見出し画像

御岩神社 | 『常陸國風土記』「かびれの高峰に天つ神鎮まる」 | 茨城県日立市

深い森に包まれた御岩山おいわさんは常陸国で最も古い霊山のひとつであり188柱もの神々を祀る信仰の地です。

宇宙飛行士がこの場所から宇宙に立ち昇る光を見たという都市伝説はさておき、この場所では確かに光に包まれた感覚を覚えた場所なのでした。


1.縄文から続く祈りの場所、そして水戸徳川家の崇敬

御岩神社の境内からは縄文晩期の祭祀遺跡が発掘されています。
日本最古の書のひとつである常陸国風土記ひたちのくにふどき(721年)には、「浄らかな山 かびれの高峰に 天つ神鎮まる」と記されており、古代からこの地が特別な聖域であったことを物語っています。
高峰とは御岩山の古い呼び名です。
中世には修験道霊場となり、江戸時代には水戸藩の祈願所となりました。
幕末の敬神廃仏、明治の廃仏毀釈では唯一神道の場所となりましたが、今もなお神仏習合の面影を色濃く残す、独特の荘厳なる空気に満ちていました。

2.神仏習合の遺構

大鳥居をくぐり、まずは祓戸はらえど神社でご挨拶をします。

そして進んでいくと、だんだんと空気が清らかになっていく感じがします。

 ・御神木「三本杉」

樹齢約500年以上、幹が三本に分かれた堂々とした巨木です。

 ・楼門

神社の境内ながら金剛力士立像が護っています

大仁王門とも呼ばれる神仏習合時代の名残です。
天井を見上げると「日天月天図」があります。

 ・栗唐不動滝くりからふどうたき

江戸時代の記録に残る、栗唐大聖不動尊をお祀りする
かつては山岳信仰の拠点だった場所だそうです

 ・斎神社回向さいじんじゃえこう殿


天御中主神あめのみなかぬしのかみ高皇産霊神たかみむすびのかみ神皇産霊神かみむすびのかみ八衢比古神やちまたひこのかみ八衢比賣神やちまたひめのみことを祀ります。
また、阿弥陀如来も祀られる、神仏混淆のお社です。

天井には、岡村美紀さん作の雲龍図が見事に描かれています。
すぐ隣には大日堂がには「御岩大権現」の旧ご本尊である大日如来が祀られています。

大日堂
 御開帳の時以外は閉まっています

 ・御岩神社

御祭神は、国常立尊くにとこたちのみこと大国主命おおくにぬしのみこと伊邪那岐尊いざなぎのみこと伊邪那美尊いざなみのみこと、他二十二柱です。

御岩山全体を御神体として拝む拝殿にあたります
拝殿の向かって左側裏手ある不動明王の剣

ちなみに、トイレは斎神社回向殿の脇にあり、この先にはありません。
聖域になりますので、給水以外の飲食も禁止されています。

  ・表参道から登拝


御岩神社の左奥側の「表参道登拝道」から「かびれ神宮」へ向います。
ここからは観光ではなく、神域を進む「登拝」となります。

登拝途中には、5億年前の「カンブリア紀」の地層と、1億数千万年前の「白亜紀」の地層が接している場所があり、地球の悠久の歴史を肌で感じることができます。
こういう場所が何となく好きです。

橋の部分で地層が違います
靴底のしっかりしたシューズが必須です
かびれ神宮が見えてきました

 ・かびれ神宮

天照大神あまてらすおおみかみ邇邇藝命ににぎのみこと立速日男命たちはやひをのみことの三柱を祀り、社殿前には今上石いまがみいしと呼ばれる岩があります。この岩の奥から湧き出た水で徳川光圀『大日本史』編纂の筆染めの儀を行なったそうです。

 ・さらに山頂へ

かびれ神宮から山頂まで片道30〜20分ほどです。
奇石が多く露出した山頂(標高492メートル)からは、天候が良ければ太平洋や那須連山を一望できます。
聖地に必ず在る磐座だったかも知れない巨石もあります。

山頂から少し降りた場所に立速日男命を祀る奥宮があります。
石祠せきしと、細長い石が立っています。まさに立石たていしと呼ぶそうです。

薩都神社の奥社の石祠と立石

 ・賀毘礼之高峯かびれのたかみね

縄文時代から、さらに古い時代から祈りの場所であったことに納得します。
頂上で少し休憩して参道に戻るまで往復50分程でした。

賀毘礼之高峯

 ・裏参道から降りました

現在は拝殿の横にある姥神さまがかつてあった場所
ちょっと怖い場所です(個人の感想です)

さらに降ること20分ほどで荒神様が見えてきます。

 ・三宝荒神

荒神様は、荒れやすく祟りやすい荒ぶる神が、仏教や修験道と結びついて、かまど神、火の神、地域の土地神様として祀られ信仰されたと言われます。

三宝荒神
拝礼して足元の地面が視界に入ると・・・

ともあれ、この場所は2本の杉が鳥居のようになっているのですが、太陽光は届いていないのに、その根本辺りからの地面から光が立ち上がっているように感じました。気のせい?

地面の下から光が?
(個人の感想です)

 ・薩都神社中宮さとじんじゃちゅうぐう

立速日男命たちはやひをのみことを祀ります。
『常陸国風土記』に登場する神様で、山頂に石祠の在る神様です。
元は別の土地に在った神様ですが、その場所を不浄にされてしまい、災いをもたらしました。そこで清浄なこの山に遷座してからは鎮まり、御利益をもたらす神様として祀られるようになったそうです。

薩都神社中宮
太陽の光をありがたく浴びる
太陽光で充電(パワーチャージ)のイメージ

3.都市伝説

御岩神社から光の柱が立ち昇っているのを宇宙飛行士が目撃したという都市伝説があり、新たなパワースポットとして紹介されることがあるようです。
参道の途中にはこのような看板がありました。

「当社の意図とは異なる参拝方法や根拠の乏しい自論」にご注意の看板
都市伝説や個人の感想の押し付けはほどほどに…

とはいえ境内や参道を進みながら、柔らかな風に触れたり、太陽の温かな光に包まれたり、地中から光を感じてしまう実体験をすると確かに古い時代からの聖地であることは間違いないように感じました。

神域の清々しさは日常の慌ただしさを忘れさせてくれました。
多くの神々に守られたこの地を訪れて、静かな活力と、深い安らぎを与えて頂きました。

本殿の御造替中でした

またいつか行きたいです。


いいなと思ったら応援しよう!