JAL123便「自衛隊誤射・撃墜説」が、ミリタリーの常識から見て100%あり得ないこれだけの理由
はじめに:40年以上擦られ続ける「陰謀論の本丸」
1985年8月12日の日本航空123便墜落事故をめぐり、ネット上で最も根強く、そして最も多くの尾ひれがついているのが「自衛隊が誤ってミサイル(または無人標的機)をぶつけて撃墜した」という説です。
近年ではSNSのインフルエンサーがこの説を煽り、当時の防衛大臣に「誰が撃墜したんですか?」と的外れな突撃をするなど、一種のエンタメ化(ビジネス化)すらしています。
しかし、当時の自衛隊の装備、航空管制の仕組み、そして「空の現実」を知っている人間からすれば、この説は完全に破綻しています。今回は、ミリタリーの冷徹なファクトから、この「誤射・撃墜説」を完全に解体します。
1. 相模湾は「満員電車」:誰にも見られずに誤射など不可能
まず、事故の起点となった18時24分、123便が「異常事態」に陥った場所は相模湾上空です。
陰謀論者の頭の中では、まるで誰もいない荒野の上空で123便がポツンと飛んでいたかのように語られますが、現実は真逆です。 あの日、あの時間は「お盆休みの超ピーク」。日本中の空が帰省ラッシュの航空機でごった返していました。周辺には無数の民間旅客機、自衛隊機、米軍機がひしめき合って飛行していたのです。
仮に自衛隊がミサイルや標的機を誤射し、それが巨大なジャンボ機(ボーイング747)に激突したのだとすれば、その光跡、爆発、あるいは異常な飛行物体を、周囲を飛んでいた他社の航空機のパイロット(何十人ものプロフェッショナル)や、地上の多くの人々が嫌でも目撃していなければ計算が合いません。
これほど多くの「プロの目」がある過密な空(いわば満員のスクランブル交差点)の真ん中で、誰にも気づかれずに大型旅客機を暗殺(誤射)する隠密作戦など、物理的・空間的に不可能です。
2. 自衛隊の装備と運用の現実:ミサイルは「ポチッ」と押して飛ばない
彼らは「自衛隊が訓練中に誤って撃った」と簡単に言いますが、軍用のミサイルや火器管制システムは、おもちゃの鉄砲ではありません。安全装置を外すだけで何段階もの手順(プロトコル)があり、複数の人間がガチガチの命令系統に沿って操作しなければ、絶対に発射できない仕組みになっています。
さらに言えば、仮にミサイルや標的機が「外側から」123便に激突したのだとすれば、機体の破壊パターンと全く辻褄が合いません。
外因説(ミサイルなど): 機体外部に爆発の痕跡(焦げ跡や破片の突入痕)が残る。
内因説(圧力隔壁): 機体内部の強烈な空気が「内側から外側へ」吹き出す。
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