時には、なぜかいつも母のことを考えてしまう。感謝の気持ちと厳かな空気は、どこかで繋がっているのかもしれないな。

近くには聖母マリアが飲んでいたという湧き水が今でも出ていて、そこから飲んでいる観光客もいた。奇跡の力があるらしいけど、僕は充分に幸せだし、水あたりしたら幸せじゃなくなってしまうので、飲むのはやめておいた(笑)。

紙や布に願い事を書いたものが、びっしりと敷き詰められている壁もある。なんだか日本の絵馬とかを想像しちゃうな。みんなどんな願いを書いているのか知らないけど、一つでも多くの願いが叶うといいね。

ツアーバスに戻って、12時半頃ランチのレストランへ。ここのセレクションも結構似たようなものだったけど、とても美味しくて満足した。


ランチの後、14時ちょっと前にエフェソス遺跡(Ephesus)に到着。ここは元々海に面した場所だったんだけど、長年の土砂の堆積によって海岸から離れてしまったらしい。地図で見てみると海までかなりの距離なので、長年の間にこんなにも地形は変わるものなんだと驚かされる。

当時ここにどれくらいの人が住んでいたかは、詳しくはわかっていないらしい。でもHakanが言うには、円形劇場に約1万人座れるということと、当時1人の住民につき10人の奴隷がいたということから考えて、人口はだいたい10万人くらいだったと想定されているとのこと。っていうか、住民1人につき10人の奴隷がいたってことの方が驚きなんですけど。

この地ではアルテミスが信仰されていたらしい。アルテミスは最初は狩猟の女神だったらしいけど、時を経るとそれが変化して、豊穣をも司る女神に変わっていったとのこと。エフェソスにはたくさんの乳房がついたようなアルテミス像があるらしいけど(僕らが入らなかった博物館にあったみたい)、乳首がないことから雄牛の睾丸だとされる説が有力になっているとHakanが話してくれた。円形劇場のすぐ前にあった石にはライオンの顔があり、その下に並ぶ半球のものも雄牛の睾丸とのこと。力の象徴なのか、はたまた多産や繁殖力を示す象徴なのか。


アゴラからの門をくぐってすぐ右側に見えたのが、ケルスス図書館(Library of Celsus)。堂々としたその佇まいに、思わず「わあっ!」と声を上げてしまった。ここはアレキサンドリアとペルガモンに続いて3番目に大きな古代の図書館で、1万2千もの書物(当時は巻物)が保管されていたらしい。書物も建物も度重なる地震や火事で失われて遺跡となってしまったけど、このファサードは1970~1978年に考古学者たちによって再建。エフェソス遺跡で最も美しいものの一つになったというわけ。



最後には公共トイレを見た。こういうのを見ると、当時の「恥」の概念がどういうものだったのが知りたくなってくる。他の人と隣り合って用を足すことが普通なんだから、当時の人が恥ずかしいと思うことって、他にどんなことがあったんだろう?

約2時間弱エフェソス遺跡を堪能した後は、僕らはバスの時間までビールで一休み。後からHakanも隣の席に座ってきたので、色々な話ができてよかった。

今日の観光はこれでおしまい。クシャダス(Kuşadası)という町のLe Bleu Hotel & Resortにチェックインしたのは17時頃。すぐホテルの外がエーゲ海なので、オーシャンビューを期待していたんだけど、僕らの部屋からは中庭の向こうにちょっと海が見えるだけ。廊下を挟んだ向かい側の部屋はオーシャンビューなのに! 今日は外れクジを引いてしまった感じでガッカリだなぁ。でも1泊だけだし、海を見ながらくつろぐような時間もあまりないからいいんだ!と自分に言い聞かせよう。



さて一息ついたら、薬局を目指すことにしよう。Googleマップによると、ホテルから歩いて5分ほどの場所にあるらしい。ローカルな住宅街を抜けてそこに辿り着くと、閉まっていてショック! もしかしてローシーズンだから?? Googleマップではもう一軒近くにあるみたいなので、そちらに向かうと…よかった、開いてる! クシャダスは海沿いの町だし、ビーチリゾートのような感じで冬には閉まってしまう場所も結構あるんだろうな。
ここで僕は風邪薬と鼻づまりを防ぐ点鼻薬を買って、Koreyは咳の薬と胃酸逆流を防ぐ薬を購入。これで今夜はちゃんと寝られることを祈ろう。


ホテルに戻る途中で夕食をどうしようか考えていて、ホテルの中庭の脇にBEST FISH RESTAURANTとか書いてある場所があったことを思い出した。景色もいいかもしれないから、そこで食べようか。予約が必要かどうかフロントに尋ねると、そのレストランはつい先週クローズしてしまったとのこと。しかもオフシーズンだから閉めたとかじゃなくて、完全な閉店! えー、残念だ、なんてタイミング。それじゃ仕方ないから、今夜もホテルで夕食にしましょうか。
部屋に戻ってちょっと休んだ後は、19時ちょっと前にホテルのダイニングへ。すると19時開店のはずなのに、入口にはもう長蛇の列が! ゆっくりと進む列からどんな食べ物があるかチェックしていたら、人が多いせいでもう空になりつつある容器もあって焦った。幸い狙っていた食べ物は取ることができたけど、いざ食べ始めると…、あまり美味しくないんですけど?! なんだろう、今までのホテルよりも味が確実に1レベル低いのがはっきりとわかる。アンカラのホテルの段ボールチキンは、ドライだけど味つけはよかった。でもここのホテルは味つけ自体がいまいち。今夜は食事に関してはアンラッキーだったな。


夕食の後、中庭に出てみると、展望テラスの向こうにクシャダスの町の光が見えてとても綺麗だ。すごく寒かったカッパドキアに比べるとここは暖かいけど、もう日が沈んだ後となってはやっぱり肌寒い。もうちょっと暖かかったら、この展望テラスに座って、景色を楽しみながらワインの1本でも飲みたいところなんだけどな。

昨日の寝不足で疲れていたし、明日も5時起きなので、20時半にはベッドに入った。
すぐに眠れたんだけど、夜中に目が覚めた。昔の劇団の先生が夢に出てきて、それが不安を誘うような内容だったので、パニックアタックになりそうで焦った。僕はこんな感じで、夢が原因でパニックアタックが起こることが多い。今はだいたい対処方法もわかっているし、最終手段として薬も常備しているので、ひどい発作はまず起こらなくなったんだけどね。今回も「なりかけ」といった感じで、バルコニーに出て新鮮な冷たい空気を吸ったらすぐに落ち着いてきたのでホッとした。
Koreyも今日はあまり咳が出ずに寝ているみたいだし、よかったな。この後は問題もなく、朝までちゃんと眠れた。
今日の歩数: 10,847
