見出し画像

潮風に誘われて、初夏の光がほどける横浜へ。


温かな光が差し込む、休日の朝


休日の、午前8時。

布団から起き上がり、窓を開けます。

ふわりと部屋に入り込む風がカーテンを揺らし、初夏の気配を運んできました。

空にはうっすらと雲が広がっているものの、ところどころ爽やかな青色をのぞかせています。

「久しぶりに、横浜に行きたい」


ふとそんな思いが頭をよぎります。


家の裏山からは、ホーホケキョ、と美しいウグイスの鳴き声が響いていました。


列車に揺られて横浜へ



家から横浜まではほんの1時間。


そんなに遠いわけではないけれど、小さな冒険の始まりです。


最近はささやかな旅が、とても心地良い。


休日の列車は、子ども達の楽しそうな声や、楽しそうに談笑する旅行客のざわめきに包まれていました。

車窓には、先ほどまで雲がかかっていた空に、澄んだ青空が広がっています。


「今日は良い一日になる」


ガタン、ゴトン、と不規則な振動が体に伝わる車内で、わたしはそう確信しました。


手間ひまの先にある、やわらかな味わい



以前から気になっていたお店に行くため、横浜市内の関内駅で下車します。


伺ったのは、駅から徒歩5分ほどの距離にある「くぬぎ屋」。


素朴な見た目のお店。


こちらは手作りのワンタンスープがいただける人気店。
素材にこだわり、じっくり丁寧につくられたお料理が特徴です。


11時オープン直前に着いたのですが、すでに4名ほど待っている方がいました。


店主がガラガラとシャッターを開け、青い暖簾を店先にかけるといよいよ開店です。


店頭の券売機でチケットを購入し、定員10名ほどの小さな店内へ静かに入って行きました。


メインのメニューはいたってシンプル。


スープは塩味か、しょうゆ味か。
ワンタンは、ノーマルの肉餡か、海老か。


この潔さにお店のこだわりを感じ、期待が高まります。


今回注文したのは、塩味のノーマル ワンタン。


塩味のノーマル ワンタンスープ。
一緒に頼んだ「鶏そぼろめし」は、醤油が香る素朴なお味。


大きな器にたっぷり注がれたスープは白く濁っていて、澄んだ油がキラキラと輝いています。


ほっと落ち着くような、優しい鶏出汁の香り。


レンゲで一口すすると、シンプルだけど、まろやかで奥深い味わいが広がります。


ワンタンの皮はつるんと柔らかく、お箸でつかめないくらいの滑らかさ。


ゴロゴロとしたあらびきの肉餡は食べ応えがあり、一緒に包まれた大き目の大根がさっぱりとしたお味にしてくれます。


サイズは小と並があり、注文した小でも十分食べ応えがありました。


普段はなかなか飲み干せないスープも、滋味深い味わいに、レンゲを持つ手が止まりません。

一口味わうごとに、優しい味わいが体に広がり、そっと力が抜けていくよう。


食べる人にそっと寄り添い、日々の疲れを癒してくれるようなワンタンスープでした。


■くぬぎ屋
住所:横浜市中区吉田町5-1 第1吉田ビル 105
営業時間:月・水・木:11:00-15:00 / 17:00-24:00
     金:11:00-15:00 / 17:00-25:00
     土:11:00-25:00 通し営業
     日祝:11:00-24:00 通し営業
定休日:火曜(火曜が祝日、休前日の場合は営業)
https://www.wantankunugiya.com/


風がほどく、初夏の光


少し熱いくらいの日差しを浴びながら、山下公園までゆっくりと歩いていきます。

真っすぐ延びた日本大通りは、イチョウ並木になっていました。
まだ芽を出したばかりのイチョウの葉っぱが、風にゆらゆらと揺れている様子は、小さな妖精たちが遊んでいるよう。


イチョウの木の下には、彩とりどりの花が植えられていました。


ラナンキュラスの新しい種類、ラックス。
花びらの表面がワックスのように艶々と光って見えるのが美しい。


海に近づくほどに、爽やかな風が潮の香りを運んできます。


山下公園には青々とした芝生のスペースがあり、家族や愛犬と一緒に食事を楽しむ人々のざわめきに包まれていました。


「なんて平和なひとときなんだろう」


一歩すすむたびに、背中にほんのり汗がにじむのを感じます。


また一つ、次の季節に向けて、世界はすすんでいるようです。


赤や黄色の色どりが躍る、中華街の息づかい



初夏の気配を全身にまとい、中華街までのんびり歩いていきます。


赤や黄色の原色に輝くような金色があしらわれた、にぎやかな建物がひしめき合う中華街。


細い路地にはすれ違えないほど大勢の人が行き交っていて、先ほどまでとは違う、観光客の力強い活気に包まれていました。


少し歩くと、赤い看板が目印の「馬(ま)さんの店 龍仙 本店」にたどり着きます。


こちらは上海の味を大切にした中華料理店。
朝7:00からいただける、熱々の中華粥が人気です。


店内に入ると、「いらっしゃいませ!」と元気のいい店員さんの声が響きます。


以前いただいたことのある「ピータン粥」を、翌朝用にテイクアウトしました。


まるごと一羽の鶏と乾燥貝柱で、じっくり4時間煮込まれたお粥は絶品。
出汁がしみ込んだお米は味わい深く、口の中でホロリと溶けていきます。


時折口にはいるピータンの塩気がたまらず、食欲のない朝でもパクパク食べてしまうので、旅行中の朝食にもぴったり。


栄養価も高いので、体調の悪い時にもおすすめしたい一品です。


JR根岸線「石川町」駅より徒歩6分、みなとみらい線「元町中華街」駅から徒歩7分とアクセスも抜群。


すぐ近くに「馬さんの店 龍仙  上海園」という店舗もありますが、こちらは営業時間が違うので注意してくださいね。


■馬(ま)さんの店 龍仙 本店
住所:神奈川県横浜市中区山下町218-5
営業時間:7:00-23:00 L.O 
定休日:水曜日


かろやかな旅がつむぐ、日常の一歩先の景色



中華街のにぎやかな喧騒に旅の余韻をいだきながら、そっと家路へと向かいます。


家からたった1時間の、小さな旅。


それでも、日常から離れて、新鮮な気持ちで街の景色を眺めることができます。


気張らない、軽やかな旅。


日常の、少し先にある旅。


大人になったからこそ味わえる、旅の楽しさかもしれません。



この記事が少しでも良いなと思っていただけたら、「スキ」や「フォロー」で繋がっていただけたら嬉しいです!私も読みに行かせていただきます^^

 


いいなと思ったら応援しよう!